
ビリー・ヴィッカーズ (アメリカ)
【1945 ~ 2004】
1993年春、フィリップ・キンスロー (50歳♂) はテキサス州ポートアーサーで小さな食料品店とガソリンスタンドを経営していた。
キンスローは夕方になると店を閉め、その日の店の売上金を持ったままラマー郡にある家に持ち運んでいた。
移動はトラックで長距離になる為、用心の為にキンスローはリボルバーを所持していた。
1993年3月12日夕方、キンスローの妻ダニアは家で夫の帰りを待っていた。
すると、ダニアは家の外で銃による発砲音を耳にする。
ダニアは外に出ると、キンスローの運転するトラックが車道から向きを変え、木に衝突した。
ダニアがキンスローのトラックに駆け寄ると、キンスローは運転席にうずくまっており、胸に銃創があった。
トラックの中にはその日の売上金の入ったバッグとリボルバーがあった。
キンスローのリボルバーは6発の弾丸が発砲され、弾倉が空であった。
ダニアはすぐに警察に通報し、キンスローは病院に搬送されるも死亡が確認される。
キンスローは検死の結果、胸だけでなく腕も撃たれていた事が判明する。
警察は捜査を進め、キンスロー銃撃から22時間後、キンスローの家から2マイル (約3km) しか離れていない場所で、怪しい人物を発見する。
その男性は左下肢を2発撃たれており、木の枝で作った即席の松葉杖を使って足を引き摺りながら歩いていた。
警察は男性を緊急逮捕した。
男性の名はビリー・フランク・ヴィッカーズ (1945年7月30日生まれ) といい、ヴィッカーズが撃たれた銃創は、キンスローのリボルバーである事が確認された。
また、キンスローが撃たれた現場で発見された靴跡が、ヴィッカーズが履いていた靴とブランドや形が一緒であると断定された。
更に、現場近くの樹木が生い茂った場所で、トボガン・キャップ (頭全体を覆い隠すニット帽のようなキャップ) とダクト・テープが見つかり、そのキャップから毛髪が発見され、それがヴィッカーズの髪の毛だと判明した。
しかも、警察がヴィッカーズの家を捜索した所、いくつかの22口径の銃やライフルが見つかり、キンスローの命を奪った弾丸と同じ物が発見された。
ヴィッカーズはキンスロー殺害を認めたが、実は他にジェイソン・マーティン (♂) とトミー・パーキンス (♂) という共犯者がいた事を告白する。
ヴィッカーズはマーティンとパーキンスと共にキンスローからお金を奪う事に決める。
ヴィッカーズたちはキンスローの店の道を挟んで反対からその様子を観察した。
キンスローが何時に店を閉めるか、キンスローが何時に帰るか、ヴィッカーズたちはキンスローのトラックを後ろから車で追跡し、どの道を通って帰るか着いて行った。
こうしてヴィッカーズたちはキンスローの行動を念入りに下調べした。
キンスローの家には2つの厳重な門が存在し、門の扉が開いて家の敷地内に入るのに時間が掛かる事がわかった。
パーキンスはそこでキンスローが扉を開ける時に襲い掛かる事を提案する。
そして事件当日、ヴィッカーズたちは銃で武装し、キンスローが週末、ビジネスの為に銀行でお金を引き出したのを確認する。
ヴィッカーズたちはキンスローの店に向かい、キンスローが大金を入れたバッグをトラックに入れ、出発したのを確認した後、3人はヴィッカーズの家に向かう。
そして、ヴィッカーズの家でキンスロー襲撃の最終打ち合わせをする。
逃走用の車に乗った3人は、拘束用のダクト・テープを持参し、キンスローの家に向かった。
キンスローの家に着くと、ヴィッカーズはパーキンスとダクト・テープを持って門の方へ歩いて行った。
マーティンは車でキンスローのトラックを追い掛けた。
その後、キンスローのトラックが家の門の方へ向かったので、マーティンは車を近くに止めてヴィッカーズとパーキンスを待った。
マーティンはいくつかの発砲音を聞くが、待てど暮らせど2人が戻って来なかった。
マーティンは仕方なく家に帰った。
翌日の3月13日朝、マーティンの家にパーキンスが訪れ、ヴィッカーズがキンスローに撃たれたと話した。
パーキンスはヴィッカーズとキンスローを待っていると、キンスローがトラックから出て来きた。
すると、キンスローが銃を持っているのを見た。
そこで、ヴィッカーズとキンスローの間で銃撃戦が展開され、キンスローはトラックに戻って走り去った。
パーキンスはヴィッカーズを助けてその場から離れようとするが、ヴィッカーズは膝を撃たれていた為、まともに歩く事が出来なかった。
そこでパーキンスはヴィッカーズの家に向かった。
ヴィッカーズの家に着くと、パーキンスはヴィッカーズのガールフレンドに状況を説明した。
裁判でヴィッカーズには死刑が、パーキンスには終身刑が、マーティンには懲役25年が言い渡された。
2004年1月28日、テキサス州で致死量の注射による死刑が執行された。
享年58歳。
ヴィッカーズのスペシャル・ミール (最後の特別な食事) は、チーズに玉ねぎ、揚げたボローニャソーセージ、トースト、ジャガイモにオムレツ、ホットコーヒー、バニラアイスクリームであった。
また、ヴィッカーズは処刑前にキンスロー殺害以前に14人をこれまで殺害してきたことを告白した。
その内の1人は、1976年に継娘を殺害したにもかかわらず、無罪になった元テキサス州の油田大富豪カレン・デイビス (♂) であった。
しかし、それ以外に関しては言及しなかった。
∽ 総評 ∽
綿密な計画により強盗殺人を犯したヴィッカーズ。
処刑直前の告白と言えば、以前掲載したスティーブン・アンダーソンが7人告白した例があるが、ヴィッカーズは14人殺害を告白した。
ヴィッカーズの場合は1人だけ名前を挙げたが、証拠がなく信憑性は相当低い。
ただ、ヴィッカーズはキンスローを殺害したのが47歳の頃であり、この時、初めて殺人を犯したとは考えにくく、14人とは言わずとも何人かは手にかけている可能性は高い。
【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★★☆☆☆
・残虐度 ★★★★☆☆☆☆☆☆
・異常性 ★★★★★★★☆☆☆
・特異性 ★★★★★☆☆☆☆☆
・殺人数 14人?
《犯行期間:?~1993年3月12日》
コメント
コメント一覧 (2)
折角武装したのに返り討ちに出来なかったのは悲しいですが、2発ブチ込めたのはせめてもの慰めですかね。出来れば一番痛いと言われる爪先がよかったですが、そう考えると眉間にクリーンヒットが最善策でしたね…悔しい…
ありがとうございます。
あえてそのようにしています。
起こった事に対して途中で感想や感情を入れると、私の考え方に共感するよう強要する事になるので。
あくまで事実を淡々と記すようにしています。
ただ、それだとつまらないと思ったので、最後に総評として自分の考えを書くようにしています。
本来はそれもいらないのですが。
用心してもやられてしまう。
こうなるともうどうしようもないですね。