image
















マーク・ハット (カナダ)
【1976 ~ 】



ドナ・エレン・ジョーンズは1975年12月25日、カナダで生まれた。

父親はドナに興味を示さず、ドナを軽んじていた。

そんな父親はドナに
「夫には敬意を示せ」
と幼い頃から言い聞かせて育てた。

ドナはそんな家庭環境で育った為か、ストレスで体重が増え、それをコンプレックスに感じていた。

容姿や体重について過剰に反応を示し、普段から気にしていた。


ドナはカナダの首都オタワにあるカールトン大学を卒業し、その後、カナダの食物検査エージェンシーで、公務員として働き始めた。


そんな中、2005年夏、ドナはマーク・ピーター・ハットと出会う。

ドナとハットはすぐに付き合い始め、2人は同棲を始めた。

しかし、同棲を始めると、ドナに異変が起こる。

ドナは勤務態度も良く、真面目に仕事をこなしていたのだが、次第に仕事が疎かになっていった。

また、ドナは家族や友人と連絡を取らなくなり、親や友人が心配して電話をかけても出ない事が多かった。

ドナの友人はハットによる家庭内暴力を疑い始める。

友人はドナに会った際、体にいくつもの痣がある事に気付き、それを問いただしたが、ドナは話をはぐらかし、痣について答えなかった。

また、友人はドナと一緒にいた時に、ドナの携帯にハットから何度も電話があり、その都度、ドナが怯えながら会話を交わしているのを目撃していた。

更に、友人がドナと電話で話した時、ハットが電話ごしに後ろで叫んでいるのを何度も聞いた事もあった。


そんな中、ドナとハットは結婚する事となり、結婚式の日取りは2007年9月に予定された。

しかし、ドナの友人たちは結婚に反対し、ドナに結婚を取り消すよう説得する。

だが、ドナはハットと結婚する事となる。


ドナの体重はもともと162ポンド (約73kg) あったのだが、結婚から2年後の2009年には101ポンド (約46kg) になっていた。

ハットはドナに感情的にはもちろん、財政的にもかなり依存していた。

ドナはハットの機嫌をとる為、ATV (4輪バギー) やトラック、スノーモービルやスノーボードといったハットが好きな物を買い与えていた。

しかし、そんな生活が長く続くはずもなく、ドナは多額の借金を抱え、破産を申し込む準備をした。


同年12月5日、ハットから911に連絡が入る。

ドナが息をしていないという連絡であった。

すぐに救急隊が駆け付けるが、すでにドナは死亡していた。

ハットは警察の尋問を受け、911を呼ぶ前はまだ生きており、3時間会話を交わしたと話した。

しかし、検死の結果、ドナはハットが911を呼ぶ少なくとも12時間前にはすでに死んでいた事が判明する。

また、ドナの全身には重度の火傷がみられ、これは死ぬ10日も前の11月24日に負ったものだとわかった。

火傷の事を問われると、ハットはドナがファイアーピット (囲炉裏) に落ちて負ったものだと主張する。

しかし、警察がかなり重傷な火傷 (全身の40%) にもかかわらず、治療されていない事を問い詰めると、ハットは病院に行くようドナに言ったが、本人が行くのを拒んだと話した。

だが、火傷を負った事をドナの家族や友人には本人から一切聞かされていなかった。

検死の結果、ドナには火傷のみならず、エアライフル (空気銃) の弾丸がドナの皮膚に何発もはまり込んでいるのを発見する。

検死によると、そのエアライフルはドナからわずか2、3フィート (約60cmから90cm) ほどの至近距離から撃たれた事が判明した。

また、ドナは死亡した時、9本の肋骨と鼻骨が折れ、両目の回りにはどす黒い痣があり、頭、膝等も打撲の跡がみられた。

結局、直接の死因は火傷の傷から感染症によるショック死であった。

警察はハットによる日常的な虐待と殺害を確信する。

ドナの家を家宅捜索した警察は、何百ものメモを発見し、それにはハットはある時はドナを『恐ろしい妻』と罵っているが、ある時は『私の天使』とも書いていた。

ハットが明らかに『ジキル博士とハイド氏』の性質を示していた事がわかった。


同年12月12日、ドナは殺害でハットは逮捕された。

裁判でハットの弁護側は、肋骨の骨折や痣や切り傷ではドナの直接の死因にはならないと主張する。

また、ハットがドナを虐待した証拠がない事も主張した。


だが、ハットによる虐待は誰の目にも明らかであり、2013年6月7日、ハットは第一級謀殺で有罪判決となり、最低25年は仮釈放のない終身刑が言い渡された。



∽ 総評 ∽

長年の暴力の末、火傷の傷から感染した感染症で死亡したドナ。

男性による妻や恋人への暴力は世界どこでも行われており、珍しいという事はない。

最近、日本でもDV被害が増えているが (男性→女性だけでなく、女性→男性へのDVも増えている) 、男性が女性に暴力を振るうというのは、力の差を考えると最低というほかない。

DVを振るう男性というのは、小心で気が小さく、内向的な性格の男性に多い。

仕事では上司や得意先に文句も言えず、腹を立てても相手に注意も出来ない小心者が、妻や恋人という自分に抵抗する事のない相手に発散するのである。

男としてクズとしか言い様がないが、少なからずそういった男性に依存してしまう女性は意外に存在する。

「逃げたら殺される」という恐怖で縛るという事もあるが、基本的にはたまに与えられる優しさに中毒となってしまうのだろう。

ただ、虐待というのは夫婦間や恋人間でどこまでを虐待と判断するのか難しく、また警察は「民事不介入」という事もあり、被害が酷くなるまで発覚しないという恐れがある。



【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★★★☆☆
・残虐度 ★★★★★★★★★☆
・異常性 ★★★★★★★★☆☆
・特異性 ★★★★★★☆☆☆☆
・殺人数 1人

《犯行期間:2007年12月5日》