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クワフール・ゴーバン (アメリカ)
【1978 ~     】



クワフール・ゴーバンは、1996年、窃盗で逮捕され、少年刑務所で30日の懲役刑を宣告される。

これがゴーバンによる初めての犯罪による逮捕であった。

その後、ゴーバンは大小様々な犯罪を犯し、刑務所と外を行き来していた。


2004年2月11日、シャラビア・トーマス (17歳♀) が、高校に向かっている途中で行方不明となる。

同日午後4時過ぎに、警察はパルメット通り近くの路地で洗濯袋に入れられたトーマスの死体を発見する。

トーマスは手首を縛られ強姦されており、頭には鈍器で殴られた痕があった。

死因は首を絞められた事による絞殺であった。


2005年2月14日、ニューヨーク州ニューヨーク・ブルックリン地区で、ラショーン・ブラゼル (19歳♂) が行方不明となる。

目撃者によると、ブラゼルは見知らぬ男性と2人でゲイツ・アベニュー駅の地下鉄に入っていった姿が確認されてる。

同年2月18日、ノストランド・アベニュー駅の近くで、いくつかのゴミ袋が見つかる。

ゴミ袋の中にはバラバラの死体が入っていたが、頭部がなかった。

その為、当初は誰の遺体かわからなかったが、後に指紋によりブラゼルだと判明した。

ニューヨーク警察は全米各地に手配し、情報を求めたが、結局、犯人はわからなかった。

また、ブラゼルの頭部が見つかる事はなかった。


2008年からゴーバンはカリフォルニア州で、セキュリティ会社の技術者として働き始め、結婚して2人の子供を生んだ。


2014年、ゴーバンはフロリダ州で武装強盗により逮捕され、懲役3年が言い渡された。


2017年、警察は服役中のゴーバンをブラゼル殺害容疑で再逮捕した。

また、武装強盗で逮捕された際、ゴーバンのDNAを採取しており、トーマスの体に残されたDNAと一致した。

その為、ゴーバンはブラゼルのみならずトーマス殺害容疑でも起訴された。


同年2月22日、ゴーバンは法廷に出廷した判事に対し、大声で叫んだ。

検察官は、ブラゼル殺害の理由について、ブラゼルはゲイであり、ゴーバンはゲイを嫌っていた為、犯行に及んだと述べた。

そして、判事はゴーバンに対して有罪判決を言い渡し、2つの殺人罪で終身刑を言い渡した。

判決を言い渡されたゴーバンは叫び暴れた為、刑務官数人に取り押さえられる騒ぎとなった。

しかし、警察はゴーバンによる殺人は2件では済まないと考えており、調査を進めていた。

2006年6月18日、ペトロ・ニクソン (16歳♀) が、職場である自宅近くのレストランに向かったのを最後に行方不明となった。

行方不明となってから4日後の22日、ニクソンの死体がゴミ箱の中から発見された。

ニクソンは半裸状態で強姦されており、複数の刺された痕があった。

実はこのニクソン殺害事件では、ベロン・プリムスという男性が逮捕されていた。

プリムスは一貫して無罪を主張していたのだが、有罪判決が下され刑務所に収監されていた。

検察はゴーバン逮捕を受け、ニクソンの指の爪から検出されたDNAが、プリムスではなくゴーバンと一致したと述べた (ただし、ニクソン殺害では現段階でゴーバンは裁かれていない。今後、再び裁かれる可能性はある) 。

また、警察は他の未解決の殺人事件についてもゴーバンによる犯行の可能性があるとみて捜査を進めている。


最後に判決を言い渡された際に判事に向かって叫んだゴーバンの言葉で終わりたいと思います。

「俺は無実だ!」



《殺人数》
3人 (他犯罪多数)

《犯行期間》
2004年2月11日~2006年6月18日



∽ 総評 ∽

長らく未解決事件として逮捕に至らず、実に10年以上振りに逮捕されたゴーバン。

ゴーバンは自分は無実だと主張し、法廷で暴れたが、証拠がゴーバンを犯人だと示しており、その姿は無様と言う他ない。

ゴーバンは18歳の頃から犯罪まみれの人生を歩んできたが、おそらく録な家庭環境で育ってはいないだろう。

警察はゴーバンには他にも余罪があると踏んでいるが、長らく逮捕されなかった事を考えれば他に余罪があるのは明らかだと思われる。

アメリカは日本に比べて未解決事件が多く、年間約100万人 (その内子供が約80万人) の行方不明者が出ている事実を考えれば、凶悪な殺人犯が多く捕まっておらず、今ものうのうと生活している。

アメリカでは常に30人程のシリアルキラーが暗躍しているとされており、このゴーバンのように後々逮捕される凶悪犯も多くいる。

そう考えると恐ろしくてならない。