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エドゥアルト・セレズニョフ (ロシア)
【 1969 ~      】



エドゥアルト・ヴァレリアヴィチ・セレズニョフは、ロシア (当時はソ連) ・アルハンゲリスクで生まれた。

幼い頃から全寮制の学校に入れられ、両親と交流がない状態で育った。

8年生 (中学2年) まで勉強していたが、足が遅く何事にも不慣れで、常習的にタバコを吸い窃盗を行った。


1984年、セレズニョフは煉瓦職人として専門学校を卒業するが、生活の為に雑用をこなし、荒れ果てたホステルに住んだ。


2000年、何度か逮捕された後、無職となったセレズニョフは無施錠の地下室とホームレスのシェルターを行き来して過ごした。


2002年、二重殺人の罪に問われ (詳細不明) 、刑務所に服役するが、13年間過ごした後、2015年9月に釈放された。

釈放されたセレズニョフは再び路上生活を送り、空腹に耐えきれなくなると野良犬や鳥を殺して食べて飢えをしのいだ。


2016年3月、セレズニョフはホームレスシェルターで知り合いルームシェアをしていたホームレス仲間を殺害する。

そして、セレズニョフはその男性の遺体をナイフで刺し、斧でバラバラにした。

歯がなく硬い物が食べられないセレズニョフは、遺体の一部をすり潰して液状にして食べた。

残りの部位はゴミ袋に詰めてイサゴルスク地区のヴォロクニツァ川に投げ捨てた。


2018年3月、セレズニョフは男性の住むアパートに侵入し、殺害して同様に食べた。

遺体はマイスカヤ・ゴルサ地区のブティギノ湖に投げ捨てた。

その後、セレズニョフは男性のアパートに残り、地元の食肉加工工場で働き始めた。

セレズニョフは同居人の消息について問われると、

「森に関係する仕事を頼まれてサンクトペテルブルクに移った」

と答えた。

しかし、家族が男性がリュックサックを借りに訪ね、その時に家賃の3万5000ルーブル (約5万円) を置いて行ったと主張し、セレズニョフの話に疑問を抱いた。

そこで家族は自分達がアパートに住んでいた時に散らかした物を片付けるのを口実にアパートに向かった。

冷蔵庫を点検していると、パックされていない奇妙な肉片を発見する。

セレズニョフは生魚だと説明するが、更に調べると行方不明となった家主の父親がセレズニョフのパスポートが入ったジャケットと見覚えのない男の名前が書かれた銀行カードを見つけた。

セレズニョフは身分証明書を持っていないと言ったので、心配になった父親が警察に知らせた。

警察はセレズニョフを逮捕し、警察署へ連行した。

そして、数回の尋問の末、過去2年以内に出会った3人の飲み仲間を殺害し遺体をバラバラにして食べたとあっさり告白した。

動機を問われたセレズニョフは、動物を沢山食べていった後、人肉を欲するようになり更に人間を殺して食べるよう命令する声が聞こえたと主張した。

セレズニョフは精神鑑定を受けるが、正気であり自身の行動をしっかりと認識していたと判断された。


2020年1月13日、セレズニョフの裁判が始まると、セレズニョフはこれまでの自白を撤回し、陪審員裁判を要求した。

しかし、セレズニョフの思惑とは裏腹に有罪となると、特別コロニーでの終身刑と被害者家族への100万ルーブル (約150万円) の賠償を言い渡された。



《殺人数》
5人

《犯行期間》
2002年~2018年3月



∽ 総評 ∽

『The Arkhangelsk Cannibal (アルハンゲリスクの人食い人種) 』と呼ばれ、殺害後に遺体を食べたセレズニョフ。

ロシアはアンドレイ・チカチーロをはじめこれまで紹介してきた多くのシリアルキラーが食人を行っている。

食人はロシア型シリアルキラーの典型的な行動といえるが、セレズニョフははじめに動物を食べて次第に人間へとシフトしていった。

かつてシリアルキラーの幼少期の行動として動物虐待が挙げられていたが、動物虐待が次第に人間へとシフトしていくのは人間の本質としては普通の事である。

セレズニョフは最近のシリアルキラーであるが、コロナ禍においてこのような鬼畜が暗躍していたと考えると恐ろしい限りである。