
アドルフォ・シリンゴ (アルゼンチン)
【1946 ~ 】
シリンゴは当時、軍事独裁政権下にあったアルゼンチン軍に所属する海軍大尉であった。
1977年6月と8月に、シリンゴは反体制派の陸軍技術学校の逮捕者30人を騙して鎮静剤を打って無理やり飛行機に乗せた。
そして、鎮静剤で朦朧としている中、シリンゴは30人を全裸にし、空高き上空から30人を海に向かって次々と突き落とし、殺害する。
この残虐な殺人は『死の飛行作戦』と呼ばれ、反体制派は同様に次々と抹殺されていった。
1995年にもシリンゴは同じく反体制派を殺害。
その後、シリンゴは指名手配され、1997年、訪問先のスペインで身柄を拘束された。
逮捕されたシリンゴは過去の殺害を告白していたが、裁判直前では告白を翻し、無罪を主張した。
2005年4月19日、シリンゴはスペインの裁判にかけられ、「人道に対する罪」で罰せられ、640年の禁錮刑が言い渡された。
外国で起きた人道犯罪で、外国人に対して有罪判決が言い渡されたのはスペイン史上このシリンゴが初めての事であった。
実は裁判では検察側は、シリンゴに対して禁錮9138年を求刑していた。
しかし、実際は犠牲者1人に対して21年が加算され合計630年、そして、別件の罪で10年加算され合計640年となったのであった。
ただ、スペインでは刑期に上限があり、実際シリンゴが収監されるのは最長で30年となる。
余談だが、1970年代のアルゼンチンやチリは軍事独裁政権下であった。
その為、このシリンゴが行ったような極秘の抹殺行為等が現在になってやっと裁かれるようになったのだった。
∽ 総評 ∽
国の命令で反体制派を次々と抹殺していったシリンゴ。
しかも射殺などの方法ではなく、上空から放り投げるという鬼畜ぶりであった。
このシリンゴのような行為は軍事独裁政権下ではよくあることで、さして珍しい事はない。
いつも思うのだが、法律上、「刑務所に収監されるのは最長で◯◯年」と決められているにもかかわらず、このような膨大な刑期が言い渡されるのだろうか?
結局、出て来れるのならば、懲役1億年でも全く意味をなさない。
【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★★☆☆☆
・残虐度 ★★★★★★★★☆☆
・異常性 ★★★★★★☆☆☆☆
・特異性 ★★★★★★☆☆☆☆
・殺人数 30人以上
《犯行期間:1977年6月、同年8月》
コメント
コメント一覧 (4)
今から100年以上前のハーグ陸戦条約というのが有り、各軍規はこれが元になってます。姿・格好や武器の携帯の仕方などから捕虜の待遇等々、軍事行動の基本中の基本が記されていて、軍同士の衝突でこれを守らないと、どんな悲惨なことをされても相手側に罪には問えません。逆に守っていれば相手側も守らなければいけません(一応名目として)。よく映画等でアメリカ軍とかが肩に国旗(マーク)を付けていますが、これは必ず付けなければならず、付けていればアメリカ軍、付けなければゲリラになり、軍人の対応はされません。もしそうなったら、ぶっ殺されても国としては文句は言えないのです。【捕虜】の間は給料も発生し支払わなければならないし、階級によって待遇も違ってきます。
とまぁ、色々と細かく決められています。
ちなみに、ドイツ軍では、上官の命令が人道的で無かった場合は拒否出来る権利が何故かあります。
さすがお詳しいですね。
多分、仰る通り過去の非人道的行為に対する裁判だと思います。
本人からすれば「そんな今更言われても。命令でやったことだし」とか思うのかもしれませんが、犠牲者からすればただの殺人にかわりないですからね。
話は変わりますが、ボスニアで非人道的行為をしたとして裁判にかけられていたセルビア系の軍人、ムラジッチ容疑者に終身刑が下されました。
両者とも死刑にしてほしいですが、死刑にしたらしたで各国から反発が食らってできないから中途半端な30年を極刑と定めて彼らを黙らせたいだけなのです。
ムラジッチも掲載してくれたらうれしいです。
知らない人物ですね。
今度調べてみます。