
ロムルス・ヴェレシュ (ルーマニア)
【 1929 ~ 1993 】
ロムルス・ヴェレシュは、1929年1月23日、ルーマニア・クルジュ=ナポカで生まれた。
1972年9月11日、ソメシュで民兵に
「女性が死んでいる。早く来てくれ」
と連絡が入る。
すぐに駆けつけると、頭部を数回殴られたヴァイダ・コルネリア (28歳♀) の遺体が発見される。
コルネリアの遺体は上半身が川の中に沈んでいた。
警察は遺体が発見された地域周辺の家やテナントなど捜査を始めた。
同年10月7日午前6時、コバチ・イボヤ (15歳♀) が自宅にいると突然襲われる。
イボヤは鈍器で頭を数回殴られ、服を脱がされた。
イボヤが叫んだ為、犯人は下着と時計を盗んで逃走した。
母親が戻り血まみれのイボヤを見つけ、すぐに病院に搬送した。
イボヤは奇跡的に一命を取り留め、イボヤの証言から犯人は髪の色が金色である事がわかった。
クルジュ=ナポカの市民は見知れぬ犯人に怯え、街はパニックとなっていた。
犯人が夜な夜な女性をハンマーで攻撃し、強姦して殺害するという噂が流れた。
その為、犯人は『The Man with the Hammer (ハンマーを持つ男) 』と呼ばれるようになる。
イボヤが襲われてから10日も経たない内に、マリア・マルジナーノ (♀) が見知らぬ人間に背後から金属製の棒で襲われる。
しかし、マルジナーノは何とか生き延びる事が出来た。
同年10月16日、捜査官は犯人の特徴から何百人という容疑者を洗い出し、尋問を行った。
しかし、犯人逮捕には至らなかった。
同年12月5日午前7時45分、フローレア・バレンチナ (9歳♀) が自宅で学校に行く準備をしていた。
両親はすでに仕事に向かって家におらず、それを知った軍服に身を包んだ男が家に侵入してきた。
男はバレンチナの頭を殴り強姦し、戸棚に火を放った。
通行人が犯人が家から通りを走って逃げるのを目撃し、隣人が家に入りバレンチナを救出した。
目撃者は犯人が「ウェーブのかかったブロンドの髪」であったと話した。
同年12月12日午後8時、パン屋の店員アナ・ビーロウ (48歳♀) が襲われ、頭をハンマーで殴られた。
ビーロウは大声で叫び、それに驚いた犯人は逃げ出した。
ビーロウ襲撃からわずか4時間後、今度は別の女性オルテアン・イオアナ (♀) を襲った。
イオアナは仕事帰りであり、エレベーターで背後から頭を殴られた。
同年12月16日、カール・マルクス通りに住むチウレ・アウレリア (16歳♀) が、家で1人でいた所を襲われる。
犯人は隣人の家から木製の取っ手が付いた包丁を盗み、アウレリアの家に侵入すると強姦し、ナイフで17回刺して殺害した。
その後、家に火を放って逃走した。
捜査官は燃え尽きた家から犯人の2本の毛髪を発見した。
民兵によるパトロールは増え、また、民間の協力者によるパトロールも行われた。
また、元受刑者、浮浪者等が徹底的に調べられたが、犯人逮捕には至らなかった。
1973年2月13日、映画館で金髪の男性を民兵が見つけ拘束した。
その男性がヴェレシュであった。
ヴェレシュは木製の柄のナイフと人間の髪の毛が入った容器を持っていた。
また、ヴェレシュのジャケットの下に着ていたシャツには血と思われる痕跡が見つかった。
シャツは鑑定に回されるが、何故か鑑定結果のファイルが失われ、その為、ヴェレシュは釈放される事になってしまう。
1974年2月14日、ヴェレシュはシラジー・イローナ (84歳♀) の家に侵入すると、頭部を瓶で殴り顔を枕で押しあて窒息死させた。
その後、家に火を放ち逃走した。
しかし、ユーゴスラビアとの国境付近のホテルに滞在していた所を逮捕された。
ヴェレシュは機関車の元整備士で、数年前に病気で辞めていた事がわかった。
その為、それが犯行の引き金になったのではと推測された。
ヴェレシュは5件の殺人 (判明しているのは3件) と数件の殺人未遂で起訴される。
だが、ヴェレシュは長年統合失調症に苦しんでおり、精神状態が異常と診断される。
その為、ヴェレシュの起訴は取り下げられ無罪となった (多くの国民がヴェレシュの死刑を望んでいた) 。
ただ、無罪となった代わりに1976年2月2日からシュテイ精神病院に収容される事となり、3年間治療を受けた。
1993年12月13日、ヴェレシュは肝臓病により死亡した。
享年64年。
ヴェレシュはクルジュ=ナポカ最悪の殺人鬼とされ、当時のルーマニア全土を震撼させた。
ヴェレシュによる犠牲者はもっと多いとされ、5人や8人、一説には200人の女性が犠牲になったという伝説も生まれている。
《殺人数》
5人? (もっと多い可能性あり)
《犯行期間》
1972年9月11日~1974年2月14日
∽ 総評 ∽
『The Man with the Hammer』と呼ばれ、最低でも5人 (起訴された数) を殺害したヴェレシュ。
ヴェレシュは少女から女性まで襲い、しかも、通行人や店の店員、家にいた少女など、襲い方も様々であった。
ただ、ヴェレシュは主に1人で家にいる少女を襲っており、家の周辺を徘徊して中の様子を伺っている可能性が高く、用意周到で狡猾な鬼畜といえる。
ヴェレシュは精神異常で無罪となったが、国民は死刑を望んでいた。
ルーマニアの死刑が廃止されたのは1989年の為、ヴェレシュが国民が望む死刑になる可能性は十分ありえた。
だが、精神異常という事で無念にも釈放されてしまった。
また、鑑定結果のファイルを紛失してしまった為、釈放される事となり老婆が殺されてしまった。
どのような経緯で紛失されたのかわからないが、こんなの職務怠慢の何物でもなく、紛失した人物を厳しく罰する必要がある。
ヴェレシュは1993年に死亡しているが、詳細がなかった為、精神病院を退院した後にどのような生活を送っていたのかわからない。
また、犯行を始めた時、すでに40を越えており、それまで何をやっていたのかも詳細がなくわからない。
コメント
コメント一覧 (18)
みんなある程度は精神に病気みたいなものは持ってるんですよ。
それが生活に影響するかしないかの問題だけです。
こいつの場合は殺人数などは分からなくても老婆を殺してるのは事実なんだから処刑すべきですよ!
司法や警察も詰めが甘すぎ。
米警察を見習うべきです!
シリアルキラーや殺人鬼が多いことを分かっていてしっかり捜査、データベース化し鬼畜の情報をちゃんとネットで公開する。
完ぺきに予防はできないかもしれませんが、ある程度予知や予防は出来ていると思います。
ルーマニアで最後に処刑された死刑囚、ニコラエとエレナのチャウシェスク夫妻を掲載してほしいです。
関係ないですね。
精神異常かどうかは被害者には関係ないですからね。
甘過ぎですよ。
その結果犠牲者を生んでるんですから。
有名な独裁夫妻ですね。
今度独裁者で調べてみます。
罪状に便宜を量る必要性は全く無く、統合失調症が犯罪に拘わっているのでは無くて本人の問題でしょう。
司法判断が激甘なので犠牲者遺族や被害者の願いは全く報われない判決にしか至っていないのが腹立だしいです!
凶悪クソムシには人権に伴う全ての権利を剥奪し、弁護なし傍聴人なし陪審員なし裁判官すらなしで「死刑」と告知され、その場で即時執行が一番望ましいですね。
裁判官や陪審員の感情で左右されるなんて、それこそ差別でしょう。
凶悪クソムシは死刑、即時執行で困る事は無いと私は思います。
おそらく司法は被害者や遺族に対して何もしない事でプラスはなくともマイナスもないと思ってるのだと思います。
ただ、甘い刑罰の時点でそのダメージは図り知れません。
凶悪犯に厳罰と言うと薄情や冷淡と言われ、擁護すると寛大だと言われる。
これ何とかならないですかね。
カルトでしょうか。
カルトでしょうね。
気になりますね、調べてみます。
ホームレスは身元すら明らかでは無く、犯罪者の可能性も考えられるだけでなく非常に不衛生であるからです。
それと税金をキチンと納めている方々が臭い等々で、只でさえ憂鬱な避難所なのに不愉快さが加算されてしまいます。
「人道にも劣る!」と喚き散らしているタレントが居ますが、自分の隣に座られて笑顔で話せるワケ無い!
凶悪クソムシの裁判と同様、自分に関係無いからエセ人道主義を振りかざす馬鹿は度し難いです。
そうですね。
ホームレスの方々は三大義務の納税を放棄しており、その時点で権利を主張する資格はありません。
仰る通り「じゃお前の隣でいいんだな?」て言ったら絶対拒絶しますよ。
結局その事で騒いでいる人達は他人事だから言えるですよ。
台風の被害はまずまずとほざいたり、白血病患者にガッカリとほざいたり。
あまりに糞すぎて怒る気もなくなってきましたよ。
被災地の田んぼや畑でも見て来いと怒鳴りつけたくなりました!
奇天烈少女のエキセントリックな環境保護発言を支持する声もありますが、奇天烈少女にノーベル賞をやらなかったのはご英断だと思いますね。
吉野氏のノーベル化学賞は本当にうれしいです!
リチウム電池を発明できたことで重金属をかなり程度排除できたことは環境保護に貢献できたんです。
また、ノーベル平和賞に輝いたエチオピアの首相ですが、花こそないけど日本や環境保護に多大な貢献ができたと思うのです。
環境保護以前に教育ができないと何がよくて何が悪いかわからないだろ?
また、目黒の虐待殺人事件で親父の方は懲役13年でしたが、検察官や裁判官は少女の傷や気持ちなんて分かってないでしょ?
自分じゃないから甘い判決が軽々しく言い渡せるんです!
まずまずというのは酷過ぎますね。
やはり他人事という事ですね。
自分の家が被害に遭っても同じ事言えないでしょう。
化学賞とかは本当に良いと思います。
気持ちなんてわかる気毛頭ないでしょうね。
仰る通り自分じゃないからでしょうね。
それにしても腑に落ちません。これほどの凶悪犯罪だと病気を免罪符にするのはおかしいと思う
流石にないとは思いますが事実なら恐ろしいですね。
どんな凶悪な犯罪も精神病なら無罪ですからね。
私には理解出来ません。
ホントはシリアルキラーがいる事実を抹消したかったのかな?
どうせ仮病も始末に負えなかったからとかいうクソな理屈でしょう。
本当だったら裁判もせず死刑判決!すぐ処刑すべきクソムシです!
酷いですよね。
確かにその可能性ありますね。
その存在を認めようとしない為に。
こんな鬼畜を死刑に出来ない国に私なら絶望しますね。
凶悪な犯罪が起こると裁判では必ず加害者の精神状態が問題となりますが、何故それを判明させる必要があるのかわかりません。
いつも言っていますが加害者の状態って何一つ被害者には関係ないですよ。
そうした方がいいかもしれませんね。