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アルフレッド・オグワング (ウガンダ)
【 1966 ~      】



1994年12月25日午後9時頃、カムウェンゲ警察署に駐在していた警察官アルフレッド・オグワングは、カムウェンゲ・トレーディング・センターで行われたディスコダンスに参加する為に出掛けた。

午後11時頃、ビールを買う為に食堂に入ろうとしたところ、数人の客によってドアが内側から塞がれているのを発見した。

少ししてようやく入れてもらえたが、ジェフリー・ルハラと口論となり、客は全員食堂から追い出された。

ルハラはその事をオグワングに謝罪したが、この事に激怒したオグワングは家に帰った。

怒りが収まらないオグワングは兵舎に戻ると、SMGライフルを手に取り再びカムウェンゲ・トレーディング・センターに向かった。

日付が変わった26日の真夜中に到着したオグワングは、食堂で銃撃を開始した。

まず、恨んでいたルハラを射殺し、続いてジョン・ルタロ、パトリック・クゴンザ、スティーブン・チャンスを射殺した。

銃撃しながらオグワングは、

「お前ら全員殺してやる!」

と叫びながらダンスホールの群衆に向かってライフルを乱射した。

銃撃で発電機が停止し、建物内の照明が消えると、オグワングは発砲を止め逃走した。

この銃撃で上述した4人を含む13人が死亡、14人が負傷した。

同日午前7時頃、オグワングは兵舎でキセンボ警部と会い、何発かの銃声で目が覚めたと話した。

すると、オグワングはキセンボに銃を向ける。

キセンボは抵抗し、しばらく格闘となった後、キセンボはライフルを奪った。

オグワングは軍隊の駐屯地にいる兄弟のもとへ逃げ込むが、翌日に逮捕された。


同年12月、オグワングの精神鑑定が行われ、正常だと判断された。

裁判でオグワングは殺人を否定し、ディスコの入り口で地元防衛部隊の隊員にライフルを渡し、その後、ライフルがどうなったかわからないと話した。

また、その夜は酔っていて何も覚えておらず、翌朝、ディスコで銃撃があったと非難する怒った群衆が兵舎に現れ初めて銃撃を知ったと述べた。

しかし、判事はオグワングの主張を退け、13件の殺人で有罪とし、絞首刑による死刑を言い渡した。


2010年、オグワングは終身刑に減刑されている。



《殺人数》
13人 (他負傷者14人)

《犯行期間》
1994年12月26日



∽ 総評 ∽

人がごった返すダンスホールで銃を乱射したオグワングだが、きっかけがあまりに短絡的過ぎる。

確かにビールを取りに行こうとしてドアを塞がれたら、せっかくの楽しい気持ちが一気に冷めてしまうだろう。

腹立つ気持ちもわかるが、相手は謝っているのである。

しかも、その直接の相手だけではなく、全く関係ない人まで撃っている。

また、そんな犯行を行ったのが警察官というとんでもなさである。

ウガンダの司法についてはほとんど知らないが、1度死刑が下されたのに終身刑に減刑されてしまった。

まるでアメリカの司法のようだが、何故こうも簡単に減刑してしまうのか。

殺された13人の遺族や、負傷した14人の事を考えると無念でしかない。