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バニータ・ジャックス (アメリカ)
【1974 ~ 】



1974年、バニータ・M・ジャックスは、アメリカ・メリーランド州チャールズ郡で生まれた。


バニータは小学6年生の12歳の時、学校を抜け出し家出する。


17歳の時、初めて妊娠し、ブルターニュを生む (父親不詳) 。

その後、バニータは美容師として働くようになり、2人目の子供タチアナを生む (父親不詳) 。


2000年、バニータはナサニエル・フォーグルと出会い、結婚。

フォーグルとの間に2人の娘ヌキアとアジャを生んだ。


2005年、フォーグルと喧嘩をしたバニータは、娘4人と共に家を追い出され、バニータは娘を連れ自身の母親の下に戻り、一緒に住むようになった。

しかし、フォーグルはバニータの母親と一緒に住む事を許さなかった為、バニータは娘4人を連れ母親の家を出て行った。


住む所がないバニータは、2006年8月、ワシントンへ移動し、定住する事なく色々な場所を転々とした (ホームレスシェルターに住んでいた事もあった) 。


2007年2月、フォーグルが死亡し、この頃からバニータの精神は異常をきたしていく。

バニータはフォーグルの葬式には参列せず、娘達にもフォーグルの死を隠した。


2007年3月、バニータは子供たちと隣人の娘を連れ、近所のマクドナルドに行ったことがあった。

この時、隣人の娘は
「バニータの子供たちは髪も綺麗に整えられていた」
と後に証言している。


しかし、それから1ヶ月後、隣人が再びバニータの子供たちに会った時、汚れた白いTシャツにボロボロの帽子を被っていた。

また、バニータはご飯を買うお金が無くなったと隣人に話したこともあった。


2007年3月、ブルターニュがおよそ1ヶ月間、学校を休んでいた。

ブルターニュにはケリーというボーイフレンドがおり、後にケリーは最後にブルターニュに会った時の事を
「少し悲しそうだった」
と証言している。

ケリーはブルターニュの携帯電話にメッセージを残したが、返ってくることはなかった。

ブルターニュのソーシャル・ワーカーであるキャサリーン・ロペスが、ブルターニュの安否を心配し、何度も確認を試みた。


同年4月27日、ロペスは警察に相談し、警官と学校の教師を伴ってバニータの家を訪ねた。

だが、バニータが家の中を確認する事を拒否する。

しかし、ロペスは玄関からリビングで他の2人の子供を確認し、部屋の中が非常に汚かった事を確認する。

ロペスは警察署に電話し、巡査部長のジェイムズ・ラフランチーズと話し、バニータの家を訪ねるよう促す。


同年4月30日、ジェイムズはバニータの家を訪ね、家の前庭でバニータと話をした。

この時、ジェイムズはブルターニュ意外の3人の娘には会ったが、ブルターニュに関しては「見たと思う」という曖昧な報告であった。

また、ジェイムズは子供たちに関して
「綺麗にされていて、健康的に見えた」
とも報告している。


2007年5月、バニータは家の裏庭に家の中から家具を動かし始める。

そして、この頃からバニータは痩せ始め、隣人には

「癌にかかった」

と話し、水とタバコをくれるよう頼んでいる (癌というのはバニータの妄想の可能性が高い) 。

そして、精神的、肉体的、金銭的に追い詰められたバニータは、ついに娘達を1人ずつ処分していく。

最初に殺害されたのは長女ブルターニュ (17歳) で、ブルターニュはバニータによりナイフで刺し殺された。

殺されたブルターニュの死体は庭に捨てられた。

次に殺害されたのは次女のタチアナ (11歳) で、タチアナもブルターニュ同様バニータにナイフで刺され、死体は庭に捨てられた。


同年6月、子供たちの友人であるリチャードソンがバニータの家を訪ね、アジャとヌキアの姿を確認している。

これが、2人の姿が確認された最後であった。

そして、バニータは残った2人の娘ヌキア (6歳) とアジャ (5歳) を次々と殺害する。

2人は姉2人とは違い、バニータに首を絞められて殺害された。

死体は同じく庭に捨てられた。


同年夏、バニータの家の近隣住民が、バニータの家から異臭がする事に気付いたが、当初はネズミや小動物の死体だと思っていた。


2008年1月9日、連邦法執行官によりバニータの家は家宅捜索され、4人の遺体が発見される。

バニータはその場で逮捕された。


2009年7月29日、 裁判でバニータには娘4人の殺害と幼児虐待、第二級謀殺等で有罪判決を受けた。


同年12月18日、バニータには懲役120年が言い渡された。


余談だがこの事件は、何度も子供たちを助ける機会がありながら、助けられなかった事が問題となり、当時のワシントン市長エイドリアン・フェンティは、
「それぞれの機関が、しっかりとした仕事をしなかった」
と苦言を呈している。


最後にバニータが尋問で、何故子供たちを殺害したのか?と問われた際の返答で終わりたいと思います。

「悪魔に取り憑かれた」



∽ 総評 ∽

精神的・肉体的、そして、金銭的にも追い詰められ、娘を殺害してしまったバニータ。

娘の事はもちろん嫌いではなかったろうが、環境とそれによる自身の精神破綻により、バニータは1人ずつ娘を殺害していった。

この1人1人処分していく様は、まるで日本の映画『鬼畜』を彷彿とさせる。

市長の言葉を聞くまでもなく、事件の経緯を見る限り、確かに助けるチャンスはいくらでもあったであろう。

ただ、日本でも言える事だが、「他の人がどうにかしてくれるだろう」という日和見主義的発想と、「あまり深く関わると厄介」という面倒臭さが働くのである。

そういう考えもわからないでもないし、特に日本人はそうだと思うが、何が起ころうが自分の事ではない、結局は他人事なのである。

バニータは尋問で「悪魔に取り憑かれた」と供述しているが、これは嘘だと思われる。

バニータは特に悪魔主義でもないし、成長の過程で悪魔に興味を持っていた節がない。

多分、自らの子供を殺害した理由を何とか見つけたくて、嘘をついたのではないだろうか (ただ、精神的に追い詰められていたので、精神病で聞こえない声が聞こえていたのかもしれないが) 。



【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★★☆☆☆
・残虐度 ★★★★★☆☆☆☆☆
・異常性 ★★★★★★☆☆☆☆
・特異性 ★★★★★★★☆☆☆
・殺人数 4人

《犯行期間:2007年夏》