
クリスティーン・パオリラ (アメリカ)
【1986 ~ 】
クリスティーン・マリー・パオリラは、1986年3月31日、アメリカ・ニューヨーク州ロングアイランドで生まれた。
パオリラの母は主婦で、父チャールズは建設労働者であった。
パオリラ2歳の時、父チャールズが死亡し、続いて祖父と曾祖母が相次いで死亡した。
パオリラ7歳の時、パオリラは母と祖父の3人で暮らすようになる。
この頃からクリスティーンは脱毛症と診断され、カツラを着用するようになり、学校でいじめられるようになる。
その為、パオリラは内気で内向的な性格となっていった。
パオリラはテキサス州ヒューストンにあるクリア・レイク高校に通うようになる。
友達は1人もいなく、いじめを受けるという悲惨な高校生活を送っていたパオリラだったが、1学年上のレイチェル・コロルーティスと、ティファニー・ローウェルがパオリラに話し掛けてくる。
コロルーティスとローウェルは、美人で性格も良く、学校の人気者として校内で有名であった。
寂しそうにしているパオリラを見かねて、話し掛けたのだが、パオリラは人生で初めて出来た友人であった。
それ以来、パオリラは学校やプライベートでもコロルーティスとローウェルと常に一緒に過ごすようになり、2人の影響で性格も明るくなり、いじめられる事もなくなった。
パオリラはより強く2人に依存していくようになる。
ある日、コロルーティスとローウェルは、パオリラに校内の美人コンテストに出るよう強く勧める。
パオリラは自分自身を知っている為、自信がなかったが、2人の強い後押しもあり勇気を出して出場する。
すると、見事に優勝を果たし、応援してくれた2人に心から感謝した。
また、そんなパオリラにクリス・リー・スナイダーという恋人が出来る。
親友に恋人と、高校入るまでのパオリラには想像も出来ない幸せな生活が続くが、そんな時、1学年上だったコロルーティスとローウェルが先に高校を卒業する。
もちろん、高校を卒業しても友情関係は続き、その後も3人は仲良く過ごした。
だが、2人が高校を卒業して4ヶ月後、コロルーティスとローウェルが、美人コンテストで自分が優勝出来るよう、友人に頼み回っていた事を知る。
完全な自分の実力ではなかったのだと知ったパオリラはショックを受けるが、何よりショックだったのは2人がそんな根回しをしていた事だった。
幼い頃に培った人を信用出来ない偏屈な性格がそう簡単に変わる事もなく、次第にパオリラは2人に対して憎悪を抱くようになる。
自分と仲良くしていたのは、悲しい自分を憐れんだ為の偽善的行為だと考えるようになり、2人に対する恨みが膨らんでいった。
それは、親友として仲が良かった故、その反動も大きかった。
2003年7月18日夜、パオリラ (当時17歳) とボーイフレンドのスナイダー (21歳) は銃で武装し、ローウェルの家に向かった。
家にはローウェル (当時18歳) の他にローウェルのボーイフレンドのマーカス・レイ・プレセラ (19歳) と、コロルーティス (当時18歳) とマーカスの従兄弟アデルベルト・ニコラス・サンチェス (21歳) がいた。
ローウェルは家に来たパオリラとスナイダーを歓迎し、家の中に招き入れるが、その直後、パオリラとスナイダーは、まずローウェルとマーカスに銃を発砲し、おびただしい銃弾を浴びた2人は即死した。
そして、次にコロルーティスとサンチェスに向けて残りの銃弾全てを浴びせて射殺した。
パオリラとスナイダーは直後に逃走し、警察はすぐに捜査に乗り出すが、犯人を特定する事は出来なかった。
事件は未解決事件として迷宮入りの様相を呈していた。
事件から3年後の2006年7月、匿名の情報が警察に入り、警察はテキサス州サンアントニオで、パオリラを逮捕する。
当時、パオリラは結婚しており、夫ジャスティン・ロットと暮らしていたのだが、2人はヘロイン中毒であった。
逮捕されたパオリラは当初、4人殺害を否定した。
だが、夫ロットがパオリラが以前、4人を殺害した事を言っていたと供述した。
結局、パオリラは当時のボーイフレンド、スナイダーと4人を殺害した事を認めた。
パオリラの供述を得て、警察はスナイダー捜索に乗り出すが、サウスカロライナ州グリーンヴィルで、自殺したスナイダーが発見された。
2008年10月13日、パオリラには4件の殺人で有罪判決が下された。
死刑判決も十分にあり得たが、事件当時、まだ17歳という年齢を考慮され、翌日の14日、パオリラには終身刑が言い渡された。
2009年10月14日、パオリラには終身刑に更に懲役40年が追加されている。
現在、テキサス州の刑務所で服役中のパオリラは、仮釈放の資格を得るのは2046年、60歳になった時である。
∽ 総評 ∽
友人の好意を湾曲して受け止め、殺人に至ったパオリラ。
自身も銃を発砲し殺害したのだが、女性が銃を乱射して複数人射殺するというのは珍しい。
殺害されたコロルーティスとローウェルは、学校で人気があり華やかな高校生活を送っていた。
そんな2人が寂しそうにしているパオリラを見かねて話し掛け、3人は仲良くなった。
2人の行動には偽善というものはなく、純粋にパオリラを想っての行動だ。
確かに人気者で余裕のある2人の行動は、うがった見方をすると、勝者の余裕から来る弱者への施しという上から目線に見えなくもない。
ただ、最初はそうだったかもしれないが、2人はパオリラと真の友人となり、パオリラを裏切ったりしたわけではない。
自分を推薦しておきながら、陰で貶めるような行動をとっていたならば、「裏切られた」と言って復讐するのもわかるが、陰で投票するよう頼んでいたのである。
2人は魅力があるにも関わらず、自信を持てないパオリラに少しでも自信を持って欲しいと思い、そうしたのだ。
感謝されるならまだしも、恨まれる理由は微塵もない。
また、恐ろしいのは4人を殺しておいて、何もなかったかのように結婚し、3年間を過ごしている所である。
新しい恋人と過ごし、結婚する際、パオリラは何を思ったのだろうか?
【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★★★☆☆
・残虐度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
・異常性 ★★★★★★★★☆☆
・特異性 ★★★★★★★★☆☆
・殺人数 4人
《犯行期間:2003年7月18日》
コメント
コメント一覧 (19)
哀しい事件ですね。
見方によると 上から~ もあるかもしれないですが その後(卒業後)も付き合いが在った事を考えると
嘲笑う為では無く、純粋に 主の言うように自信を持って欲しい。や、人生って楽しい事もあるんだよ!貴女は素敵なんだよ!
という、メッセージが込められていると わたしは感じます。
楽しい事を教え?友が居るという安心感を与え。明るくなり、ボーイフレンドが出来るまで 育て上げたと言っても過言では無い2人を…
もし 加害者が どうしてみんなに投票してって言ったの?と疑問を 一言聞いていれば…ここまでの事件は回避できたのでは無いでしょうか。
常日頃思っているのですが。話しって大事。それを再確認するような残念な事件でした。
話しが出来るのは人間の特権なのに。
とても哀しい事件。
追伸
ラテン系が入っているのでしょうか。 写真では フイの表情ですが
充分 キュートな作りの、お顔だと思いました。
恩を最悪の形のアダで返してしまった…(泣)
自分がされたらどう思うのか
もっと他に方法はあったやろうに
アメリカ人の事は良くわかりませんが、映画などで良く見る光景ですよね
幼い時の父の死、そして祖母の死、脱毛症という障害にイジメ…。
同情してしまいそうですが、そういう人はたくさんいます。
友人の裏切り?
いいえ、彼女の思い込みです。事実ではなく妄想にしか過ぎません。
先週、ダウン症の障害を持つ書道家の展示会に行ってきました。彼女は生まれた時から、ダウン症という障害を持っています。
生まれてすぐに敗血症になり、追い討ちをかけるかのように、父が他界してしまいました。しかし、彼女は負けませんでしたよ。
また、世界仰天ニュースで、ダウン症の少女がモデルになり、夢のパリコレに出た。というのを見ました。
女性にとって容姿は大切なものだと思います。
しかし、それと内気になるのは関係ありません。
根本的に彼女は、意志が弱かっただけです。
美女コンテストの前に、リーヴ21に出場していればよかったですね。
本当に悲しい痛ましい事件です。
少しの事で歯車が狂ってしまった。
今でも皆仲良くしていた可能性は充分にあったと思います。
この事件で考えさせられるのは、人間、ちょっとした事で何がどうなるかわならないという事ですね。
確かに良いことをしているつもりでも、それは人によっては受け方は様々ですからね。
ただ、良かれと思ってやった事で悪意はなかったので、悲しいですね。
仰る通りですね。
最初は内向的な性格だったのが、友人のおかけで明るい社交的な性格になれた。
仮に裏切られたとしても、性格を変えられた分の恩はあるなとおもえなかったのでしょうか。
男と武装して、乗り込むくだりは本当に「無い」と思った
もしかしたら根回し以外に、齟齬があったにしても、この行動の飛躍っぷりはやっぱり異常
内面に地雷を抱え込んでいて、それがいつ、どんな形で爆発するのか分からない人間が存在することが何よりおそろしい
殺人犯よりも、この被害者たちがどうやったら地雷を回避できたのだろうかと考えてしまう
最初から下手な親切心を起こさなければ良かったのか。あまりにも……な結論だけど
いつも更新ありがとうございます。
この事件は、世界まる見えテレビ特捜部か何かで見た記憶があります。
良かれと思ってやった親切心が、とんでもないしっぺ返し。
何とも哀れな悲しい事件ですね。
幼少時の生い立ちが影響しているようにも見えますが、親切心も人によって受け取り方は様々です…苛めで心の底が歪んでいたのでしょうか。
似たような経験があるので、やるせない気持ちになりました。
そうなんですよね。
こうなるんでしたら、2人は元々人気もあって順風満帆な学生生活を送っていたので、彼女なんかに関わらなければって発想になってしまいますよね。
ただ、勿論人生の親友となる事も多々あると思うので、基本的には2人の行動は間違えていなかったと思います。
これほど衝撃的事件でしたら、テレビでやってもおかしくないですね。
親切心というのは相手によっては親切どころか鬱陶しく感じる事もあるんだと思います。
ただ、彼女達は昨日今日の間柄ではないはずなのに、所詮は相手を信じようとしない彼女の人間性が全て招いた事件ですね。
自分がクリスティーナと同じ状況だったら、レイチェルとティファニーが
美人コンテストで自分が優勝するよう友人たちに頼んでくれていたと知ったら、「そこまでしてくれていたんだ」と感激し感謝と恩義を感じこそすれ、ネガティブな感情なんて一切湧きませんけどね・・・
レイチェルとティファニーは、華やかな存在だったということで、クリスティーナの中には
この2人が自分を対等な友人と思っていないのではないかという劣等感とパラノイアが、常日頃から、あったのかな
しかしそれにしても→だから殺そう
になる思考回路がそしてそれを実行することが常軌を逸していますね
やっぱり地味な自分と格差のある彼女たちに
劣等感が溜まっていたんじゃないかな〜
常日頃から溜まっていた劣等感が、爆発したのではないかと推測します
しかし何だって、美人コンテストで自分が優勝するよう2人が根回ししていたことが、憎悪につながったのでしょうか?
なぜ、これが、自分を馬鹿にしていた根拠だと思ったのでしょうか?
私にはさっぱり推測することさえできません
影で笑い者にしていたとかならともかく
しかしこの話
美人コンテスト云々といい、まるでアメリカのテレビドラマみたいですね
アントニー・ベークランドの事件と同じく
映画やドラマさながらのドラマチックな話で、読んでいて興奮しました
面白かったです
殺されたレイチェルとティファニーは
本当にお気の毒でした
そうだと思います。
いくら仲良くなっても心の奥底に2人との格差を常に感じていて、その劣等感が爆発したんだと思います。
普通、裏切られたとは感じない事も、劣等感等からうがった捉え方をしてしまったのではないかと思われます。
基本的に人を信用できる人生を送ってこなかった人間の考え方だと思いますが
彼女の心にはいつまでもイジメの痕跡が残っていたのでしょう
まともな人間ならそこから殺人には飛躍しないでしょうけど
いじめられた人の心理というのは相当根深いものがありますからね。
それは一生払拭できるものではないかもしれません。
彼女達は、加害者を心から心配して親友だと思っていたからこそ加害者の為に動いてくれたんですよね。
高校を卒業しても、友情は続いていた訳だし犯人の2人か来た時も歓迎してくれた訳ですし。
加害者が勇気を出して、2人と本音で話していれば生涯の友になれたのに。
そうですね。
間違いなく彼女の為に動いたと思います。
生涯の友になれる可能性があったのにそれが真逆の殺人に至るなんて悲しいし恐ろしいですね。
クリスティも親友に裏切られた(と勘違いした)ショックから、
麻薬に手を出しています。
クリスティが、どの段階で犯行を決意したか分かりませんが、
被害者がクリスティと共犯との交際に反対し、
引き離そうとした事にキレての凶行でした。
日本人から見れば、被害者の行為は親切が過ぎているようにも思えますが、
恩を仇で返されてしまいましたね。
クリスティには、自分を引き立て役に利用した、
厚かましい偽善行為にしか見えなかったのでしょう。
そこに、麻薬の力を借りて殺人を実行したのでしょう。
この犯人は、一人で主体的に人を殺すようなタイプではないと思います。
しかし親友に銃弾の雨を浴びせて惨殺する冷酷さは、
他に劣らないと言えます。
非常に悲しい事件ですよね。
相手の為に良かれと思いやってきた事が最後は殺されるなんて悲し過ぎます。