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カールティック・ラジャラム (アメリカ)
【 1963 ~ 2008 



カールティック・ラジャラムは、アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスで、妻サバスリ、3人の子供 (クリシュナ、ガネーシャ、アルジュナ) 、義母インドラ・ラマセシャムと暮らしていた。

ラジャラムはファイナンシャルマネージャーとして働いており、ベンチャーファンドでかつて120万ドル (約1億3000万円) 以上稼いだ実績があった。

しかし、ある日、ラジャラムは職を失ってしまう。

ラジャラムは家族を養う事が出来なくなり経済的に困窮する事を深く考え精神的に追い込まれてしまう。


2008年9月16日、ラジャラムは銃を購入し、2つの遺言書と友人や警察宛に手紙を書いた。


同年10月5日、ラジャラムは妻サバスリ (39歳) 、義母インドラ (69歳) 、3人の子供、クリシュナ (19歳) 、ガネーシャ (12歳) 、アルジュナ (7歳) を順々に撃って射殺すると、最後は自らを撃って自殺した。

サバスリの友人が連絡が取れない事に不審を抱き、家に向かった。

家は静かで朝刊が前庭に置きっ放しであり、家族の2台の車も普通に置いてあった。

友人は警察に連絡し、警察官が到着すると家の中に押し入った。

すると、初めに義母インドラが階下の寝室で死んでいるのを発見する。

妻サバスリ、カリフォルニア大学ビジネス経済学専攻している2年生クリシュナ (ヒンドゥー教の神の1柱) 、ガネーシャ (ヒンドゥー教の神の1柱、象のような姿をしている) 、アルジュナ (ヒンドゥー教の聖典の1つ「マハーバーラタ」に登場する大英雄) は2階にあるそれぞれの寝室で発見された。

そして、最後に銃を手にしたまま死んでいるラジャラムが発見された。

ラジャラム一家はポーターランチの高級なソレント地区にある賃貸住宅に住んでいたが、家主のインド人夫婦とは仲が良く、家賃の支払いも遅れる事はなく問題はなかった。

近所の人や同僚からは「非常に熱心で愛情深い父親」と見られており、とても好かれていた。

ラジャラムは熱心なビジネスマンで、いくつかの金融ベンチャーに関わっていた。

警察宛の手紙には心中した理由について仕事を失った事による経済的困窮を上げているが、多くの現金を持っていたはずであるとラジャラムを知る知人は語った。

ラジャラムは家の売買で50万ポンド (約1億円) 以上稼いでおり、その現金をどのように失ったかわからなかった。

また、ラジャラムは2003年と2004年に経営コンサルティング機関の創業に携わったが「彼の人生は正しい方向に進んでいなかった」として解雇されてしまった。

また、同僚は
「彼はいくつかの問題を抱えており、信頼出来ませんでした。彼は感情的に安定した人ではありませんでした。それはかなり問題であり彼が関わったビジネスにも影響を及ぼしていた」
と語っている。



《殺人数》
5人

《犯行期間》
2008年10月5日



∽ 総評 ∽

家族を全員射殺し最後に自身を撃って自殺したラジャラム。

いわゆる無理心中だが動機は本人が言うには職を失った事による経済的困窮であった。

1番の焦点は心中が家族の考えであったかどうかだが、それは死体の様子を見ればよくわかる。

心中の場合、大抵が家族同じ場所におり見た目にもわかり易いような現場になっている事が多い。

しかし、ラジャラムの場合、それぞれが寝室で撃たれており、おそらくラジャラムによる無理心中だと思われる。

ラジャラムはかつてその才能で巨額の富を得ており、そのお金がどうなったのかわからなかった。

家を買ってはいるが散財していたのかわからない。

人間性に問題があったといえど、賢かった事は事実なので非常に残念ではある。