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ルイス・ガラビート (コロンビア)
【1957~ 】



ルイス・アルフレード・ガラビート・クビージョスは1957年、コロンビアのキンディーオ県ヘノバに、7人兄弟の長男として生まれた。


ガラビートの父親は子供達を「躾け」と称して毎日のように虐待し、ガラビートも殴る蹴るの虐待を受けた。


また、ガラビートは少年時代に2人の男に強姦されている。


このような生活の中で、ガラビートは躁鬱病の症状を表すようになり、強い自殺願望の症状にも見舞われた。

そんな鬱症状から逃避する為に、酒に溺れるようになり、結果、重度のアルコール依存症になってしまう。


ガラビートはその後、16歳で家を飛び出し、祈祷カード等の宗教グッズを売る商売を始める。


そして、1992年に入ると、ガラビートは殺人を始める。

標的となったのは8歳から16歳の児童であった。

ガラビートは少年ばかり狙ったのだが、ガラビートが小児愛、同姓愛者になった理由はよくわからない。


行商人として南米各地を放浪し、障害者のふりをしたり、教育機関の名を騙り、各地方の学校に出入りした。

子供たちに小銭やプレゼントを与えて信用させ、ひと気のない場所まで誘い出し、性的暴行を加えた後に喉を切り裂いて殺害。

ほとんどの死体はバラバラに解体し、多くの遺体に拷問された跡が残っていた。


1994年からは殺人の領域を広げ、ヴァラ・デ・カウカで27人の少年を殺害する。


1997年、ペレイラ西部コーヒー園の近くの湿地から、36体の遺体が発見され、事件が明るみとなった。

その他11箇所以上で遺体が発見されたが、当初はカルト教団か何かの仕業だと思われていた。


1999年、ガラビートは12歳の少年に対する暴行未遂で逮捕される。


その後、ガラビートを追及すると、138人の殺害を自供した。

しかし、ガラビートはコロンビアの各地方で172人の児童を殺害した疑いがもたれている。


逮捕時は懲役30年 (コロンビアにおける最大の刑) が課せられるとみられたが、自らの罪を反省し、当局の遺体の発見にも協力したことから、コロンビアの法律上刑期は22年まで軽減された。

しかも、服役中の態度次第で、さらに早期の釈放が予想される。


暴力が半ば日常的となっている治安の悪いコロンビアにおいても、ガラビートの事件は衝撃を与えた。

事件の凶悪性から考えて刑が軽すぎ、終身刑や死刑を適用するべきだと声が上がった。


2011年5月27日、コロンビアの刑務所統括機関は、ガラビートが数日中に釈放される可能性を否定し、最高警備刑務所バジェドゥパールから出ることはないと言明した。

グスタボ・アドルフォ・リカウルテ将軍は、これまでに111件の裁判が終了し、さらに第2段階の拘束の必要性があるとした。
「この先、25年、30年、40年後に自由になることはない」
と話し、新たな殺人での起訴で刑期を上積みし、事実上の終身刑になる可能性が高い。


また、隣国エクアドル政府は、コロンビア政府に対し、ガラビートの自国への身柄引き渡しを要請した。

ガラビートはエクアドルでの殺人についても関与が疑われており、4月29日、エクアドル外務省からボゴタのエクアドル大使館に要請状が発送され、5月17日に正式にコロンビア外務省に渡された。

エクアドル大使ラウル・バジェホからコロンビア外相マリア・アンヘラ・オルギンに手渡され、要請書にはガラビートがエクアドルで犯した犯行の証拠が添付されている。



∽ 総評 ∽

『獣』と呼ばれたガラビートは、138人もの少年を強姦し、殺害した。

ガラビートは1992年~99年のわずか7年で138人殺したが、その余りの犠牲者数から地元メディアではガラビートを「世界最悪の殺人鬼」と呼んでいる。

138というのは、ガラビートが指示した場所から発見された遺骨の数で、実際は推定で172~400人殺害したと見られている。

本人が刑務所内で地図上に記した死体の隠し場所リストでは、その数は300人を超えていた (ただし、確認はとれてない) 。


この138人というのは、確実に殺した数としては近年稀に見る殺害数で、歴代でも10本の指に入る。


コロンビアは、大量殺人鬼の先輩にあたるペドロ・ロペスが以前暗躍し、100人殺したが (確実ではない) ガラビートはそれを上回る殺害数を記録したが、南米ではこのような大量殺人が頻繁に起こっている。

治安が良くないので、容易に殺人が起こっているということもあるが、警察が日常茶飯事に起こる事件全てに対処できず、野放しになっていることも要因に挙げられるだろう。


ガラビートが大量殺人鬼になった理由は、間違いなく幼少時の虐待が原因であるのだが、そもそも何故、幼少時に虐待を受けると、シリアルキラーになり易いのか。

幼少時に虐待を受けて育つと、前頭葉の発達が遅れ、萎縮してしまう事が確認されており、人間性の欠落した人間に育ってしまうのだ。

前頭葉というのは、思考や創造性の形成、生きていくための意欲や、情動に基づく記憶、実行機能などを司っており、脳の中でも最重要機能と言われている。

その為、本件のガラビートを含むシリアルキラーは誕生してしまうのである。



【評価】※個人的見解
・衝撃度 ★★★★★★★★★☆
・残虐度 ★★★★★★☆☆☆☆
・異常性 ★★★★★★★★★☆
・特異性 ★★★★★★★☆☆☆
・殺人数 138人
(本人は300人以上と自供)
《犯行期間:1992年~1999年》