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スコット・ミンク (アメリカ)
【 1963 ~ 2004 】



2000年9月19日、アメリカ・オハイオ州モンゴメリー郡で、スコット・アンドリュー・ミンク (1963年10月13日生) は、麻薬やアルコールを買いに行こうと車に乗ろうとした。

しかし、車には鍵が掛かっており、ミンクにそれらを買いに行かせない為に両親が鍵を隠していたのだった。

その事に激怒したミンクは、寝室で眠っている父ウィリアム (79歳) と母シーラ (72歳) の頭をクローハンマーで叩き割り、それからまな板で頭蓋骨が粉々になるまで殴った。

最後に包丁で繰り返し刺すと、シーラの首を電気コードで絞めて殺害した。

両親殺害後、ミンクはクレジットカードを盗み、クラックコカインを買う為に家の物を売った。

2人の遺体は家を訪ねた娘によって発見された。


同年9月23日、ミンクは逮捕され、両親の殺害を告白した。

裁判が始まるとミンクは死刑判決を求めた。


2001年6月29日、裁判官は望み通りミンクに死刑を言い渡した。

オハイオ州での法律では、被告の希望とは別に全ての死刑判決に対して自動的に上訴されるようになっていた。


2004年4月、オハイオ州最高裁判所が死刑を支持すると、ミンクは上訴を取り下げた。


同年7月20日、致死量の注射による死刑が執行された。

享年40歳。

ミンクのスペシャル・ミールは、Tボーンステーキ、サワークリームとバターを添えたベイクドポテト、蒸しブロッコリーとカリフラワー、チーズ、玉ねぎ、レタス、トマト、ケチャップ、マスタードが入ったハンバーガー、ペプシ、フライドポテトであった (ブロッコリーだけ残した) 。

また、最後の言葉は

「私に最後の声明を出す機会を与えてくれてありがとう。私は家族と神と和解しました」

であった。



《殺人数
2人

《犯行期間》
2000年9月19日



∽ 総評 ∽

麻薬やアルコールを買いに行こうとした車の鍵を隠された両親を殺害したミンクだが、詳細はないがおそらく日頃から同じ事をやっていたのだろう。

それに嫌気がさした両親が止めさせる為に鍵を隠した事で悲劇が生まれた。

こういった突発的に子供が親を殺害するという事件はこれまでいくつも紹介してきたが、大抵が10代や20代そこそこの若者であり、37歳にもなって一体何をやっているのだと思う。

ただ、そんな鬼畜だが、裁判で争う事を一切せず、死刑を求め素直に執行された。

その事は唯一まともだといえるが、納得いかないのはオハイオ州の法律である。

本人が望む望まない別として死刑判決を受けた被告全員が自動的に上訴されるというシステムだ。

これでは死刑の意味だけではなく判決の意味がなくなってしまう。

一体司法はどこまで犯罪者に甘ければ気が済むのか。