
ヘンリー・レイヤー (アメリカ)
【 1884 ~ 1925 】
ヘンリー・レイヤー (出生名ハインリッヒ・C・レイヤー) は、1884年11月12日、南ロシア・アイゲンフェルトで生まれた。
1886年、レイヤーは両親と共にアメリカへ移住し、ノースダコタ州アシュレイ近くに定住した。
1904年、マチルダ・ミラーという女性と結婚し、エリザベス・カタリーナとエドワードという2人の子供が生まれた。
1911年、レイヤーは離婚し、子供達はミラーが育てる事になった。
1912年1月30日、レイヤーはリディア・ブロコフスキー・ヒンツマンと再婚した。
1920年4月22日、隣人のジェイコブ・ウルフ (41歳♂) の飼い犬がレイヤーの牛に噛みついた事で口論となった。
口論は激しくなり、レイヤーがウルフの命令を無視して敷地から出ると、ウルフは二丁拳銃を手にし2発の弾丸を込めた。
レイヤーは発砲される前に銃に掴みかかり、揉み合いの末、銃を奪い取ると、ウルフの妻ビータ (35歳) と家事手伝いの隣人の少年ジェイコブ・ホーファー (13歳。ウルフ家の親戚) の首を撃って射殺した。
ウルフが庭に逃げ出すと、レイヤーはタンスから弾薬を取り出し装填し、ウルフに向かって至近距離から背中を撃った。
倒れたウルフにもう1発撃って射殺した。
夫妻の娘マリア (10歳) とエドナ (8歳) は叫びながら納屋に逃げ込むが、レイヤーに追いかけられ撃たれて射殺された。
家には夫妻の他の娘たちバーサ (13歳) 、リディア (6歳) 、マーサ (3歳) がおり、3人は激しく叫んでいた。
レイヤーはバーサとリディアを散弾銃で射殺して黙らせ、マーサは手斧で殴り頭蓋骨を割って撲殺した。
殺害後、レイヤーはウルフの死体を納屋に引きずり込み、娘たちの死体と共に干し草と土で覆ってから家に戻り、他の死体は地下室に押し込んだ。
2日後の24日、隣人のジョン・クラフトが雨が降っているにもかかわらず、外のロープに吊るされた洗濯物に気付いた。
そして、農場に入ると近くの納屋で豚の音を聞き、納屋の脇にある小屋に入るとウルフとマリア、エドナの遺体を発見する。
その後、家の地下に通じる落とし戸から更に5人のバラバラの死体を発見した。
生後9ヶ月のエマは唯一の生存者であり、狭い寝室でゆりかごに揺られた状態で発見された。
エマは軽装で飢えと寒さで弱っていたが命に別状はなかった。
保安官が捜査を始めると、すぐにレイヤーが疑われた。
レイヤーは2500人が参列したウルフ一家の葬儀に参列したのだが、8人全員の棺を開けるとその顔をじっと見つめるという奇怪な行動を示した。
また、保安官はたまたま捜査でウルフの農場に来ていた時に、レイヤーが農場に現れた。
同年5月11日、レイヤーは逮捕され、翌日、犯行を自白した。
同年5月13日、レイヤーはウルフ一家と少年殺害で終身刑を言い渡された。
1922年12月21日、レイヤーはリディアと離婚し、1925年3月21日、刑務所内の病院で死去した。
享年40歳。
レイヤーは地元の墓地に埋葬されが、どこに埋葬されたかは明らかになっていない。
一家の唯一の生存者エマは、ホーファー家に育てられ、6歳の時、ホーファー家が実の両親でなく、叔父・叔母である事を知った。
1932年に叔父が、1933年に叔母が相次いで亡くなると、エマはしばらくは夫妻の子供3人と暮らし、その後の詳細はあまり知られていないが天寿を全うしたという。
この事件はノースダコタ州の歴史上、最も恐ろしい大量殺人の1つとされている。
《殺人数》
8人
《犯行期間》
1920年4月22日
∽ 総評 ∽
些細な事がきっかけで (本人にとっては些細な事ではなかったのだろうが) 、一家惨殺という惨劇に繋がった事件。
詳細がないがおそらくレイヤーやウルフ家は日頃から上手くいっておらず、いつ争いが起きてもおかしくない状況だったのだと思われる。
しかし、ウルフ夫妻だけを殺すならまだしも、幼い娘たちを容赦なく殺すレイヤーはあまりに非情であり、そんな鬼畜は何故か死刑でなく終身刑であった。
最後、判決から数年で刑務所で死亡したが、死因は不明であった。
年齢から殺された可能性もあるが、時代もあるので普通に病死であろう。
9ヶ月の赤ん坊を殺さなかったのはせめてもの良心か、気付かなかったのかわからない。
コメント
コメント一覧 (13)
シリアル・キラーばっかりだったから余計に新鮮ですね。
2千5百人以上の参列者がお葬式に来るくらいだからこの事件は相当衝撃的で女池だったのでしょう。
当時の終身刑だからいまよりももっと劣悪な環境だったのは明らか。
感染症や持病で死んだのは簡単に推察できます。
確かに感染症で死んだ可能性高そうですね。
まあ理由は何であれ死んでくれたのは良かったですが。
おそらく日頃から何らかのトラブルが絶えず、それがついに爆発してしまったのだと思います。
すぐに死んでくれたのは本当に良かったと思いますね。
それに、心の傷も相当でっかいそうです。
2年前に亡くなったクライブ・ウィリアム・ニコルさんが幼少期に臨終間際の愛犬が天国に行けるか牧師に聞いた際
「魂がないけだものが天国に行けるはずがない」
とか発言してそれに反論したウィリアム少年をぶん殴ったそうです。
なんてぼんくらな牧師なんでしょうか。
さてはて、極楽や地獄があるなら数多の極悪聖職者やウィリアムさんの愛犬、誰が極楽浄土に行けて、誰が地獄に落ちるかな?
一体どの口が言ってるんですかね。
むしろ尊敬しますね、その図々しさに。
牧師も所詮人間ですからね。
鬼畜な異常者も当然いますよ。
侵攻しましたね。
ロシアは「あくまで自衛の為だ」と言ってるようですが攻めておいて自衛て一体何言ってるんだって話ですよ。
ほとんどの人が何も思ってないと思いますが、近年はかなり危険な状態が続いています。
正直冷戦より危険ですよ。
ロシアと欧米、中国と米、ロシアと欧米が戦争になれば、ロシアと中国は手を組むと思うので第二次世界大戦なんて比にならない大規模なものになり、世界崩壊もあり得ますよ。
問題はそれがいつか。
いい農場もあるし港もあるし。
ロシアが欲しがるのは当然です。
本当にロシアは侵略のチャンスを待ちながら侵略できるときに一気にやる。
相当厄介でねちねちしてる国です。
北方領土とクリミアは有名ですが、イランも戦前から実はかっさらおうと狙ってたらしいですからね。(戦後すぐまで)
有名じゃない話では大戦末期にルーマニア、ハンガリーの一部もシレっとピンハネしてたみたいです。(衛星国)
フィンランドなんて半分以上ロシアに奪われていますからね。
中国もそうですが領土拡大に異常に貪欲な国ですよね。
ロシアも中国も世界でも屈指の広大な土地を持つにもかかわらず更に欲する。
人間の欲には限りがないという事ですね。
赤ちゃんを生かしておいたのは自分が犯人だと言えないからですかね。
サイコパスや変質者とは違う、一見普通の人を怒らせたら怖いという感じです。
そうかもしれませんね。
良心ではないのは確かですね。