
エリック・ルドルフ (アメリカ)
【1966 ~ 】
エリック・ロバーツ・ルドルフは、1966年9月19日、アメリカ・フロリダ州メリット島で生まれた。
1981年、ルドルフの父ロバートが亡くなり、一家 (母兄弟姉妹) はノースカロライナ州マコン郡西部のナンタハラに移動した。
ルドルフは地元の中学に進学するが、脱落してしまい、兄ダニエルと共に大工として働き始めた。
ルドルフ18歳の時、母親と共にミズーリ州のイスラエルの教会に通い一緒の時間を過ごした。
その後、ルドルフはGED (アメリカにおける5教科の試験に合格し、高校を修了した者と同等以上の学力を有することを証明するための試験) を受けた後、アメリカ軍に入隊し、ジョージア州フォートベニングで基礎訓練を受けた。
1989年1月、ルドルフはケンタッキー州キャンベルの第101空挺師団に配属されるが、この頃、ルドルフは精神的に追い詰められマリファナに手を染める。
その後、ルドルフは軍を除隊した。
1996年7月27日、ジョージア州アトランタにあるオリンピック公園の屋外コンサート会場で爆破事件が発生する。
実は同地では19日からオリンピックが開催されていた (アトランタオリンピックはオリンピック開催100周年という記念すべき大会であった) 。
この爆破による死者は見物人のアリス・ホーソン (♀) 、トルコ人のカメラマンは爆破の衝撃による心臓発作により死亡した。
負傷者は111人というオリンピックにおける事件としてはミュンヘンオリンピック事件以来の大惨事となった。
事件当初は犯人は爆弾の第一発見者である警備員とされたが、FBIが元アメリカ陸軍に所属し、爆弾に精通していたキリスト教原理主義者のルドルフを犯人とし、指名手配した。
ルドルフは犯行後に声明を発表しており、それは妊娠中絶に対する怒りと憎しみ、また、同性愛者に対しても怒りを露にした内容であった。
1997年1月16日、ルドルフはジョージア州サンディスプリングスにある中絶クリニックを爆破した。
しかし、この爆破による負傷者は幸い誰もいなかった。
同年2月21日、ルドルフはアトランタにあるアザーサイド・ラウンジを爆破する。
ここはレズビアン・バーとして有名な場所であり、この時も多くのレズビアンが訪れていた。
この爆破により5人が負傷したが、死者はいなかった。
1998年1月29日、ルドルフはアラバマ州バーミンガムにある中絶クリニックを爆破する。
ルドルフはダイナマイトの中に釘を入れて殺傷能力を飛躍的に高めており、この爆破により警備員のロバート・サンダーソンが死亡し、看護師のエミリー・ライアンズが負傷した。
1998年5月5日、逃走しているルドルフに対し、FBIはルドルフを『Ten Most Wanted (10大最重要指名手配犯) 』のリストに加えた (ルドルフは454人目であった) 。
また、FBIはルドルフが無差別の爆弾魔として非常に危険な存在だとし、逮捕に直接つながる情報提供者には100万ドル (約1億3000万円) の報酬を支払うと大々的に発表した。
しかし、少なからずルドルフの爆破に対する称賛する声が聞こえ、ルドルフ信者が多く現れた。
そして、そんな信者達はルドルフの逃亡を支持していた。
ルドルフの家族は逃亡するルドルフが無罪だと信じ、ルドルフが頼ってきた際は全力で支えると公言した。
その為、ルドルフの家族は厳しい尋問を受け、監視下に置かれた。
2003年5月31日、ルドルフはノースカロライナ州マーフィーで逮捕される。
逮捕された際、ルドルフは武装しておらず、一切の抵抗をみせずに大人しく捕まった。
また、ルドルフは迷彩のジャケットに作業服、新しいスニーカーを履き、髭は綺麗に剃られていた。
2005年4月8日、ルドルフは死刑を回避する司法取引に応じ、全ての罪状を認めた。
ルドルフの犯行動機は、中絶反対と同性愛に対する嫌悪であり、中絶行為を殺人だと考えていた。
また、ルドルフは中絶を「腐った物質主義と自己耽溺の饗宴の産物」であるとし、中絶を認めるアメリカ政府は正当性を失ったと主張した。
同年7月18日、ルドルフには仮釈放の可能性がない4つの終身刑が言い渡された。
最後にルドルフが言った言葉で終わりたいと思います。
「私はカトリックとして生まれた。そして、許されて死ぬ事を望みます」
∽ 総評 ∽
中絶を行うクリニックや同性愛者が集う場所を爆破したルドルフ。
ルドルフは爆弾による犯行に及んだが、爆弾魔と言えば『ユナボマー』ことセオドア・カジンスキーや、先日掲載した『The Austrian Unabomber』ことフランツ・フックスがいる。
爆弾魔というのはこのルドルフもそうだが、シリアルキラーの中でかなり特殊な部類で、その思考や動機がどちらかというとスプリー・キラーに近い。
ルドルフは中絶や同性愛を嫌悪して犯行に及んだが、そもそも何故、嫌悪したのかわからない。
どこかにきっかけがあると思われるが、記載されている記述を読んでみた限り詳細がない為わからない。
ルドルフの犯行動機は一部の人間たちの支持を得たが、同性愛と中絶を許せないと思う人は他にも沢山いると思うので、支持する人間が出て来るのは致し方ないかもしれない。
ただ、だからと言って自分自身で手を下さず事はせず、犯人を支持するというのは無責任過ぎる。
爆弾魔は動機も身勝手過ぎる上、被害が甚大になる事が多く、また、突然の出来事で対処のしようもないので、ある意味最もたちの悪い殺人鬼と言えるだろう。
【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★★★☆☆
・残虐度 ★★★★★★☆☆☆☆
・異常性 ★★★★★★☆☆☆☆
・特異性 ★★★★★★★☆☆☆
・殺人数 3人 (負傷者116人以上)
《犯行期間:1996年7月27日~1998年1月29日》
コメント
コメント一覧 (10)
武力に物を言わせ、己の我を通す。それが正義と信じており崇拝者が出るから質が悪い。テロリストと変わらないですね。
おそらくそれが原因だと思います。
テロリストや独裁者と何ら変わらないですよ。
ただ、武力でものを言わすというのは必ずしも限界がきて破綻します。
それがわからないからたちが悪いのですが。
カトリックの教典に「教えに反発する者には死を・・・」と記されているのか?を問い質したい。
無ければカトリック教徒を名乗る資格が無いし、存在するならカトリックに宗教を名乗る資格が無い。
爆破を喜んで支持した人間達にも「共犯」として罪を問うべきでは無いかとも感じます。
※自ら手を降さずに殺戮を喜ぶ有り様は実行犯よりも卑劣!
この様な悪辣な殺戮犯に限って他者生命を軽んじ、自らの命は惜しむ外道が多い。
そもそも「司法取り引き」行う事自体が「司法の敗北」に他ならないと私は思います。
何故?世界は犯罪者に優しくするのでしょうか・・・全くもって理解し難いですね。
仰る通りですね。
結局、宗教とかの名前を使って自分の思うがままにやりたかっただけに思います。
去年、相模原障害施設で19人殺害した際も、犯人の「障害者なんていらない」という考え方に少なからず共感した人達がいましたからね。
まあそういう人達が存在するのは仕方ないですが。
確かに自分の命は大事だけど他人の命には軽薄という人物は多いですね。
かの酒鬼薔薇も「自分の命は大切」とかほざいてましたけど、真のシリアルキラーは「人の命に軽薄なかわりに自分の命に軽薄」な場合が多いですけどね。
司法取引って何なんですかね?
アメリカみたいに未解決の事件が多い国に存在する特殊な方法ですよ、日本じゃまず考えられないです。
私もやたら犯罪者を庇ったり保護したする神経が理解出来ませんね。
被害者の侮辱意外の何物でもありませんよ。
それでいいと思います。
冤罪の可能性は仰る通り少しでも怪しい場合は釈放、もちろんしっかりとした捜査は必要ですが。
あなたを許すような人間がどこにいるのか?
もちろん私はあなたを許さない。
誰からも見放されて惨めに苦しみながら死ぬことを望みます。
私もそうですが赤の他人ですら許せないと思うので、被害者や遺族はもちろん許す事はないでしょう。
まあこういった異常者の思考でしょうね。
それもあるでしょうね。
爆弾魔は「世の中を変えてやる」という思考になっている事が多いですよね。