
カースト・テイツ (オランダ)
【 1971 ~ 2009 】
カルスト・ローランド・テイツは、1971年3月7日、オランダ・ヘルダーラント州ゼーフェナールで生まれた。
テイツは2人の姉と弟がいる4人兄弟であった。
学生時代を知る友人によると、テイツは人気者で、高校を卒業後、ホテルの学校に入学したが上手くいかなかった。
1990年代、テイツは何度も引っ越しを繰り返し、大麻に手を出し始める。
ただ、家族とは頻繁に連絡を取っていた。
その後、テイツは徴兵制により兵役につき (オランダは1997年まで兵役があった) 、兵役を終えるとドイツとの国境に近いアーペルドールンという街にアパートを借りて生活を始めた。
ガソリンスタンドで働き始めたテイツは、友人たちと距離を置いた。
2000年代、友人や隣人によるとテイツは控えめで大人しくなっていたという。
仕事振りは至って真面目であったが、ガソリンスタンドを辞めると、続いて働き始めた工場の仕事も辞めた。
テイツは60日以内 (2009年5月まで) にアパートを出て行かなければならなくなる。
テイツがアパートを出て行った後に家を借りる為に内見したいという人が現れるが、テイツは拒否する。
しかも、そんな事が1度だけではなく何度もあった。
テイツは両親や隣人に「部屋は新しい借り手がいる」と嘘をつき、また、新たな家を探す事をしなかった。
2009年4月30日午前11時50分頃、オランダ王室一家を乗せたオープントップバスが、アーペルドールンにあるヘットロー宮殿に向かって最後の旋回をしようとした。
すると、その直前、テイツが乗る黒い旧型のスズキ・スイフトが猛スピードでパレードを見に来ていた人達を次々とはね、野次馬の間をすり抜けると最後は王室一家の乗ったバスをかすめオベリスク型の王室記念碑デ・ナールドに激突した。
集まった群衆に手を振っていたオランダ王室のメンバーが立ち上がって事故車両を見渡し、目に見えてショックを受け、両手で口に手を当て息を呑む映像が映し出された。
車は王室を避けていた為、王室一家に被害はなかった。
すぐに警察が17人の被害者に基本的な応急処置を行い、全員が近くの病院へ運ばれた。
運転手のテイツはぶつかった衝撃で頭から血を流していたが、意識はあった。
テイツも被害者同様病院に搬送された。
病院に運ばれた被害者たちの内、6人は間のなく死亡した。
翌日の5月1日早朝、犯人のテイツが死亡し、数日後の8日に女性 (46歳) が死亡した為、犠牲者7人、負傷者10人という大惨事となった。
テイツの検死が行われるが、血中からアルコールは検出されなかった。
テイツが死亡してしまった為、動機は不明だが、犯行の3日前から車で寝泊まりしていた。
前日には母親の誕生日を祝う電話をしており、テイツが5月3日の母親の誕生日パーティーを楽しみにしていると話し、母親はテイツの様子について非常に「幸せそう」であったと後に述べている。
また、パレードの日に犯行に及んだ為、王家に恨みがあったのではと思われたが、両親によるとテイツは王家に悪意を持っておらず、女王について「安定剤」であると言っていたと述べた。
ただ、警察はテイツは仕事を失った事、アパートを立ち退かなければならなかった事で社会に対して憎しみを抱き、自殺願望があったのではと推測した。
その後の調査で攻撃は計画的ではあったが、十分に準備がされていなかった事が判明した。
当初は何らかのテロリスト集団が関与し、車には爆発物が仕掛けられていたと噂されたが、それらは後に警察によって否定された。
事件後、ベアトリクス(元)女王は非常に感情的なビデオメッセージで国民へ語りかけた。
また、全ての祝典やイベントがキャンセルとなった。
オランダ王室への襲撃は、現代オランダでは初めての事だった。
最後に事件直後、まだ息のあったテイツが警察に言った発言で終わりたいと思います。
「王家を轢くつもりだった」
《殺人数》
7人 (他10人負傷)
《犯行期間》
2009年4月30日
∽ 総評 ∽
この事件は当時、日本でも報道されニュースを見た時の衝撃を今でも覚えている。
本人は王家の人間を轢くつもりで犯行に及んだようだが、その割りに王家のバスには突入していない。
初めからそのつもりがなかったのか、直前で物怖じして止めたのか、単に運転ミスだったのか、本人が死んでしまっている為わからない。
ネットにはテイツが衝突直後、運転席で頭から血を流してぐったりしている画像が確認出来るが、かなり衝撃的である。
個人的には仕事を辞め、アパートを追い出され何もかも失った末、自暴自棄による犯行のような気がする。
コメント
コメント一覧 (8)
殺害数や殺害相手で被害の規模を云々するのは世間的にも遺族の感情的にもまずい部分はあるけど、それ承知でしゃべらせてください。
安倍さん暗殺事件はまだ運が非常に良かったほうだと思います。
警備の不備などをテレビではたくさん指摘していますが、一面だけで言ったら非常に不運でダメダメでした。
しかし、今日の記事のように無関係の他人が殺害相手になっていない分だけとてもよかったと思います。
ふつうは関係ない奴も巻き添えにしてぶっ殺すし
今回の記事は全然関係ない奴らがいっぱい殺害相手に含まれてるんですから。
彼も安倍さんを撃った犯人も同情できる点はいっぱいあるけど、関係ない奴が殺害相手になっている点を考えると甘くする理由はないな。
安倍元首相は残念でしたが、最後に警備や警護の甘さと日本の政治家に警鐘を鳴らしたという点においては最後に立派な仕事をしたといえるのではと思います。
無敵の人になりますからね。
銃乱射事件の犯人もそうですが、1人で勝手に死ねよと言いたいですね。
今回の選挙で自民党に少なからず同情票が集まりましたからね。
陰謀論を唱える人も当然いるでしょう。
まあ何でもかんでもそういうのに結びつける人はいますからね。
何も持たない敗者が道連れにしようとするのも無理からぬことだと思います。
それを自己責任だと言うのは、社会の歪みに目を背けたい臆病さから?
確かにそうですね。
だから平等とか差別をなくそうとか無理な話なんですよね。