
ロバート・ハリス (アメリカ)
【1953~1992】
ロバート・アルトン・ハリスは1953年1月15日に生まれた。
酔って帰ってきた父親が、身重の母親である妻のお腹を蹴ったのが原因で、10週間の早産であった。
父親は異常に嫉妬深く、常に他の男との関係で妻をいびっていた。
しかも、父親は重度のアルコール中毒で、常日頃から妻とハリスに暴力をふるった。
母親もアルコール中毒となり、数回逮捕された。
その1回は銀行での盗みであり、ハリスのことを夫の家族虐待のせいにした。
陸軍の准士官だった父親は、自身がそれなりに賢い事をいいことに、物覚えが弱く言語障害もあったハリスに辛く当たった。
ハリス9歳の時、父親は娘を性的に虐待した理由で、アタスカデロ州立病院へ収容された。
その為、家族は社会福祉で生活することになる。
数年後に戻って来た父親は、再び同じ罪を犯し、また、家族は社会福祉で生活した。
このような生活を繰り返した。
ハリスは映画『バンビ』を見て涙を流すような優しい子供だったが、やがて性格が一変する。
ハリス14歳の時、車を盗み、ケンタッキー州の連邦非行少年収容所行きを宣告された。
この収容所でハリスは何度も強姦された。
ハリスは手首を切って自殺しようとした。
一方、逃走を企てた為、4年以上も刑務所の中で過ごした。
刑務所の中では、ハリスは身体を鍛えようと運動にせいを出した。
猫や犬を殺す事に興味を持ち始め、動物を虐待しながら大笑いした。
豚を捕まえて千回以上も刺して殺したこともあった。
ハリスは皮肉な事に、嫌っていた父親のように暴力による表現しかできない人間になっていた。
釈放されて3年後、ハリスは近所の19歳の少年を執拗に殴った。
その傷が原因で少年は死亡する。
ハリスは故殺で起訴された。
1978年7月5日、ハリスは弟と銀行強盗を計画。
2人はカリフォルニア州サンディエゴの『ジャック・イン・ザ・ボックス』というファスト・フードのレストランの駐車場で、銀行強盗に使用する車を盗もうとする。
ホット・ワイヤリング (点火装置の回路の短縮) によって自動車を盗もうとした。
その時、2人の学生がハンバーガーを食べに駐車場に車を入れて来た。
盗もうとした車に手間取ったハリスは、2人の学生の車の所に行き、銃で脅し東に向かうよう指示する。
ミラマー貯水池の近くの峡谷で、ハリスは2人の学生に、これからこの車で銀行強盗をするつもりだと語った。
そして、2人には危害は加えないと約束する。
2人に銃を突き付けたハリスは、車が盗まれたと報告するよう求めた。
同意した2人は、そのまま歩き去ろうとした。
歩き去る1人の背中を躊躇なく撃った。
それから、1人撃たれ逃げたもう1人の学生を追い掛け、4発撃った。
戻って来たハリスは、初めに撃った学生がまだ息があることに気付いた。
ハリスは頭に銃を押しあて撃った。
2人は殺害した学生の車を運転し、ファスト・フードのレストランに戻った。
殺害した2人の学生が注文し、手をつけないままのハンバーガーをハリスの弟が食べ、吐く為にトイレに行く度にハリスは大笑いした。
1時間後、2人はストッキングを被り、サンディエゴ信託貯蓄銀行に押し入り、金を奪った。
たまたま通りがかった人物が2人の車を尾行し、2人が入って行った場所を確認し、警察に通報した。
そして30分後、2人は逮捕された。
ハリスの弟は、共犯証言を行い、懲役6年が宣告され、ハリスには死刑が言い渡された。
死刑執行の日、死刑囚の仲間が、数ドルずつ出し合って小さなパーティを開いた。
囚人仲間はこう語っている。
「あわれな男よ。社会のかすだよ。やつが行く時は、せめておれたちがパーティで送ってやるのさ。やつは命のことを何とも思ってやしない。他人のことも、自分のことさえ何とも思ってない人間なんだ」
1992年、サンクエンティン州立刑務所で、2枚の大きなピザ、フライドチキンのバケツ、そしてアイスクリームが与えられるたハリスは、ガス室でロバートに対する死刑が執行された。
享年39歳。
∽ 総評 ∽
ハリスの姉バーバラは、ハリスの事を
「ロバートは私の母の子供の中でも、もっとも美しい子でした」
「ロバートを見ると胸がチクチク痛むほどでした。愛情に飢えていたのです。身体による触れ合いです。お母さんににじり寄ってその膝や腕に小さな手をこすりつけようとしていました。だけど、触れた事は多分1度もなかったと思います。母はロバートを向こうに押しやったり、時には足で蹴ったりしました。顔を殴ってロバートが鼻血を出したこともあります」
と語っている通り、ハリスは母親の愛情に飢えていた。
ハリスの精神が歪んでしまったのは、明らかに幼少時の父親からの虐待が原因で、同じく虐待されたであろう実の弟も凶悪な性格になってしまった。
物覚えが悪く、言語障害もあったハリスは、コンプレックスも人一倍だったであろう。
ハリスの場合は悲惨な生活、身体的コンプレックスなど、同情の余地も大いにある。
【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★☆☆☆☆☆
・残虐度 ★★★★★★☆☆☆☆
・異常性 ★★★★★★★☆☆☆
・特異性 ★★★★☆☆☆☆☆☆
・殺人数 3人
《犯行期間:1975年、1978年7月5日》
コメント
コメント一覧 (2)
これが通用するなら今ごろ凶悪犯であふれかえっているはずです。
同情するのは全然いいと思いますが、それを刑に反映してはいけません。
死刑は死刑です。