
イオン・リマール (ルーマニア)
【 1946 ~ 1971 】

フロレア・リマール (ルーマニア)
【 1918 ~ 1972 】
イオン・リマールは、1946年10月12日、ルーマニア・オルト県コラビアで生まれた。
両親はカラカルで結婚し、イオンは3人兄弟の長男であった。
父親フロレアは毎日母親に暴力を振るい、最終的に両親は離婚した。
フロレアは首都ブカレストへ移住し、路面電車の運転手として仕事を始めた。
イオンは問題児であり、中学3年を留年した。
また、教師の未成年の娘と関係を持ち、問題となった (ただし娘も合意であり互いに惹かれ合っていた) 。
18歳の時、窃盗で逮捕され有罪判決が下された。
しかし、イオンは高校では常に優秀であり完璧な成績を修めた。
1966年、イオンは獣医学部に進学したが、成績は10段階で5.33であった。
その為、2年の時に留年した。
大学教授によると、イオンは恥ずかしがり屋で、語彙が少なく興味を持つ事がなかったという。
ルームメートによると、イオンは普段から奇行が目立った為、避けたという。
また、イオンは怒りが頂点に達すると自傷行為に及び、その為、腕や足には20ヶ所以上の切り傷があった。
1967年、イオンは診察した医師に食道痙攣、神経症性障害、精神障害と診断された。
1970年4月8日、イオンはエレナ・オプレア (♀) の殺害計画を実行に移すが、隣人によって追い払われた為、未遂に終わる。
同年6月1日、イオンはフロリカ・マルク (♀) の自宅をノックする。
そして、家から出て来たマルクをスファンタビネリ墓地へ連れ出し、強姦する。
その後、マルクを刺して逃走した。
マルクはたまたま通り掛かったトラック運転手によって助けられた。
同年7月19日、イオンは窃盗目的で店舗に侵入する。
同年7月24日、イオンはマルガリータ・ハンガヌ (♀) に強盗を行う。
同年11月22日、イオンはオルガ・バライタル (♀) を強姦し、殺害する。
1971年2月15日、イオンはゲオルギー・アスフェチュー (♀) を襲う。
アスフェチューの所持品を盗み、殺害しようとするが何とか逃げ延びる事が出来た。
2日後の17日、イオンはエリザベート・フローレア (♀) をアスフェチュー同様襲い盗んで殺そうとした。
同年3月4日、イオンはファニカ・イリー (♀) を計画的に襲い、強姦して殺害する。
同年4月8日、イオンはゲオルギータ・ポーパ (♀) を強姦し、殺害する。
ポーパは頭や胸、足に48ヶ所の刺し傷があり、また、頭部には5回殴られた痕があった。
また、骨が砕け性器は噛みちぎられていた。
同年5月4日、イオンはミハエラ・ウルス (♀) を強姦し、殺害する。
翌日の5日、イオンはマリア・ヨルダケ (♀) を襲い、金属棒で殴り掛かった。
しかし、イオンが金属棒を落とした隙にヨルダケは走って逃げる事が出来た。
そして、イオンは同年5月6日と7日に更に2人の女性を襲い未遂に終わっている。
警察はブカレストで1970年から始まった犯罪の捜査を行っていたが、使用する凶器はハンマーだったり鉄の棒であったり、ナイフだったり斧だったりとまちまちであった為、当初は同一犯だと思っていなかった。
また、犯行を行った日が、吹雪や暴風雨、強風や凍えるような寒い日、霧などの異常気象の日の真夜中で行われた為、証人もいなかった。
事件が起こっている間、女性は男性と一緒にいる場合を除き、午後9時以降、外出をしなくなっていた。
警察は公表する事で更に恐怖でパニックになると考え、控えていた。
警察はポーパ殺害後、本格的に捜査を始め、それは通りの名前にちなんで「ハゲタカ作戦」と名付けられた。
毎日、6000人の男性を動員し、100台の車、40台のオートバイでブカレスト市内をパトロールした。
パトロールは警察だけではなく、医療従事者やホテルやバーの従業員等が参加した。
同年5月27日、生存者の証言と遺体の指の間に挟まっていた毛髪がイオンのものと断定され逮捕された。
イオンは犠牲者に襲い掛かると服を切り裂き噛みついた。
そして、引き摺ると様々な武器で攻撃し、強姦した。
イオンはサディストで、その犯行は衝動的で激しく残酷であり、マルクは刺してその血を啜った。
また、女性の胸や腟を噛み、その肉の一部を食べ、その肉片が現場に残されていた。
更にイオンは何人かを屍姦していた。
逮捕されたイオンは何も語らず沈黙を保ち、常に無表情で天井を見ていた。
2ヶ月の尋問の末、イオンは23件の重大の犯罪を認めた。
イオンの犯罪について父親のフロレアも告白した。
警察はイオンに犯行現場に案内するよう求めたが、イオンは拒絶する。
しかし、イオンは無理やり連れていかれ、犠牲者の目と合った時に震えた。
警察はイオンがこのように異常になったのは父親フロレアの暴力だと考え、調査を行うとフロレアは3回逮捕されていた事がわかった。
しかし、フロレアは家族や近親者に法廷で証言しないよう脅していた為、釈放されていた。
また、イオンは幼い頃、フロレアに犯罪現場に連れて行かれ、犯罪行為を見せつけた。
イオンの裁判は大衆の注目を集めた。
イオンは自身の異常性を認識し、幻覚やせん妄等の精神状態により無罪、もしくは減刑されると考えていた。
だが、イオンは責任能力ありと判断され、その事にショックを受ける。
それは弁護士の質問にすら答える事を拒否する程であった。
最終的にイオンは死刑となり、最高裁判所もその判決を支持した。
イオンに死刑が言い渡された際、法廷は拍手で包まれた。
同年10月23日、イオンの死刑が執行される為、刑務所へ車で運ばれるが、車から降りようとせず、警察官が無理やり引き摺って刑務所へ連れて行った。
イオンは常に激怒し喚き散らし、何とか逃げ出そうと試みた。
警察官は刑務所の庭でイオンを縛り付け、最後に何か言う事はないか尋ねた。
最初は「ノー」と言ったイオンだったが、警察官はわざと執行をじらし、イオンの周りをぐるぐる回った。
すると、次第に動揺を見せ始め、
「父に電話しろ!私に何が起きているかわかるように!彼をここによべ!彼は唯一の犯罪者だ」
と叫んだ。
そして、縛られている状態で頭や足をバタバタと動かした為、正確な照準をなかなか合わせる事が出来なかった。
結局、そのまま3人の警察官によって蜂の巣のように撃たれ銃殺された。
享年25歳。
数年後、心理学者がイオンの取り調べの様子をテープで確認した。
そして、イオンは若い頃から抱いていた劣等感、貧しい家庭、女性との機能不全、社会不適合であると考えた。
父フロレア・リマール (1918年9月19日生) は、1944年夏に女性4人を殺害した連続殺人犯である事がわかった。
フロレアは夜に女性を自宅に送る振りをして自宅の地下室に拉致し、金属棒で殴って殺害し、戦時中のブカレストを震撼させた。
犯行現場に足跡や指紋が残されており、後に足跡や指紋がフロレアと一致した。
フロレアは息子のイオンが処刑されてから約1年後の1972年9月23日、電車から転落して死亡した。
享年54歳。
フロレアの公式には事故死だが、一部の専門家はエージェントによって暗殺されたのではと囁かれた。
フロレアの最初の犠牲者はエレナ・ウドレアといったが、イオンの最初の被害者がエレナ・オプレアといい、心理学者は親子の最初の犯行が名前など類似点が多い事から、暴力犯罪の素因となる遺伝子が父から息子へ伝わったと結論付けた。
最後に銃殺が執行される直前に叫んだイオンの言葉で終わりたいと思います。
「生きたい!」
《殺人数》
イオン :4人 (他被害者多数)
フロレア:4人
《犯行期間》
イオン :1970年11月12日~1971年5月4日
フロレア:1944年夏
∽ 総評 ∽
『The Vampaire of Bucharest (ブカレストの吸血鬼) 』、『The Wolf Man (狼男) 』、『The Blondes Killer (金髪の殺人者) 』等と呼ばれ、4人を殺害したイオン。
また、父親も同じ連続殺人犯であり、息子同様4人殺害していた。
心理学者はイオンの犯罪気質を遺伝だとしたが、確かに近年では犯罪気質が遺伝するという研究が発表されたらしいが、ここまで類似しているとそう思うのは当然だといえる。
ただ、父親は別として息子のイオンは父親の暴力を受けていたとされ、それが原因で精神が歪んだ可能性も否定できない。
イオンはこれだけの犯罪を犯しておきながら、狂気を理由に無罪や減刑は当然だと思っていたが、責任能力ありとなりショックを受けた。
しかも、刑場に入ろうとせず、何とか逃走しようとし、照準を合わさせない為にジタバタする見苦しさである。
こういった見苦しい凶悪犯は見ていて腹立たしさしか感じず、最後くらい堂々と死ねないものかと思う。
コメント
コメント一覧 (27)
息子はすごく情けないですね。
自分は快楽を存分に楽しんでおいて死にそうになったら悪あがき。
処刑されたのはスカッとしました。
親父もすごいクズですね。
息子や嫁に暴力をふるうクソ親父でしかも凶悪犯罪者。
戦中もあり詳細が少ないですが最後交通事故で死んでるのはスカッとしますね。
2匹共あまり日本に伝わっていないのは親父の方は戦中戦後の混乱期の凶悪犯罪者であること、息子の方は西側には持って行けない情報とチャウシェスクに見られていたかもしれません。
貴重な記事ありがとうございます。
よくいますけどね。
人の命には淡白なくせに自分の命には固執する鬼畜。
最も許せないですね。
まあどっちも立て続けに死んでくれたので良かったですが。
それは被害者や犠牲者だけが述べて良い発言です!
今回の死刑執行は「こうでなきゃ!」と思いました。
逃げられる可能性をゼロにし、焦らしてクソムシが暴れるのを待ってから3人がかりでなぶり射殺・・・・・・多分、一思いには殺してないと思います。
瀕死状態にしてからトドメをさしたのだと思います。
スカッとしました。
クソムシの父親もクソムシだったようですが電車からの転落死は通常に考えてあり得ない!
恐らくは公然の場での処刑だったと信じたいですね。
その通りですね。
生きたいのは犠牲者であってこの鬼畜ではないです。
わざと焦らす辺りは素晴らしいですね。
この時に初めて自分がやって来た事の酷さが理解出来たでしょう。
私もビルじゃあるまいし転落死なんてあり得ないと思うので殺されたんだと思います。
コイツのDNAや育った環境が及ぼした影響とする向きもあるようですが、ぼくに言わせりゃ警察だって怠慢ですよ。
アメリカや中国みたいな大国じゃあるまいし、ちょっとレベルが低いと思います。
こんなシリアルキラーが街を跋扈しているようじゃしょうがないでしょう。
あと、処刑される前に命乞いして大暴れする、これはサディストの特徴ですね。
そうですね。
警察にもかなり問題ありますね。
サディストは確かに自分がやられる事なんて考えてもいないですからね。
だから「冗談じゃない」と暴れるのでしょう。
ですね。
大暴れ組としては、バンディ、大久保清、ケネスビアンキなんかも有名ですね。
自分がやったことは棚に上げ、いざ「殺す」というベクトルが自分に向いたら、暴れて醜態をさらす。
まったく「ふざけるな!」と言いたいです。
アルバート・フィッシュやペーター・キュルテンのように堂々してられないんですかね。
かの酒鬼薔薇も「自分の命は大切だけど他の命はゴキブリと同じだ」と言っていましたが、とても許されないですね。
あ~、フィッシュは自分が電気椅子で感電死するのを嬉々として望んだわけで、これは真性の変態ですよね。
キュルテンはサディストかも知れませんが、ぼくは単に「殺しが異常に好き」な気違いかなと思っています。
我が国だと松永太という怪物がいますね。
コイツは大暴れ系ではないですが、まさにトンデモナイ系です。
電気椅子やギロチンを楽しみにしていた両者は変態ですが、あくまでジタバタしなかったという点ではこの鬼畜よりましだといえますね。
彼らの無様な死に対してダーウィン賞を授与したいです。
私も執行人によくやったと言いたいですね。
確かにダーウィン賞ものの親子ですね。
あと、サッカーて宗教のような異様な盛り上がりをみせますよね。
私はサッカーにはほとんど興味ないですが、世界のスポーツと言われるくらいなので世界各国で同様の事件が起きてもおかしくないですね。
本当そうにしてやりたいですね。
日本が何度も輸出品に関してその詳細を明確にするよう促しているのに何度も無視。
だからホワイト国から外すと逆切れして日本をホワイト国から除外する。
もうやってる事は昨日捕まったあおり運転の犯人と同じですよ。
日本は韓国と国交を断絶しても何の影響もありませんが、中国は困りますね。
まあ困るのは日本だけではなく中国もですが。
まあ近年の教師はレベルが低いように思いますね。
凶悪犯罪者が処刑の際に悪あがきする様だけを見て残酷と言っているだけでしょう。
おかしい理由で死刑になっているのなら理解できます。
ただし、鬼畜の所業も見てないのに死刑や減刑を頼む様は被害者やその家族をバカにしているようで腹が立ってしまいます。
特に性犯罪に対する姿勢は甘すぎます!
被害者は同意していないのに同意したと見なされればかなり減刑されてしまうのです。
凶悪犯罪者を後悔させ、被害者やその家族がある程度慰められるからこそ死刑は必要なのです!
死刑という行為にでしょうね。
やはり想像力の欠如でしょうね。
犠牲者が凶悪犯にやられた事を考えれば残酷なんて容易にいえないですよ。
減刑や加害者を許す事が出来る唯一の人間は被害者 (殺された場合は遺族) だけです。
それ以外の他人がごちゃごちゃ言ってはいけません。
第3者が「残酷だ」とか「可哀想」とか安易に言ってはダメですね。
2012年に起きた「ルーマニア日本人美人女子大生強姦殺人事件」。
犠牲者の益野ゆりか 1992年生まれ は物凄く美人だった。
強姦ばっかりだしルーマニアという国が本当におぞましい。
さすがは1989年まで独裁なだけあるわ。
体操選手の ナディア・コマネチ も独裁政権の被害者、、、。
あっ、ちなみに私は死刑大賛成です。2006年に死刑を廃止したフィリピン、2009年に死刑を廃止したトーゴとブルンジ。ただちに死刑を復活させるべき!
ありましたね。
かなり昔ですがその事件を掲載して下さいとコメント頂いた事があります。
犠牲者が日本人の方だったので止めましたが、衝撃的な事件でしたね。
私も死刑賛成ですね。
死刑を廃止するメリットって何もありませんし。
このケースのポイントは、「鬼畜の系譜は親子で引き継がれるのか?」って点だよね?この父の場合は犯行現場を見せたり、息子を煽ってはいる。
ただ落第したり精神が病んでいて、子供の頃からおかしいのは肉体的な欠陥遺伝があるのかもしれない
科学的には犯罪遺伝子というのがあるようで、それは遺伝するようです。
ただ、もちろん絶対ではないでしょう。
父親が犯罪者だからといって子供が100%犯罪者になるとは限りません。
おそらく今回のケースは、子供への虐待や犯罪現場を見せたりした事が遺伝を目覚めさせたのではと思います。
刑罰はその犯罪者がどんな状態であろうと、その犯した罪とその結果によって刑が決まるべき。
唯一減刑されるべきは、その殺された相手によって負った心神喪失状態のみ。
止めて欲しいですね。
被害者には相手の状態なんて関係ないですからね。
仰る通り起こした犯罪、その内容だけを見て裁くべきで加害者を見るべきではありません。
特に親父の方の処刑は公開処刑同然だし、息子の死なせ方は際立って苦しませるような死なせ方なのでいい気分になります。
鬼畜は残酷な方法で死なせるべきです!
遺族の気持ちもあるし、そちらの方が大局的に見て道徳教育上いいと思うし。