エドゥアルト・ルイコフ (ベラルーシ)
【 1960 ~ 2014 】
エドゥアルト・エヴゲニエヴィチ・ルイコフは、1960年3月15日、ロシア (当時はソ連) の首都モスクワで生まれた。
ルイコフの初期の人生についてはほとんどわかっていない。
ルイコフと母親はロシアの市民権を放棄するとベラルーシの市民権を取得し、時期は不明だがベラルーシのバラナヴィチという街へ引っ越した。
ルイコフは結婚して2人の子供を生むが、妻や子供とは連絡を取らず疎遠であった。
ルイコフは窃盗、強盗、横領、フーリガン、慰謝料未払いなど様々な罪に問われた。
そして、服役中にヴィクトル・グラッドキー (38歳♂) と出会う。
2002年10月、ルイコフはミンスク州キルシャ村にあるグラッドキーの家を訪ねる。
家にはグラッドキーの母親がおり、しばらく3人で普通に話をしていたが、グラッドキーが自分の人生の素晴らしさを語っている事にルイコフは次第に腹を立て始める。
しばらくしてルイコフとグラッドキーの間に口論が始まり、ルイコフはグラッドキーを殴り蹴った。
そして、木の丸太で更にグラッドキーを殴った。
母親は悲鳴を上げナイフを取り出すと、
「これ以上やったら殺す」
とルイコフを脅した。
しかし、ルイコフは何とか母親からナイフを奪うと何度も刺して殺害した。
母親の体をソファに置き、現場を掃除していると、かろうじて生きていたグラッドキーが何かを言おうとしていた。
ルイコフはグラッドキーを生かしておくと自分が捕まると思い、斧を手に取りグラッドキーの頭を叩き割って殺害した。
すると、グラッドキーの弟ミハイルがこの時酔っており、もしかしたら自分が2人を殺したかもしれないと警察に告白し逮捕された。
ミハイルが逮捕された事でルイコフは罪を免れた (ミハイルは懲役8年が言い渡され後にルイコフが逮捕される1年前の2010年に釈放されている) 。
2004年6月10日、グロドノのアパートでルイコフはガールフレンドの元ルームメイト、F (♂) と口論となる。
ルイコフはナイスを取り出すと、Fの背中を11回以上刺した。
その後、斧で頭を3回以上殴り殺害した。
殺害後、遺体をバラバラにして近くの森に埋めた。
2011年3月19日、ルイコフはホームレスであったが、時々住んでいたアパートで元ガールフレンドのカシュペロワを殺害した。
ルイコフはカシュペロワの頭を金属製のダンベルで少なくとも2回、首の後ろと背中もそれぞれ殴り、最後は首に布を巻いて絞め殺した。
そして、カシュペロワの遺体を浴室に移動させると服を脱がせ、衣服を山に捨てた。
その後、ルイコフはカシュペロワの遺体を置いたまま、約1週間アパートに住んだ。
同年9月18日、ルイコフはグリゴレンコ (♂) の家で喧嘩となり、窓辺に置いてあった金属パイプに気付いたルイコフがそれを取るとグリゴレンコを6回殴って殺害した。
その後、ルイコフはグリゴレンコのポケットにあった150ルーブル (約250円) を盗んだ。
この頃、警察はルイコフをマークしており、しばらく監視を続けた結果、ルイコフは逮捕された。
尋問の際、ルイコフはこれまでの犯行を語り、
「言い争いが上手くいかなかっただけだ」
と説明した。
ルイコフは弁護士を3回も代え、裁判では「非キリスト教徒」を名乗り、犯行時、泥酔状態だった事を理由に死刑を回避しようとするが、ミンスク地方裁判所はルイコフに死刑を言い渡した。
判決を受け、死刑廃止を目指す人権団体が、
「ロシア国籍を持つルイコフを死刑にすべきではない」
と主張し、議論が巻き起こった。
ルイコフは現大統領アレクサンドル・ルカシェンコに慈悲を求めたが却下された。
2014年12月、銃殺による死刑が執行された。
享年54歳。
《殺人数》
5人
《犯行期間》
2002年10月~2011年9月18日
∽ 総評 ∽
ルイコフは元々ロシアで生まれベラルーシへ移住したが、その経緯についてはよくわかっていない。
そもそもルイコフは前半生自体よくわかっておらず、犯罪だけが彼の人生の証明となった。
ルイコフの殺人は快楽や強姦、強盗を目的としたものではなく (殺害後に少量のお金を盗んだり、理由が不明なものもあるが) 、その場の怒りによる突発的なものが多かった。
ベラルーシは「ヨーロッパ最後の独裁者」と称されるルカシェンコが現在も大統領であるが、以前「独裁者」で紹介した通り失言や暴言が目立つ愚かな独裁者である。
ただ、そんなルカシェンコだが、上述した慈悲を拒否するなど犯罪者に対して非常に厳しい。
また、ベラルーシはヨーロッパ圏で数少ないEU非加盟国であり、唯一の死刑存置国である。
その為、ルイコフも処刑されたのだが、2010年代でヨーロッパで死刑が執行されるというのは奇跡に近い。
イギリスも折角EUを離脱したのだから死刑を復活させて欲しいものである。
コメント
コメント一覧 (9)
しかし、だからなに。
殺しを行った国の法律で裁くべきです。
死刑廃止国で行ったならあきらめもつきますが、死刑存置国でそれなりの事件を犯したんだから私はそこの国の法律で落とし前つけさせろと思いますね。
よく出身の国が口を挟む事はありますが、挟むのは仕方ないと思います。
何も言わないと薄情な国だと思われるので。
ただそれ以上は決して口を出してはダメです。
その国で犯罪を犯したのならその国の司法に従うべきです。
偽善も善のうちなどと戯言を抜かす者もいますがとんでもない偽善は悪です。
「弱い犬ほどよく吠える」じゃないですけど、勝手に言わせておけばいいのです。
偽善は偽善です、何も良い事はありませんよ。
処刑方法は銃殺刑、絞首刑だと思われます。
EUを離脱した英国も 中世は死刑大国でしたよ…
英国も死刑を復活させ昔のように死刑大国になって欲しいですね。
(中世は英国、フランス、中国、日本が世界最恐の死刑大国だった)
ルカシェンコが君臨している限り維持されると思いますが、彼はろくでもないですからね。
複雑です。
と私は偽善者に諭したくなりましたね。
そもそも、他国の法律にうんぬんすること自体おこがましい。
偽善者はどこを見て死刑はだめだと思えるのか?
処刑される断末魔を見てか?
非人道的な対応を見てか?
私は死刑は被害者の苦痛などを少しはわからせることができると思うので必要だと思いますが?
それに少しは被害者に謝罪できるし。
その通りですね。
ヨーロッパ諸国は他国の司法に首を突っ込むの好きですからね。
被害者の地獄なような苦しみは本人が亡くなっているので伝わらないですからね。
鬼畜は生きているので伝わりますから。