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ブレンダ・バラティーニ (アルゼンチン)
【 1991 ~      】



2017年11月25日、アルゼンチン・コルドバ州コルドバのヌエバ・コルドバ地区チャカブコ通りにあるアパートで、建築家のブレンダ・バラティーニ (当時26歳) は、ボーイフレンドのセルジオ・アニバル・フェルナンデス (40歳) の陰茎を剪定ばさみで切り取った。

近所の住人がバラティーニの叫び声を聞き警察に通報し、駆けつけた警察官にバラティーニは逮捕された。

バラティーニはフェルナンデスを傷つけた事を認めた。

フェルナンデスはすぐに病院に搬送されるが、陰茎の90%が切断されており重傷であった。

しかし、医師の必死の治療により性器の再建に成功した。

バラティーニは弁護士に

「私は彼を傷つけるつもりだった。私は彼を傷つけたかった。それ以上はない」

と述べ、動機については日頃フェルナンデスに性的に虐待されていた為、性器を切り落としたと話した。

裁判で検察はバラティーニがフェルナンデスの陰茎を切り落とす事を計画しており、その為に事前に剪定ばさみを購入したと主張した。

しかし、弁護士はバラティーニのアパートには庭があり、そもそもはさみを購入したのは1年も前だと述べた。

バラティーニはフェルナンデスの愛情は2ヶ月前にすでに終わっていたと述べた。

だが、バラティーニはグーグルで女性が手足を切断する方法について調べている事が判明する。

また、バラティーニのノートには「メス」「カット」「テープ」「彼の携帯電話」「助けを求める」等と書かれていた。

これらの事を追及されると、弁護士はあくまで性的暴行に対する正当防衛だと主張した。

だが、検察は隣人が通報しいち早く警察官が到着しなかった場合、陰茎だけでは済まず殺していた可能性が高いと主張した。

バラティーニは拘留されている刑務所から、自分はフェルナンデスによる様々な暴力のエピソードの犠牲者であるという内容の手紙を書いた。

しかし、検察はフェルナンデスによる暴力の証拠はないと主張した。

バラティーニは裁判官から最後の言葉を求められると、

「私は正義が欲しい。私は決して殺すつもりなどなかった」

と述べた。


2019年8月26日、男性4人、女性4人で構成された陪審員は、満場一致でバラティーニを有罪判決にする事を決定した。


同年9月25日、バラティーニには懲役13年が言い渡された。

判決を言い渡された時、バラティーニは感情をあらわにし、動揺を隠しきれず狼狽した。



《殺人数》
0人 (1人負傷)

《犯行期間》
2017年11月25日



∽ 総評 ∽

男性の性器を切り落とすというのは古今東西起きている。

日本なら阿部定による犯行が有名だが、大抵が男の浮気などによる怒りと嫉妬からくるものが多い。

ただ、このバラティーニによる犯行は本人曰く、日頃の性的暴力による復讐というものであった。

また、殺すつもりがあったかという事も焦点となったが、本人は否定した。

確かに殺すつもりなら陰茎を切る切らない別として端から殺しそうなものなので、殺意はなかったのかもしれない。

ただ、自分がやられた事を想像すると、あまりの恐ろしさに震えが止まらない。