
キャロリン・ウォーマス (アメリカ)
【1964 ~ 】
1964年1月8日、ウォーマスはアメリカ・ミシガン州トロイで生まれた。
その後、ウォーマスはアラバマ州バーミンハムや、ミシガン州デトロイトと引っ越したが、家は裕福で、上流階級の住む郊外で育った。
父トムは保険ビジネスで富を蓄え、独立して成功した大富豪であった。
しかし、ウォーマスが生まれた時にすでに夫婦関係は破綻しており、ウォーマスが8歳になると、ついに両親は離婚する。
ウォーマスの親権について両親の間で争われたが、それはウォーマスを思っての事ではなかった。
互いを憎む程嫌っていた夫婦が、相手の思い通りにいく事が気に入らなかっただけの話しであり、ウォーマスの親権などどうでもよかった。
実際、親権を勝ち取った母親は、再婚するとウォーマスの親権を放棄している。
その後、ウォーマスはミシガン大学に通い、恋人が出来るのだが、恋人に対して異様な行為に走ってしまい、すぐに別れを告げられる。
しかし、ウォーマスは元恋人の後をつけたり、待ち伏せしたりと執拗に関係修復を訴えた。
嫌気がさした元恋人は引っ越したりするが、そんな恋人にウォーマスは探偵をつけて調べさせた事もあった。
そんなウォーマスは大学在学中にストーカー事件を起こす。
新たな恋人 (ポール・レビン) が出来たのだが、同じようにウォーマスに嫌気がさし、心変わりして別の女性と同棲しているという情報を入手する。
すると、ウォーマスは家に押し掛け喚き散らし、レビンの子供を妊娠したと大学中にふれ回ったのだった。
そんなウォーマスに抗議したレビンだったが、
「どんな闘いになるかあなたは知っていたはず。私を相手にしたんだから。あなたに勝ち目はないわ」
とウォーマスに一蹴されてしまう。
結局、レビンは裁判に訴え出た為、ウォーマスには接近禁止命令が下された。
ウォーマスはミシガン大学で心理学の学位を取得した後、卒業し、ニューヨークに移り住んだ。
ここでもウォーマスは結婚しているバーテンダーの事を好きになり、探偵を雇って追跡させている。
このように、ウォーマスは男性と知り合っては相手が結婚していようがしてなかろうが関係なく結婚を迫り、相手が少しでも怯むとストーキングするという行為を繰り返した。
まもなく、ウォーマスはコロンビア大学から初等教育で修士号を取得し、ニューヨークのスカースデールで1987年9月から仕事を始める。
ここでウォーマスは同僚のポール・ソロモンと出会う。
ソロモンには妻子 (妻ベティ・ジーン、娘クリステン) がいたが、相変わらずウォーマスはソロモンの事を好きになる。
ウォーマスはすぐにソロモンに迫り、2人は不倫関係となる。
1989年1月15日夕方、ニューヨークの緊急コールセンターに女性から連絡が入る。
しかし、電話はすぐに切れてしまい、不審に思ったコールセンターが警察に通報するが、警察は動かなかった。
同日午後11時42分、ソロモンは帰宅すると、家の明かりは消えており、テレビだけがついていた。
リビングでベティがうつ伏せに倒れており、ソロモンは抱き起こそうとベティを抱えると、ベティの体は冷たく血が流れていた。
すぐに警察に通報し、警察が駆け付けた。
ベティは頭部を銃で殴られ、9発もの銃弾を全身に浴びている事がわかった。
警察はまず夫であるソロモンを疑った。
通報者や夫を疑うのは捜査の基本である為、その事自体は不思議な事ではないが、ソロモンが余計に疑われた理由は、ウォーマスとの不倫であった。
しかし、ソロモンはベティ殺害を否認した。
そこで、警察は不倫相手のウォーマスの過去の経歴を調べる事にする。
すると、ウォーマスの過去のストーカー歴等が発覚し、警察はウォーマスを容疑者としてマークする。
だが、証拠がない為、逮捕する事は出来なかった。
そんな中、ベティの葬儀が行われる。
しかし、葬儀の最中ですらウォーマスは人目を憚らずソロモンに抱きつきキスをした。
さすがにこの行為にソロモンは嫌気がさし、葬儀が終わり、ウォーマスが精神科に入院している隙をみて、新しい恋人とプエルトリコに旅行に出掛けた。
この裏切り行為に激怒したウォーマスは、すぐにソロモン達を追っかけ、ソロモン達の滞在しているホテルに辿り着く。
そして、ソロモンに対するメッセージを残した。
その頃、警察はウォーマスが使用したと見られるサイレンサー付き25口径のベレッタ銃をヴィンセント・パルコという人物から購入したという情報を入手する。
また、ロングアイランドの店で25口径の弾薬をウォーマスが購入したという情報も入手する。
1990年2月2日、それらの状況証拠を元に、警察はウォーマスを逮捕する。
第二級謀殺で起訴されたウォーマスは、1992年1月、裁判が始まり、ジョン・ケアリー判事は
「恐ろしく理不尽で残忍な殺人」
とウォーマスの犯行を痛烈に批判した。
同年6月26日、ウォーマスには最低25年は仮釈放のない終身刑が言い渡された。
2004年、ウォーマスと同じく服役中の以前掲載したパメラ・スマートは、看守によって性的暴行を受けたとして訴訟を起こした。
ウォーマスは独房で裸にされ写真を撮られ、強姦されたと主張した。
しかも、ウォーマスは70日間の長期に渡り、監禁されたとも供述した。
また、ウォーマスは看守との性交渉を強制されたと主張する。
パメラはウォーマスが監禁され、強姦された事について不満を言っていたと供述した。
結局、ウォーマスとの間で和解が成立し、ウォーマスは和解金10000ドル (約110万円) を受け取った。
余談だが、このウォーマスの事件はエイドリアン・ライン監督による『Fatal Attraction (邦題:危険な情事) 』として映画化され、ヒットしている。
2019年6月17日、脳腫瘍を患っているウォーマスは手術をする為に刑務所の外に出る事を望み、その願いは叶えられ釈放された。
最後にウォーマスが判決を言い渡された際に言った言葉で終わりたいと思います。
「私の罪は彼の愛の言葉を真に受けたという愚かさなのでしょうか?」
∽ 総評 ∽
異様な愛情表現により結婚相手の女性を殺害したウォーマス。
ウォーマスの行為は典型的なストーカー行為であり、その中でも群を抜く恐ろしさと言えよう。
このウォーマスの異常さは、以前掲載したローリー・ダンを彷彿とさせる。
ウォーマスのストーカー行為は、明らかに幼少時の影響が現れている。
両親の愛に飢えていた為、愛を相手に過激に求め、過剰な行為に走ってしまったのだろう。
ウォーマスは知的で容姿も申し分なく、普通に恋愛すれば相手に困る事はなかったろう。
しかし、両親からの愛情の希薄さにより、歪んだ恋愛感情を抱くようになってしまった。
自身に全く自信がなく、その為、ウォーマスはお金で男を釣るという行為に走った。
実際、高校の時に「100ドルで男を紹介して欲しい」と友人に頼んでいたという。
ただ、何度も言っているが、ウォーマスがこんな風になっしまったのは両親が原因の可能性が極めて高い。
そういった点を考慮すると、ウォーマスにも充分に同情の余地はある。
【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★★★☆☆
・残虐度 ★★★★★☆☆☆☆☆
・異常性 ★★★★★★★★★☆
・特異性 ★★★★★★★★☆☆
・殺人数 1人
《犯行期間:1989年1月15日》
最後にウォーマスが判決を言い渡された際に言った言葉で終わりたいと思います。
「私の罪は彼の愛の言葉を真に受けたという愚かさなのでしょうか?」
∽ 総評 ∽
異様な愛情表現により結婚相手の女性を殺害したウォーマス。
ウォーマスの行為は典型的なストーカー行為であり、その中でも群を抜く恐ろしさと言えよう。
このウォーマスの異常さは、以前掲載したローリー・ダンを彷彿とさせる。
ウォーマスのストーカー行為は、明らかに幼少時の影響が現れている。
両親の愛に飢えていた為、愛を相手に過激に求め、過剰な行為に走ってしまったのだろう。
ウォーマスは知的で容姿も申し分なく、普通に恋愛すれば相手に困る事はなかったろう。
しかし、両親からの愛情の希薄さにより、歪んだ恋愛感情を抱くようになってしまった。
自身に全く自信がなく、その為、ウォーマスはお金で男を釣るという行為に走った。
実際、高校の時に「100ドルで男を紹介して欲しい」と友人に頼んでいたという。
ただ、何度も言っているが、ウォーマスがこんな風になっしまったのは両親が原因の可能性が極めて高い。
そういった点を考慮すると、ウォーマスにも充分に同情の余地はある。
【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★★★☆☆
・残虐度 ★★★★★☆☆☆☆☆
・異常性 ★★★★★★★★★☆
・特異性 ★★★★★★★★☆☆
・殺人数 1人
《犯行期間:1989年1月15日》
コメント
コメント一覧 (10)
完全に眼がイッてるように見える。
関係ない話題ですいませんがついこの間見たニュース(2ちゃんだけどw)
インドで昔父親を殺された男性がその犯人をバラバラにして殺害した事件がありましたね
本人は復讐をやり遂げて幸せだと言ったとか…
こうゆう普通に生活してる人間が一番困ったもんで、捕まったら最後とことんやられてしまいます。
ある意味サイコパスです。ターゲットを人間扱いしてませんから。
この女の人権など無視して構わないでしょう。
そうですね。
笑顔ですが目がかなり怖いですね。
そのインドの事件気になりますね。
今度、調べてみます。
確かに逮捕された事と、刑務所内で強姦される事は別だとは思います。
ただ、だからといって訴えてお金をもらうってのは違うような気がします。
もちろん囚人相手には何をしても構わないというのは酷過ぎますが、もし、罪を犯していなければ刑務所に入る事もなく、そうすれば刑務官に強姦される事もなかったので。
正直、この渇望は一生満たされないでしょうね。愛は心と受を合わせた漢字。この人は与えることしか出来なかった。受け止める為の心構えが出来てなかった。
まさに仰る通りですね。
植物も水と日光により成長しますが、水だけだと腐り、日光だけだと枯れてしまいますからね。
やっぱり両方あって初めて成長するものなので、一方的というのは厳しいですね。
1992年に「魔性(A Murderous Affair)」というテレビ映画が公開されていますが、こちらはこの事件を元にしたもので、関係者の実名も出ています。
『危険な情事』て有名な映画ですよね。
他の映画の元になっているというのはこの事件の衝撃の高さが伺えますね。
これほど危険な女を釈放するというバカさ加減にはもう呆れてしまいました。
先月、釈放されたようですね。
早速訂正致しました。
ただ、脳腫瘍のようなので、その内死ぬでしょう。