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ヨーナ・ハッセルクヴィスト (フィンランド)
【 1992 ~      】



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ジョエル・エサイアス (フィンランド)
【 1990 ~      】




2011年10月6日、スペイン・フエンヒローラで、女性の遺体が発見される。

遺体は寝袋に包まれた状態であり、すでにミイラ化していた。

女性はフィンランド人のジェナ・レポマキ (18歳) で、最後に確認されたのは6月であった。

行方不明になった後、警察はレポマキの捜索を行っており、4ヶ月後にようやく見つかったのだった。

フィンランド警察はスペイン警察と共同で捜査を行った。


遺体が発見されてから3日後の9日、レポマキ殺害容疑で逮捕されたのは、19歳のヨーナ・ミカエル・ハッセルクヴィストと20歳のジョエル・アーネ・エサイアス・リロの2人であった。


2012年6月5日、2人はタンペレ出身であった為、ピルカンマー地方裁判所で手続きが始まり、殺人及び薬物の違法所持で起訴された。

検察によると、ハッセルクヴィストとリロはレポマキを売春婦にし、麻薬の運び屋として使おうと考えるが、レポマキはそれを拒否した。

その為、2人はレポマキ殺害を決める。

2人はレポマキを脅迫し始め、レポマキは何とか警察に逃げ込み助けを求めた。

しかし、ハッセルクヴィストは家族が借りた別荘にレポマキを誘い込む事に成功し、そこでレポマキを刺して首を絞めて殺害した。

殺害後、遺体を近くの果樹園に捨てたのだった。


2012年8月24日、ハッセルクヴィストとリロには終身刑が言い渡された。

また、ハッセルクヴィストは詐欺や薬物の不法所持、リロは詐欺、マネーロンダリング、薬物の不法所持の罪でも有罪となった。

ハッセルクヴィストの継父も薬物の不法所持で懲役2年が、母親も有罪となり刑務所に収監された。

ハッセルクヴィストとリロは判決を不服として控訴した。


2013年10月、裁判所は犯罪は殺人ではなく過失致死及び幇助致死であると判断した。

裁判所は殺人は事前に計画されたものではなく、その理由として犯行の痕跡を消すのが困難な状況であり、レポマキを殺す為に誘ったという証拠がない為であった。

結局、ハッセルクヴィストは過失致死で懲役12年、リロは幇助致死で懲役6年にそれぞれ引き下げられた。

しかも、フィンランドの法律で21歳未満には刑期を3分の1を終えれば誰でも仮釈放が認められるようになっていた。

その為、新たな判決後、理論だとはすぐに仮釈放された。

仮釈放されたリロはレポマキのオンラインに猥褻なコメントを投稿して名誉を傷つけたとして世間から非難を受けた。

レポマキの父親はこれをフィンランド警察に通報した為、リロは逮捕された。

内務大臣のパイヴィ・ラサネンは、重犯罪の場合は初犯の概念を完全に排除すべきだと発言した (しかし法務大臣が否定的であり法律の変更は行われなかった) 。


2016年9月、ハッセルクヴィストは仮釈放された。

しかし、数ヶ月以内に詐欺や麻薬犯罪によりタンペレで4回有罪判決を受けた。


2018年秋、ハッセルクヴィストは100ユーロ (約1万3000円) 相当のショルダーバッグを盗んだ。

ハッセルクヴィストは激しく抵抗した為、拘束するのに手間取った。

ハッセルクヴィストには660ユーロ (約8万円) の罰金を科せられた。


2019年1月、ハッセルクヴィストは詐欺で150ユーロ (約1万8000円) の罰金を科された。


同年3月、ハッセルクヴィストは5台のゲーム機と2台の電話をオンラインで販売した7件の詐欺で起訴された。


ハッセルクヴィストは存在しない任天堂のゲーム機を約250~280ユーロ (約3万2000円~3万5000円) で販売していた。

検察官は犯罪はそれほど重大ではないとし、懲役35日の刑を要求した。

しかし、地方裁判所はより厳しい懲役50日を宣告した。

ハッセルクヴィストは過失致死による12年の刑の内、3224日が残っていた為、検察官は残りの判決を執行するよう要求したが、裁判所は残りの判決の執行を命じなかった。



《殺人数》
1人

《犯行期間》
2011年6月



∽ 総評 ∽

知っていたといえど、フィンランドの司法はあまりに酷い。

初めに終身刑を下しておいて、何故か殺人が過失致死と幇助致死に変更となった。

しかも、21歳未満の犯罪者全員に刑期の3分の1を経過した後に仮釈放の資格があるという体たらく。

また、何が酷いかというと、3分の1を過ごした直後に確実に仮釈放されている所だ。

あくまでも仮釈放の可能性ではないのだろうか。

2人共、仮釈放後の素行は酷く、全く反省していない所か悪化の一途を辿っている。

それなのに残りの刑期の執行を見送る始末。

普通なら真っ先に刑務所に戻し、残りの刑期と更に罪を重くするが当然である。

フィンランド司法は一体何なのだろうか。

どれだけ被害者や遺族、国民をバカにすれば気が済むのか。

犯罪者にとってフィンランドは犯罪天国である。