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ヤニス・バルタス (ギリシャ)
【 1970 〜  】



ヤニス・バルタスは、1970年、ギリシャ・テッサロニキ・ロフィスコス村で生まれた。

バルタスは3人兄弟の長男で、両親は周囲から尊敬されており、誠実な人物として知られていた。

そんな両親に育てられたバルタスだったが、幼少期にはすでに問題行動をとるようになり、トラブルメーカーとして村の人々から見られていた。

成長するにつれ、バルタスは村の仲間であるディミトリス・サヴェリディスと共に夜に出かけ、酒を飲んだり骨董品を掘り出したりして過ごした。

ただ、バルタスは仕事振りは勤勉で、仕事で助けを必要としている人には惜しみなく協力した。

やがて、バルタスは大量の羊と広大な土地を購入し農作業を始めた。

しかし、1人での作業に限界を感じだバルタスは、手伝ってくれる農夫を雇う必要性を感じた。

ただ、出来るだけコストを削減する為にしばしば近隣諸国の外国人を雇い、意図的に賃金を少なく支払ったり、支払い自体を何ヶ月も遅らせた。

だが、次第に労働者たちが正当な賃金の支払いを要求し始める。

そこでバルタスは弟のスタヴロスとサヴェリディスに相談し、賃金支払いを迫る従業員 (や元従業員) を永久に解雇する方法を練り始める。


1995年後半のある時、以前雇っていたアルバニア人の羊飼いから連絡を受け、働いていた時の報酬を支払うよう要求される。

しかし、当初、バルタスはその要求を拒否していた。

その事に憤慨した羊飼いは、近隣の村の同胞ペトリシ・ロシ (20歳♂) とポーギン・レギシ (25歳♂) の2人を連れバルタスに支払いを迫った。

最終的に、バルタスは羊飼いに連絡し、報酬を支払う事を承諾し、同胞2人を国に送り届ける事を約束した。


同年12月20日、バルタスはロシとレギシを車に乗せ、国境を越えて安全に送り届ける事を約束した。

しかし、バルタスたちが乗る車をスタヴロスとサヴェリディスが乗った別の車が後ろからついてきていた。

そして、キルキスのペトロト村近くの寂れた道路で、スタヴロスとサヴェリディスが車を停車させる。

スタヴロスとサヴェリディスは警察官を装っており、ロシとレギシに80万ドルクマ (約45万円) を要求し強奪した (お金はバルタスが報酬として支払ったもの) 。

金品を奪った後、まもなくバルタスが所持していた銃を取り出すと、躊躇なくロシとレギシを撃って射殺した。

殺害後、バルタスら3人は遺体をヴァイオホリ近郊の使われてない古いトンネルに運び、警察を欺く為に2人が人身売買の犠牲になった女性だと信じ込ませようと遺体の爪にマニキュアを塗った。

2ヶ月後、2人の遺体が発見されると、検死の結果アルバニアにいる家族から行方不明届けが出されている男性である事が確認された。

2人と最後に一緒にいたバルタスが警察に呼び出され尋問を受けるが、バルタスは2人を国境を越えて連れて行き、その後の事は知らないと主張した。

当局はバルタスが犯人だとする証拠がなかった為、怪しかったが釈放するしかなかった。


1996年5月、バルタスはアルバニア国籍のエドゥアルド・ハカ (20歳♂) を農場で羊飼いとして雇った。

ハカは3日間働いたが、その働き振りに不満を抱いたバルタスはハカを解雇する事にした (ハカがヤギの乳搾りが下手な事が不満であった) 。

バルタスはハカを羊小屋に呼ぶと、散弾銃で撃って射殺した。

遺体は小屋の近くに穴を掘りそこに埋めた。

ハカの遺体はバルタスが逮捕されるまで見つかる事はなかった。

その後、バルタスはテオドラ・キルキネジという女性と出会い、交際を始めた。

バルタスはキルキネジを愛し婚約するに至った。

しかし、キルキネジはバルタスからの絶え間ない身体的虐待に耐えられなくなり、婚約を破棄してバルタスのもとを去った。


2004年5月3日、キルキネジはバルタスに電話をかけ、2人の兄弟ディミトリス (29歳♂) とサヴァスを連れ会いに行くと話した。

電話を受けたバルタスはショットガンを用意し、キルキネジの2人の兄弟を「2匹の犬」と呼び、殺すつもりだと話した。

また、バルタスは兄弟を確実に殺す為にグレネードランチャーまで用意した。

キルキネジたち3人が到着すると、バルタスはディミトリスとサヴァスと対峙する。

その後、口論となるとバルタスはショットガンを持ち出し2人に向けて発砲した。

この銃撃でディミトリスは死亡し、サヴァスは負傷した。

バルタスは兄弟を無力化すると、キルキネジを誘拐し近くの山に逃げ込んだ。

銃撃事件直後、警察は厳戒態勢に入り、バルタスの逃亡を阻止する為、州全体を封鎖する準備が整えられた。

その後、2日間、警察はヴェルティスコス周辺の森をくまなく捜索し、携帯電話の位置を追跡できるサーマルカメラまで使用した。

だが、バルタスはこれら地域をよく熟知しており、留まらずに常に移動した為、サーマルカメラは役に立たなかった。

逃亡中、バルタスとキルキネジは川の水を飲み、レタスを食べて生き延びた。

また、バルタスは眠っている時にキルキネジが逃げないように常に手を握らせた。

しかし、3日目、限界を感じたバルタスはキルキネジを解放し、数時間後、警察によって逮捕された。

逮捕された時、バルタスは警察官の前で号泣し、理由を問われると、刑務所に入ったら会えなくなる愛する女性 (キルキネジ) と別れるのが辛かったからだと答えている。

警察署に連行されて間もなく、バルタスはこれまでの殺人を告白し、弟とサヴェリディスを共犯者として告発した。

バルタスはこれまでの犯行の詳細を語ったが、後悔の念を示す事はなく、それどころか自身の犯行を正当化しようとした。

しかし、テッサロニキ市警察は、バルタスが他の犯罪にも関与している可能性が高いと考え、地域の外国人に関わる未解決事件と失踪事件の再捜査を開始した。

その結果、バルタスをブルガリア人女性2人、ロシア人女性1人、身元不明の女性1人の失踪事件の容疑者と考えたが、証拠不十分のため起訴しなかった。

裁判を待つ間、バルタスは厳重な警備下に置かれた。

刑務所職員は、バルタスが他の囚人と接触した場合、傷つけられたり殺されたりするのではと恐れた。


2005年初頭、バルタスは4件の殺人とキルキネジの誘拐で裁判にかけられた。

バルタスはあっさり罪を認め、検察官が殺人の詳細を説明すると、バルタスは不適な笑みを浮かべた。

その様子を見ていた証人の1人である警察官は、バルタスを
「人間の命の価値を全く理解していない冷酷な人物」
と評している。


同年2月24日、バルタスは全ての罪で有罪となり、仮釈放のない終身刑4回が言い渡された。

共犯者であるサヴェリディスとスタヴロスはロシとレギシ殺害の関与で有罪となり、サヴェリディスには終身刑2回、スタヴロスは犯行時、若かった事を考慮され懲役20年に減刑となった。


2007年5月22日、バルタスは控訴裁判所に控訴し、2度目の裁判を受ける事となった。

しかし、わずか1日の審議の後、バルタスは再び有罪となり、前回の判決が維持された。

バルタスは現在も刑務所に収監されているが、どこの刑務所にいるかは非公開なため不明である。



《殺人数》
4人 (他犯罪多数)

《犯行期間》
1995年12月20日〜2004年5月3日



∽ 総評 ∽

バルタスの両親は周囲から尊敬されていたらしいので、おそらく家庭も安定していたと思われる。

しかし、バルタスはそんな両親とは真逆の異常者に育ってしまった。

おそらくバルタスは生まれながらの異常者だったのだろう。

バルタスは経営者として農場を運営していたが、雇った従業員に給料を払いたくないと追い出したり殺したりした。

しかも、元従業員が仲間を連れてやって来るとその仲間を始末するという恐ろしさである。

ただ、こういった経営者の立場で従業員を密かに殺害していたというシリアルキラーは意外に多い。

というのもそもそも経営者にはサイコパスが実際に多いとされており、それが悪い方へと向いてしまうとこのバルタスのような鬼畜が誕生してしまうのである。

バルタスはキルキネジの事を愛しており、逮捕された際、会えなくなり別れなければならない事に絶望し涙した。

だったら暴力を振るったりしないで大切にしろよと言いたいが、こんな鬼畜にそんな事は通じないだろう。