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キャスリーン・フォールビッグ (オーストラリア)
【1967 ~ 】



キャスリーン・ミーガン・フォールビッグ (旧姓ドノヴァン) は、1967年6月14日、オーストラリアで生まれた。


1969年1月8日、フォールビッグの父トーマス・ブリトンは、妻を24回刺して殺害する。

この妻殺しで逮捕されたフォールビッグの父は刑務所に収容される事となり、孤児となったフォールビッグは里子に出された。


1970年7月18日、フォールビッグは再び里子に出され、引き取り手がなかった為に施設に入れられた。


同年9月、結局、フォールビッグは成人するまで養護施設に収容される事となった。


フォールビッグ15歳の時、学校を卒業し、1987年、フォールビッグはクレイグ・ギブソン・フォールビッグと結婚した。


1989年2月1日、フォールビッグはカレブ・ギブソン (♂) を出産する。

カレブは生まれた時は何の問題もない健康児であった。

しかし、生まれて間もなく呼吸が苦しくなり、診察の結果、喉頭軟化症と診断される。


同年2月20日、フォールビッグはカレブを部屋に寝かせ、自身は隣の部屋で寝た。

翌日、フォールビッグはカレブを見に行くと、すでに息をしていなく死んでいた。

検死の結果、カレブは深夜2時前にはすでに死んでいた事が判明した。

このカレブの死は病気による自然死として処理された。


1990年6月3日、フォールビッグはパトリック・アレン (♂) を出産する。

夫クレイグはカレブの事もあり、パトリックが生まれて3ヶ月間は仕事を休みパトリックの傍で面倒を見た。


同年10月18日、フォールビッグはパトリックをいつものように寝かしつけた。

その後、クレイグがフォールビッグの叫び声で起き上がり、すぐにフォールビッグの元に駆けつけた。

すると、フォールビッグはパトリックの傍で立っており、パトリックを見るとすでに呼吸をしていなかった。

クレイグはすぐにパトリックの心肺蘇生を試み、そのおかげでパトリックは何とか息を吹き返した。

パトリックはすぐに救急車で病院に運ばれた。

診断の結果、パトリックは癇癪によって引き起こされたとされた。


1991年2月18日、クレイグが仕事をしていると、フォールビッグから電話が入り、

「また、パトリックが息をしていない!」

と連絡が入る。

クレイグはすぐに家に帰るが、パトリックはすでに死亡していた。

その後、夫婦はニューサウスウェールズ州ソーントンに引っ越す。


1992年10月14日、フォールビッグはサラ・キャスリーン (♀) を出産する。


しかし、1993年8月29日、サラは1歳を迎える事なく死亡してしまう。


1996年、夫婦はニューサウスウェールズ州シングルトンに引っ越す。


1997年8月7日、フォールビッグはローラ・エリザベス (♀) を出産する。


1999年2月27日、ローラが死亡する。


2001年4月19日、フォールビッグは逮捕された。

警察がこれまでの相次ぐ子供の不審死を疑問に感じ、水面下で捜査を進めており、フォールビッグ逮捕となったのだった。


フォールビッグの裁判が開かれたが、それは7週間も続いた。

フォールビッグの殺害動機だが、日頃の欲求不満が溜まり、子供殺害に至ったと検察側が述べた。

弁護側は、フォールビッグが思いやりのある母親であり、子供の殺害にはフォールビッグは一切関与していなく、傷つけてもいないと主張した。

また、子供の死には夫クレイグにも責任があると述べた。

フォールビッグを知る知人によると、フォールビッグは異常なほど愛情深い性格であったと述べた。

更に弁護側は、フォールビッグは救急隊や警察に対して本当に取り乱していたと述べ、フォールビッグと殺人を結びつける物的証拠がないと指摘した。


2003年5月21日、フォールビッグには有罪判決が下された。


同年10月24日、フォールビッグには30年は仮釈放の可能性がない40年の禁錮刑が言い渡された。

フォールビッグは判決を不服として控訴した。


2005年2月17日、フォールビッグは25年は仮釈放の可能性がない30年の禁錮刑が下された。

また、フォールビッグの犯罪の性質上、他の収容者とのトラブルを避けて、特別に守られる事となった。

しかし、フォールビッグは現在も尚、無実を主張し続けている。



《殺人数》
4人


《犯行期間》
1989年2月20日~1999年2月27日




∽ 総評 ∽

自身の子供を次々と殺害したとされるフォールビッグ。

フォールビッグのように自身の子供を手にかける母親は意外に多く、大抵が『代理ミュンヒハウゼン症候群』の可能性が高い。

フォールビッグは現在も無実を主張しているのだが、正直、フォールビッグはとても無実とは思えない。

4人も子供が生まれて間もなく死んでいるのに「何もない」とは普通ならない。

1人、2人くらいはギリギリあり得なくはないが、いくらなんでも4人が立て続けに亡くなるというのは確率的にはまずあり得ないだろう。

ただ、フォールビッグの殺害動機がよくわからない。

前述した通り周囲から同情を集める事で快感を得る『代理ミュンヒハウゼン症候群』ならわかるが、フォールビッグにはそんな節は感じられない。

では保険金を掛けての保険金殺人かと言われればそうでもない。

一瞬、本当にフォールビッグは無罪なのでは?と思えるが、流石に4人も死んでるのを無罪とは言えないだろう。

フォールビッグは1歳半の時に父親が母親を殺害するという悲劇に見舞われた。

もちろん本人は記憶にないだろうが、その事を後に知った時のショックは相当なものだろう。

フォールビッグのこの異常性は、もしかしたら母親を殺害した父親の異常性を遺伝的に受け継いだ結果なのかもしれない。