
東行きの絞殺魔 (アメリカ)
【 2006 】
2006年11月20日、アメリカ・ニュージャージー州アトランティックシティ郊外のブラックホースパイクにあるゴールデン・キー・モーテルの裏手にある浅瀬の排水溝で、4人の女性の遺体が発見された。
4人共に売春婦と特定され、遺体は全て東を向いて約60フィート (約18m) の間隔でうつ伏せに並べられていた。
遺体は靴と靴下を脱がされていた以外、服を着ており、絞殺されていた (2人は絞殺、2人は不明) 。
1人目の女性はバーバラ・V・ブライダー (42歳) で、2006年10月に失踪していた。
ブライダーはコカイン中毒に苦しみ、数週間行方不明となっていた。
歯科記録によって身元が特定されたが遺体の腐敗が酷く、死因は特定出来なかった。
2人目の女性はモリー・ジーン・ディルツ (20歳) で、最後に目撃されたのは失踪の数日前であった。
ディルツは唯一売春婦として働いた経歴がなかったが、影で売春婦として働いていたとみられている。
ディルツは4人の中で最初に殺害されたとみられており、ブレイダー同様遺体の腐敗が酷く死因が特定出来なかった。
3人目はキンバリー・ラッフォ (35歳) で、結婚し子供もいたが売春婦として働いていた。
遺体が発見される前日に最後の姿が目撃されており、4人の中で最後に殺害されたとみられている。
ロープか紐のようなもので絞殺されていた。
最後の犠牲者はトレイシー・アン・ロバーツ (23歳) で、生前は薬物依存に苦しんでいた。
最後に目撃されたのは2006年11月で、ポン引きの男性に喉を殴られ入院していた。
ロバーツも何かで首を絞められ窒息死していた。
立て続けに発生した売春婦殺人事件は『The Eastbound Strangler (東行きの絞殺魔) 』と呼ばれ、警察は捜査を始めた。
2010年、法執行機関は同じく未解決事件となっている『Gilgo Beach serial killings (後日掲載) 』との関連性があると考え捜査していたが、後に否定された。
2023年、サフォーク郡警察によると、『Gilgo Beach serial killings』の殺人事件の少なくとも4件には関係しているとしてレックス・ヒューアマンが逮捕された。
このヒューアマンの逮捕を受け、再び『The Eastbound Strangler』との関連性が再検討されるが、再び検察によって否定されている。
現在も事件は未解決であり、情報提供者には2万5000ドル (約300万円) の報奨金がかけられているが有力な情報は得られていない。
この事件は多くのメディアに取り上げられ、2012年2月2日、ディスカバリーチャンネル「ダーク・マインズ」でこの事件を取り上げている。
また、『The Killing Season』第3話「死の舞踏」と第4話「街外れの闇」で取り上げられた。
更に犯罪ドキュメンタリー番組『Method & Madness』のエピソード77「アトランティックシティ殺人事件」で取り上げられている。
〘主要な容疑者〙
✘テリー・オルソン
警察は捜査を開始すると41歳の修理工テリー・オルソンに目をつける。
オルソンはゴールデン・キー・モーテルで修理代を払う代わりに無料で宿泊を許可されており、恋人から殺人犯と疑われていた。
当時、オルソンと恋人は家庭内で争いを起こしており、捜査官はオルソンの部屋で設置されたカメラに恋人の10代の娘が服を脱ぐ映像が映されているのを発見した。
だが、警察はそれ以上捜査をせず、オルソンにDNA鑑定も行わず容疑者から除外された。
✘エルドレッド・レイモンド・バーチェル
バーチェルは自らを『River Man (おそらく『グリーン・リバー・キラー』のゲイリー・リッジウェイに影響を受けた) 』と自称し、売春婦の殺害を告白していた。
しかし、殺人との関与は否定され、売春婦殺害自体も自身を誇示する為の虚偽だとされた。
✘チャールズ・コールズ
コールズはキム・ラッフォの友人で麻薬の売人だった。
警察に尋問を受けたが起訴される事なく釈放された。
✘マーク・ヘッシー
ヘッシーもラッフォの友人でブライダーとも知人であった。
警察の尋問を受けるが起訴される事なく釈放された。

犠牲者の女性たち
《殺人数》
4人
《犯行期間》
2006年10月〜同年11月
∽ 総評 ∽
『The Eastbound Strangler』と呼ばれ、売春婦ばかり4人を殺害した謎のシリアルキラー。
未解決事件で4人というのは正直少ないと思われた方も多いと思うが、4人が同時に同じ場所で等間隔で発見されたというのはかなり衝撃的であり、犯人のこだわりが見える。
個人的に少し気になる事があり、遺体が発見された状況である。
最初の殺人から最後の殺人まで少なくとも1ヶ月は空いており、殺害する度に遺体を置いていったのだろうか。
遺体の腐敗の進み具合が違うのでおそらく殺人を犯す度に順々に置いていったと思われるが、その間、誰も気づかなかったのだろうか。
未解決事件は他の未解決事件の犯人と同一人物と思われる事も多いが、こればっかりは犯人が捕まっていないのでわからない。
近年、DNA鑑定の発展と遺伝子系図による捜査で多くの未解決事件が解決しているので、この事件も是非解決して欲しいものである。
コメント
コメント一覧 (4)
しかもわざわざ足がつきやすいようなやつを律儀にね。
毎度毎度同じ場所にわざわざ整列させるかのように4人も。
ふつうだったらだれかが犯人(ほし)として捕まっているんだけど、まだまだ特定すらなされてないのがね。
治安悪い地域での売春婦殺害という点が犯人特定を困難にさせてるのではないかと思いますね。
犯行現場のアトランティック・シティ、ベガスと比べると影薄い印象はあるけど米じゃ有名なカジノ街。
治安も決していいとは言えず、貧困層もかなり多いうえに富裕層との格差も非常にでっかいらしいです。
2018年8月掲載の切り裂きジャック事件のようなやつが発覚してもおかしくないのかなと思いました。
今回のやつもこいつをほうふつとさせたな。
そうですね。
捕まっていないのに犯行を止めた理由もわかりませんね。
もしかしたらすでに捕まっているか死んでるのかもしれません。
確かに不特定多数の人と接触するので捜査自体難しくなるでしょうね。