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カイサ・ヴァルナネン=カラドゥマン (フィンランド)
【 1979 ~      】



2014年6月3日、フィンランド・北ポフヤンマー県オウルで、オウル警察に中心部にある集合住宅の地下で異臭がすると通報が入る。

捜査官が異臭を放ついくつかのパッケージを調べると、そこには5人の乳児の遺体が入っていた。

そして、その日の内に乳児の母親であるカイサ・エミリア・ヴァルナネン=カラドゥマンを過失致死と死体隠蔽の容疑で逮捕した。

取り調べの結果、カイサは自宅で出産し、死後に遺体を保存したと主張した。

また、故意に殺害した事も否定したが、動機については説明しなかった。

その後の調査で、子供たちは2005年、2007年、2011年から12年にかけて、2012年、2013年にそれぞれ生まれていた事が判明した。

遺体はひどく劣化しており、その為死因を特定する事が出来なかった。

検察官はカイサがバスルームやトイレで出産し、赤ん坊をビニール袋に包んでバケツに入れ、閉じ込めてから地下室に持って行った。

カイサは子供たちが生まれた後、何の世話もせず放置していた。

審理では親族、同僚、知人など総勢28人が証人として呼び出され、聴取された。

その中でカイサはゆったりとした服を普段から着ており、妊娠しているかわからなかったと話し、親戚の1人は妊娠した事を告げられるが流産したと言っていたと述べた。

また、カイサの元上司は1度、妊娠しているのではと疑った事があったが、その事を問いただすとカイサは前の晩に食べた脂っ濃いピザせいだと説明した。

ただ、父親はカイサについて「病的な嘘つき」だと述べた。

弁護士はカイサが逮捕される少し前に、妊娠していたがそれはカイサ自身の希望により中絶していたと供述した。

カイサに5件の殺人と5件の死体隠匿の罪で起訴された。

しかし、カイサは全ての容疑を否定し、無実を主張した。

カイサは産んだ赤ん坊が動く事も泣く事もなく、生気を感じなかったと話し、生まれた時にはすでに死んでいたと思ったと述べた。

その為、赤ん坊が生きていたと知ったのは後になってからだと主張した。

オウル地方裁判所はカイサが赤ん坊の死について故意に行動したと判定し、精神鑑定を受けるよう命じた。


2015年6月1日、カイサは混合性人格障害を患っていると診断されるが、刑事責任があると結論付けられた。


同年6月15日、カイサは5件の殺人と5件の死体隠匿の罪で有罪となり、終身刑が言い渡された。


2016年6月、ロヴェニエミ控訴裁判所はカイサの判決を5件の過失致死罪のみで有罪とし (殺人が過失致死に変更となり、死体隠匿罪は不起訴となった) 、懲役13年に変更された。

事件の主任検事を務めたサリ・ケンパイネンは、事件を振り返りフィンランドの犯罪史上、類似した事件はないと述べている。



《殺人数》
5人

《犯行期間》
2005年~2013年



∽ 総評 ∽

『The Oulu child murders (オウルの児童殺人) 』と呼ばれ、5人の乳児を殺害して隠したカイサ。

事件の主任検事曰くフィンランド史上他に類をみない事件とされるが、これまで類似した事件をいくつか紹介してきた。

これまで紹介してきた鬼畜の場合は、避妊せずに行為に及び子供が欲しくないから殺害していたがカイサは動機を語らない為不明であった。

また、多くの場合が結婚していて夫との子供というパターンだが、カイサの場合は詳細がないのでわからないがおそらく夫との子供ではない。

もしそうだとしたら相手は同一人物なのかバラバラなのかもわからない。

こういう事件でよくわからないのが、避妊して行為に及べばいいのではないのだろうか。

避妊自体が面倒なのか気持ち良くないから避妊しないのかわからないが、妊娠した後の方が大変ではないだろうか。

個人的に思うのは、これまで掲載してきた感じだと欧米諸国にこの手の事件が多いような気がする。