
アンドレイ・キーコ (ロシア)
【 1985 〜 】
アンドレイ・オレゴヴィッチ・キーコは、1985年、ロシア・サンクトペテルブルクで生まれた。
キーコの幼少期についてはほとんど知られておらず、5歳の時に両親が離婚した。
母親に引き取られたキーコは、幼少期に重度の頭部外傷を負ってしまう。
以来、キーコは常にランタンを持った女性の影がハイヒールをカチカチ鳴らしながら追いかけてくるという幻覚に苦しみ始める (と本人が後に語っている) 。
その為、キーコはまともに眠る事が出来ず、街中を目的もなく夜な夜な歩き回る事が多かった。
キーコが幻覚に苦しみ、夜な夜な街中を徘徊している事を母親 (夜勤の仕事をしていた) や友人、知人は全く知らず、気さくで落ち着いた人物とみられていた。
キーコは教師からも高く評価されていたが、不良と仲良くし、不良が喧嘩している姿を傍観者として見る事を好んだ。
2004年、キーコはソスノフスキー公園で出会った女性に声をかけ、一緒に散歩するよう誘うようになった。
時折女性の私物や金品を盗む事もあったが、この時点では追いかける過程を楽しんでいた。
だが、次第にキーコ行動はエスカレートしていき、暴力的になっていく。
未成年者を含む被害者を殴り、強姦するようになった。
その後、キーコは抵抗する相手を殺害するようになるのだが、犯行は非常に慎重てあった。
状況が不利な場合は逃走し、性病や証拠を残さない為に強姦の際はコンドームを装着した。
また、奪った携帯電話などは適当に売って警察に怪しまれないように知り合いに渡していた。
2004年8月、キーコはソスノフスキー公園のキオスクで花を売っていた知人 (29歳♀) を襲った。
金を奪った後、女性のブラジャーで首を絞めて窒息死させた (他の説ではキーコが女性を近くのスポーツスクールにの敷地に引きずり込み、強姦した後にスニーカーの靴紐で絞殺したとも) 。
その後、間もなくキーコはロシア軍に徴兵された。
2005年3月、キーコは若い女性を襲い、人里離れた場所へ引きずり込んだが、女性の服のジッパーが規格外のサイズだった為、強姦出来なかった。
焦ったキーコに対し女性が反撃しその隙に逃走した。
キーコは女性を追いかけるが、犬を散歩している老婦人と遭遇した為、逃走した。
この事件後、間もなくしてキーコは頭部負傷のため除隊となり、サンクトペテルブルクに戻った。
同年4月25日、キーコはソスノフスキー公園でタチアナ (27歳) という女性を殺害した。
逮捕されたキーコは当初犯行を自白したが、弁護士に勧められて発言を撤回し、その為起訴は免れた (2022年に再度自白している) 。
同年8月、キーコは元同級生と会う約束をし、シレネヴィ大通りにある自身のアパートに誘い込んだ。
その後、強姦し、ソスノフスキー公園に連れ込むと近くの池で溺死させた。
同年12月、キーコは23歳の女性を襲うが、女性が妊娠していると嘘をついた為、キーコは女性の首を絞めて気を失わせた。
所持品を盗んだ後、女性を殺す事なくその場を立ち去った。
2006年4月、キーコは15歳の少女にナイフを突きつけてソスノフスキー公園まで連れ込んだ。
しかし、少女に同情したキーコは約2時間一緒に歩いた後、危害を加える事なく解放した。
同年6月、キーコは25歳の女性をナイフで脅してソスノフスキー公園まで引きずり込み強姦しようとした。
しかし、女性が絶え間なく叫び続けた為、意識がなくなるまで殴った後、所持品を奪って逃走した。
同月、キーコは子犬を散歩していた18歳の女性を連れ去ろうとするが、子犬に気をとられた隙に女性に逃げられてしまう。
キーコは追いかけるが女性の前に車が止まった為、逃走した。
同年9月、キーコは20歳の女性をソスノフスキー公園に連れ込み強姦した。
その後、所持品を盗んたが、1時間後には別の21歳の女性を襲い所持品を奪った。
同年12月、キーコはソスノフスキー公園で22歳の女性を襲い強姦し、翌日には27歳の妊婦を強姦した。
2007年1月、キーコは28歳の女性を強姦しようとしたが、激しい抵抗に遭い、首を絞めて気を失わせ所持品を奪った。
別の日、タクシーから降りた17歳の少女を目撃するとストーキングし、ソスノフスキー公園まで引きずり込むと、強姦した後、所持品を奪った。
更にキーコは17歳の少女をソスノフスキー公園で襲撃し、ナイフで脅して強姦した。
その少女を気に入ったキーコは家に連れ去り、一晩中強姦した。
その後、キーコは少女を目隠しして家から連れ出し、路上に置き去りにした。
警察は公園付近における連続強姦、強盗事件に関する捜査を始め、それは約1年半に及んだ。
生存している被害者のほとんどが、犯人は10代後半か20代前半の細身のロシア人だったと証言した為、警察は単独犯によるものと断定した。
また、溺死した女性の同級生であるアンドレイ・キーコが遺体が発見された日に会う約束をしていたという情報を得た。
当初は事故による溺死と判断していた警察だったが、よく調べた結果、殺害された事が判明した。
2008年6月、キーコは逮捕されると、進んでこれまでの犯行を告白した。
キーコは殺人2件、殺人未遂3件、強盗9件の合計14件の犯行に及んだと述べた。
裁判にかけられる前、キーコはサンクトペテルブルク第6精神病院で精神鑑定を受けるよう命じられた。
鑑定の結果、キーコは精神異常と診断された。
しかし、エレナ・ヴォルコワ判事はこの結果に不満を抱き、キーコの再鑑定を命じた。
結果、キーコは正気であり詳細不明の健康問題を抱えていると判断された。
家族はキーコに終身刑を求めたが、検察官ナタリアは病気と自白を考慮し、懲役25年を求刑した。
最終的にキーコはほとんどの罪で有罪判決となり、懲役22年が言い渡された。
被害者の家族は判決には満足しており、前に進んで行きたいとコメントしている。
2022年6月、キーコは2005年のタチアナ殺害を自白した。
キーコはタチアナの抵抗が激しかった為、絞殺し遺体を公園内に遺棄せざるを得なかったと告白した。
キーコはタチアナ殺害で起訴され、サンクトペテルブルクの裁判所に召喚された。
キーコは再び自白を撤回し、警察に無理やり言わされたと主張したが、犯人にしか知り得ない詳細を語った為、有罪となり更に懲役25年が追加された。
キーコによる犯行は本人が自白した限りでは15件だが、地元当局は犯行のペースを考え、被害者は数百人に及ぶ可能性があると述べている。
《殺人数》
3人 (他に強姦や強盗多数。数百人の可能性あり)
《犯行期間》
2004年8月〜2007年1月
∽ 総評 ∽
『The Sosnovsky Maniac (ソスノフスキーの狂人) 』または『The Sosnovsky Ripper (ソスノフスキーの切り裂き魔) 』と呼ばれ、少なくとも3人を殺害し、他に12件の凶悪犯罪を繰り返したキーコ。
犯罪のペースも異常であるが、その内容も異質で陰惨であり、キーコは典型的なロシア型殺人鬼といえる。
キーコは幼少時代に頭部に外傷を負い、それが原因で幻覚を見るようになった。
こればっかりは本人しかわからないので嘘が真実かは不明だが、ランタンを持った女性の影がハイヒールをカチカチ鳴らしながら追いかけてるというのは事実であれば確かに恐ろしい。
ただ、こういった頭部にダメージを負ってから異常になる人物も多く、キーコが異常となったのは間違いなくこれが原因であろう。
当局によれば被害者は15人程度ではなく数百人に及ぶとされており、数百人は大袈裟だとしてももっと多いのは間違いないと思う。
キーコが珍しいのは、通常、最初は強姦や強盗のみで殺人は行わず次第にエスカレートしていき殺人を行うのが通例だが、キーコの場合は殺人は前半のみで中盤や後半は何もせずに解放していることさえあった。
ロシアは死刑を実質的に廃止している為、死刑にならないのは仕方ないにしろ、自白と病気を理由に終身刑ではなく懲役刑になるというのは被害者家族だけではなく誰もが納得いかないのではないだろうか。
コメント
コメント一覧 (10)
ロシアて中途半端に民主なので刑罰は甘いですよね。
その点は仲良しの中国を見習って欲しいものです。
殺しもしてるのは最初だけで後半は強盗か強姦だけなのは特殊ですね。
訃報ですが、2022年4月28日掲載のエリストラトフが脱獄未遂直後に警護犬からの制圧の際のけがで死んでいたみたいです。
とんでもない極悪なオスの外道専用の刑務所、シロフクロウで脱獄を試みた命知らずの恥知らず。
死にざまから反省の色なんてなさそうなのでこのような形で死んでくれたのはよかったとおもいます。
通常、どんどん過激になっていくものですが珍しいですよね。
このタイプは異常な思考とまともな思考が混在する特異な状態で活動する傾向があり、衝動的な犯行のように見えながら冷静な判断を見せたり、無慈悲に殺人を繰り返したと思いきや同情や慈悲を見せて被害者を殺さずに開放したりとキチモンの中でも特に行動に一貫性が無く、予測不能な動きを見せます。
基本的に良心というものには無縁で共感性に乏しい存在であるキチモンの中では特殊な種別ですが、脳の損傷や腫瘍によって因子を持たない人間でもキチモン化する可能性があるというのは非常に恐ろしい事と言えるでしょう。
脳にダメージを負って異常になった輩は結構いますからね。
かといって罪が許されるわけではありません。
それとこれとは別ですよ。
責任能力が無いやら云々で無理やり生かすよりしっかりと死刑にでもした方がキチモン化する前の本人の為でもあると考えています。
もしかしたら治るかも、治療をすれば&本人のせいではない、障害のせいだ!などと殺人まで犯した者の罪を許す事は人を襲うゾンビを放置するようなものだと思いますね。
もしかしたら治るかもしれないとかそんな根拠も可能性もない事に莫大な労力と費用を投資する意味ってあるんですかね?
死刑判決→即処刑、これ以上効率的で効果的な事ってないと思うのですが。
一応研究や医学的なデータは取れるかも知れませんが、それに労力や費用を大量に投資するくらいなら被害者遺族への補償に当てた方がいくらかマシではないかと考えます。
そもそもキチモンに人権を与えてしまっているのが間違いと言えるのではないでしょうか。
人を殺害したヒグマなどは駆除されますし、そういった猛獣よりも知能が高く道具まで使う危険生物を愛護するのは正気ではないと私自身思っており、人権擁護を訴えるキチモン愛護活動家にはうんざりしております。