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イルシャト・クシコフ (ロシア)
【 1962 ~      】



1992年11月、ロシア・サンクトペテルブルクのとある家の地下室で男性の胴体が見つかった。

胴体が見つかった地下室は、誰でも入る事の出来るオープンな場所であった。

その為、警察は犯人を逮捕する事が出来ず、事件は未解決となってしまう。


1995年、ホームレスの男性ミシャ・ボチコフ (37歳) の切断された頭部が発見される。

ボチコフの頭部は共同のゴミ箱に捨てられていたが、切断に使用したナイフも近くで見つかった。


1996年8月下旬、オルガ・ペトロフナが犬の散歩中に切断された頭部を発見する。

その頭部は地元の施設の精神病患者エディク・ヴァシレフスキー (43歳♂) と特定された。

死体を発見したペトロフナは、
「午前7時頃でした。すでにかなり暑かったのを覚えています。瓶を見つけそれに肉片が入っていました。まさかそれが人間のものだと想像も出来ませんでした」
と警察に話している。

また、ヴァシレフスキーがいつも持っていたバッグには人間の骨がいっぱいに入っていた。


1997年2月、ヴァシレフスキー殺害でイルシャト・クシコフという男性が逮捕された。

クシコフは障害年金を受け取る精神病患者であった。

そして、クシコフは1992年の殺人を告白し、胴体だけ見つかった身元不明の男性がサシャ・ピチョンキンである事が判明する。

クシコフは障害年金を受け取るとピチョンキンをアパートに招き、同性愛関係を迫るが拒絶された為、喉を切り裂き殺害した。

殺害後、死体をテーブルに置くと、体を解体し始め、内臓を取り出すと食べた。

死体をバラバラにするとゴミ袋に入れて捨てた。

また、他の2人も同様にアルコールで誘い、解体して内臓を食べた。


同年、クシコフは精神異常と判断され、精神病院での治療を宣告された。

クシコフが収監された病院の医師は、
「1979年以来、私たちのセンターには100人近くの連続殺人犯の基準を満たす人間がいます。1980年代初頭、年間3人から5人程度あったが、今では年に10人は安定しており、その割合は増え続けている」
と述べ、過去10年間で前例がない程、連続殺人犯が増加していると述べた。

しかもその100人近い連続殺人犯の内、12人以上がアンドレイ・チカチーロを代表とするカニバリズムであり、世界のどの国に比べても異常に多いと指摘している。


最後に人食いについて答えたクシコフの発言で終わりたいと思います。

「肝臓が1番です」



《殺人数》
3人

《犯行期間》
1992年11月~1996年8月



∽ 総評 ∽

確かに精神科医が言うようにロシアではカニバリズムの事件が非常に多い。

前述した通り中でもチカチーロが最も有名であろう。

カニバリズムは殺人の中でも特殊で、基本的に食糧として食べるわけではなく快感や快楽の為に食べる。

食べる事で相手を自分の中に取り入れる喜びだったり、単純に殺した相手を食べてる事への喜びだったりと理由は様々である。

クシコフが収監された病院の医師は、シリアルキラーが以前に比べて増えていると言っているが、個人的にはそれほど変わっていないと思う。

ロシアはソ連時代はシリアルキラーという存在を認めておらず、その為、正式な数や存在を把握しているわけがない。

おそらく近年はやっと把握しただけであり、これがロシアのシリアルキラーの実情である。