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マシュー・クッシング (アメリカ)
【 1987 ~      】



2008年2月20日、マシュー・ポール・クッシング (1987年2月2日生) は、アメリカ・メイン州ヨーク郡オールドオーチャードビーチにある両親の自宅へ車で向かった。

家に着くと、弟ジョシュア・ボルダック (15歳) と会い話をした。

実はジョシュアは実の弟ではなく、継父の子供であった。

すると、ジョシュアはクッシングを父親の同性愛者の恋人と比較した。

その事に激怒したクッシングはジョシュアをナイフで刺して殺害した。

母親のキャロル・ボルダック (42歳) が家に戻ると、ジョシュアの遺体を目にする。

キャロルはクッシングに警察に通報すると言うと、クッシングはキャロルの首を絞めた後にナイフで刺して殺害した。

その後、継父のクリストファー・ボルダック (42歳) にスタンガンを使用して動きを封じると、ナイフで刺して殺害する。

3人を殺害後、クッシングは家に火を放ち逃走したが、その際、犬小屋にいた犬も焼死した。


2日後の22日、クッシングは逮捕された。

クッシングは犠牲者の目や顔を繰り返し刺しており、インターネットでどこを刺せば効果的かを調べていた事がわかった。

クッシングの動機だが、母親が継父と別居しており、別居によって自身の生活を支える事が出来ない事への恐れからだとされた。

検察官は継父のクリストファーが同性愛者であり、それが犯行に関係しているのではと述べた。

しかし、裁判ではあまり動機に焦点は当てられなかった。

ただ、家族はクッシングは優しく良心的な性格であり、こんな事件を起した事を信じられないと話し、何が彼を殺人に導いたか理解するのは難しいと語った。

判決前、クリストファーの父親ディックは、
「終身刑は犯罪には当てはまるかもしれないが、個人には当てはまらない」
と述べ、クッシングに対して慈悲を求めた。

クッシングは犯行について裁判官に謝罪し、

「 (3人の犠牲者がそこにいないので今日の世界は最悪の場所です。心の底から申し訳ないと思っています。ごめんなさい」

と述べた。


2009年3月25日、クッシングには仮釈放の可能性がない終身刑が言い渡された。

ヨーク郡のポール・フリッツェ裁判官は、メイン州で仮釈放の可能性がない終身刑を宣告されたのはクッシングが初めてだと述べている。

最後に裁判で述べたクッシングの発言で終わりたいと思います。

「自身を憎む」



《殺人数》
3人

《犯行期間》
2008年2月20日



∽ 総評 ∽

実母と継父、義理の弟を殺害したクッシングだが、いまいち動機がわからない。

一応、両親が別居した事で自身の生活が危うくなった事とされるが (仕送りとか貰っていたのかもしれない) 、それだけでここまでの犯行に至るだろうか。

しかも、射殺ではなくナイフで滅多刺しするという残忍性を考えれば恨みが非常に強いように思える。

検察が言う同性愛というのも義弟が言っている事から何かひっかかる。

また、息子を殺害されたクリストファーの父親が裁判官に慈悲の判決を求めているのも気になる。

まあ動機は何にせよ犯行の残忍性は間違いないので、当然の判決である。

メイン州は1887年に死刑を廃止しており、仮釈放の可能性がない終身刑が最も重い刑罰になる。

このクッシングが初というのは犯罪がそもそも少ないのか、判決をあえて忌避していたのか、おそらく後者だとは思うが。