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ジェイソン・スコット (アメリカ)
【 1983 ~      】



2009年1月26日、アメリカ・メリーランド州プリンス・ジョージで、何者かがホームアラームシステムを無効にして家に侵入した。

看護師カレン・ロフトン (45歳♀) は侵入者に気付き、部屋の隅に隠れようとするが侵入者によって射殺された。

カレンの娘カリッサ (16歳) は、ベッドから911に連絡しようとするがそれに気付いた侵入者によって何度も撃たれて射殺された。

警察が現場に駆けつけると、ドアは全て施錠されており、強引に家に入った形跡がなかった為、捜査官は当惑した。

隣人は
「警察が犯人を捕まえるまで私は恐くて眠る事も出来ない」
と怯えた。


2009年3月16日、看護師デロレス・デウィット (42歳♀) と娘のエボニー (20歳) の遺体が発見される。

親子は燃えている車の中から見つかったが、ロフトン親子が殺害された家から1マイル (約1.6km) も離れておらず、その日の内に車が盗まれていた。

デロレスの友人は
「彼女は美しい人であり、美しい心の持ち主であった。エボニーも同じでした」
と語っている。

また、葬式に出席した別の友人も
「私は心を痛んでいる。友人を失い傷ついている」
と話した。

捜査にはFBIが参加し、プロファイラーは2つの事件は同一犯によるものではないと考えた。

しかし、地元の警察は同じ地域で母娘が殺害され、しかも、母親はどちらも40代の看護師であった為、同一犯によるものだと思われた。

だが、ロフトン親子は計画的に家に侵入して殺害されたが、デウィット親子はカージャックの末、殺害されており、死因も射殺かどうかわからなかった。

警察官は
「これが連続殺人犯によるものだという確かな証拠はないが、偶然の一致にしては出来過ぎており同一犯による可能性は非常に高い」
とデウィット親子の遺体が発見された後に述べた。

プリンス・ジョージ郡の住民はまだ見ぬ犯人に震え、戦々恐々と過ごした。

デウィットの隣人は
「私は娘がおり運転もします。私は彼らを恐れています。車に乗る時はドアをロックするよう娘に言い、夜間に1人で出歩かないようにしています」
と話した。


同年5月23日、ジェイソン・トーマス・スコット (1983年2月21日生) は、テレンス・アレクサンダー・クックとアッパーマルボロの家に地下室の窓を割って侵入する。

家には母親と少年がおり、スコットとクックは2人を浴室に閉じ込めると、拳銃や車 (レクサス) 等を盗んだ。


同年5月26日、スコットはメリーランド州ウッドバインで連邦政府認可の銃器事業に参入する。


同年6月13日、スコットはメリーランド州フォートワシントンにある一軒家に侵入すると、女性とその妹 (17歳) と弟 (5歳) を銃で脅し寝室に閉じ込めた。

そして、17歳の少女に服を脱ぐよう命じ、枕カバーを頭に被せると、少女の体に触れた。

その後、少女に卑猥なポーズを強要し、写真やビデオを撮った。


同年7月1日、捜査官がスコットの住居や車を捜索し、盗まれた銃器を見つけ逮捕した。

その後、盗まれた16個の銃器、弾薬にホルダー、また、ビデオカメラやデジタルカメラが見つかった。

カメラを確認すると、少女の写真や動画が見つかった。

警察はスコットを追及すると、これまでの犯行を認めた。

そして、調査の結果、数千の弾薬、16個の銃器を含む48個の銃器を盗んでいた事がわかった。

また、2008年6月にメリーランド州ボウイにヴィルマ・バトラー (46歳♀) という女性が殺害され家を燃やされた未解決事件があったのだが、スコットによる犯行だという事がわかった。

警察はスコットが犯行現場を漂白剤で掃除し、証拠を消す為に火を付けて燃やしたと考えた。

スコットは10歳の時に覗きを始め、その後、車を破壊し不法侵入を繰り返すようになった。

2001年に武装強盗で逮捕され、以降、長い犯罪歴がある事がわかった。

ただ、スコットはメリーランド大学でコンピューターサイエンスの学位を取得し、UPSで働いていた。

スコットは会社のデータベースを使用して標的を物色していた。

メリーランド大学の校長は、
「卒業生がこのような犯罪を犯す事に私たちは動揺し、深い悲しみに暮れている」
と述べた。


2012年1月11日、50件以上の強盗と9件の武装家宅侵入強盗等で有罪となり、禁錮97年が言い渡された。


2013年9月25日、更に禁錮85年が追加された。

スコットによる犠牲者は5人だが、警察はもっと多いと考え捜査を続けている。



《殺人数》
5人 (他被害者多数)

《犯行期間》
2008年6月~2009年3月16日



∽ 総評 ∽

『Mother-Daughter Killer (母娘殺人者) 』と呼ばれ少なくとも5人を殺害したスコット。

スコットは10歳の頃から覗きを行い、幼い頃から破綻した精神状態であったが、どのような家庭環境だったのかは詳細がなくわからない。

スコットは母娘の家を2軒襲ったが、たまたまなのか狙ったのか詳細がなくこれもわからない。

ただ、仕事で標的を物色していたようなので、間違いなく狙っていたと思われ、おそらく狙い易い非力な母子に目を付けたのだろう。

スコットは母娘の家を2軒襲ったが、FBIは当初、同一犯の犯行とは考えなかった。

それは母娘という共通点はあるものの、2軒のみで片方は計画的でもう片方はカージャックという違い、また、殺害方法も射殺と不明であったからだった。

プロファイラーとして著名なロバート・K・レスラーはシリアルキラーを「秩序型」「無秩序型」に分けた。

私のブログを読んで頂いている方なら私なんかよりもそういう事に詳しい方は沢山いると思う。

後にレスラーはジェフリー・ダーマーの存在により「混合型」の存在もいるとしたが、このレスラーの分類は科学的根拠も証拠もなく、現在では懐疑的ではある。

確かにレスラーの分類は数多いるシリアルキラーを単純に分けるには無理があるが、あくまでもプロファイルの一貫としてわかり易く分類しているだけで、捜査などには少なからず役に立ってはいるだろう。

スコットは計画的な面もあるが突発的な部分もあり、レスラーの分類に分けるとしたらどちらかというと混合型と呼べるだろう。