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アンドレス・メンドーサ (メキシコ)
【 1948 ~      】



2021年5月14日、メキシコ・メヒコ州シウダー・ロペス・マテオスで、レイナ・ゴンザレス () が行方不明となる (ゴンザレスは4歳と8歳の娘がいる2児の母) 。

ゴンザレスの夫ブルーノ・ポルティージョは警察官であり、妻を見たのは同日午前5時くらいに仕事で家を出る時だった。

ゴンザレスは中古携帯電話ショップを経営しており、使用するスペアパーツを買いにアンドレス・メンドーサという男性と会う予定であった。

夜になっても妻が帰宅しない事に不安となったポルティージョは、妻がメンドーサと会う事を知っていた為、翌日の15日、家に向かった。

そして、ドアをノックするが、ドアを開ける事を拒否された。

心配になったポルティージョは同僚の警察官を連れメンドーサの家を再び訪ねる。

ドアの前でメンドーサと言い争いとなった後、ポルティージョが家の中に入った。

すると、妻の所持品をいくつか見つけ、テーブルの向こうには横たわる妻の遺体を見つけた。

これを受けメンドーサを逮捕した。

ゴンザレスがメンドーサとどのように知り合ったのか不明であったが、ポルティージョによると「 (メンドーサが) 老齢の為経済的援助をした」ようであったという。

メキシコ司法長官事務所から派遣された捜索チームは探知犬を投入し、メンドーサの自宅を捜査した。

すると、地下に埋まっていた頭蓋骨を含む様々な遺体の一部が発見された。

また、コンクリートで覆われた床下からも骨が発見された。

これまで発見されたのは少なくとも9人の女性の遺骨であった。

更に捜査官は被害者を実際に殺害する様子が収められたビデオテープ、29人の女性の名前が書かれたノート、女性用の衣類やアクセサリーが見つかった。


同年5月20日、メンドーサは法廷に出廷すると、これまでゴンザレスを含む7人の女性を殺害してその一部を食べた事を認めた。

メンドーサは、

「私がしたい事は真実を話す事だけだ」

と述べ、

「彼女 (ゴンザレス) はとても可愛かったので顔の皮を剥いでしまった。終わった事は終わった事です。彼女の夫はそれを見たのです」

と語った。

肉屋で働いていたメンドーサは、人間の体を解体するのも得意であった。

初めての犯行は2001年で、最初の犠牲者はノーマンという女性であったと説明した。

ノーマンとはバーで出会い、何度か拒絶されるが騙して家に連れ込むと刺し殺した。

2人目の犠牲者はベレニス・サンチェスという女性で、サンチェスともバーで出会った。

ノーマン同様彼女にならないかとサンチェスを口説くが拒否され、その事に怒ったメンドーサはサンチェスの胸をナイフで突き刺した。

殺害後、サンチェスの手足を切り落とした。

2016年、メンドーサはバーでフロール・ビスカイノ (38歳) という2児の母親と出会い、デートに誘いお金を渡した。

しかし、恋人になる事を拒絶された為、ビスカイノを殺害した。

2019年、メンドーサはルビセラ・カスティーリョ (32歳♀) と出会い夢中になった。

だが、相手にされなかった為、誘拐すると殺害した。

捜査当局は2016年10月16日に最後に目撃されたビスカイノと、2019年7月20日に行方不明となったカスティーリョの身分証明書を発見した。

また、メンドーサは「エル・バリゴン」というバーで知り合ったアリンとガーデニアという2人の女性の殺害も認めた (ただし殺人が行われた日については特定されていない) 。

ポルティージョが雇った弁護士は、
「この種の人間は他人の命を奪う事に快感を覚える。また、彼は後悔を微塵も示さないサイコパスである」
と述べた。

地元の住民はメンドーサについて「礼儀正しい」と言い、また、ある人は「彼は病気を持っており、いつも酔っ払っていた」と話した。

フランシスカという女性は
「とても尊敬出来る人だった。彼がこれまで誘拐したり殺したりしたのか不明だが、私たちは大いに驚いている」
と語った。

ただ、マリオという隣人によると、マリオの姉妹に対してメンドーサが嫌らしい視線で見ていたと訴えていた。

メンドーサが告白したのは7人だが、警察は少なくとも20人以上に及ぶとみて捜査を続けている。


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                            レイナ・ゴンザレス


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                          フロール・ビスカイノ


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                      ルビセラ・カスティーリョ



《殺人数》
7人 (20人以上の可能性あり)

《犯行期間》
2001年~2021年5月14日



∽ 総評 ∽

メンドーサの犯行は女性を一目見て恋人にしたいと思い、誘うが拒絶された事で行われた。

50を過ぎたおじさんが相手されるわけもなく、拒絶されるのは当然であり、犯行は身勝手極まりない。

メンドーサは50を過ぎてから犯行に及んだが、それまでの人生について詳細がわからない。

そんな年齢で初めて殺人に至るというのは非常に珍しく、普通はもっと若い頃から行われる。

もしかしたらもっと早くから殺人を行っていた可能性が高い。

メンドーサは肉屋で働いていた為、人間の体を解体するのは容易だったのだろう。

こういった殺人鬼は意外に多く、代表的な人物ではロバート・ピックトンが有名である。

今後、裁判が進み判決が下されるだろうが、メキシコなので死刑がないのでそれならどんな判決になっても所詮同じである。