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ブランドン・バーナード (アメリカ)
【 1980 ~ 2020 】



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クリストファー・バイバル (アメリカ)
【 1979 ~ 2020 】



ブランドン・アンソニー・マイカ・バーナードは、1980年7月3日、アメリカ・テキサス州サンアントニオで生まれた。

父親をケネス・リッチモンド、母親をテルマ・ルイーズといいバーナードは3人兄弟であった。

陸軍看護師であったテルマがアラスカに移住となった為、1982年から1984年11月まで一家はアラスカ州フェアバンクスに住み、その後、テキサス州キリーンに移った。

このキリーンでバーナードは幼少時代の多くを過ごした。

子供の頃、バーナードは喘息に苦しんだ。


1992年、酔っ払ったケネスがテルマの顔をメイスで切りつける事件を起こし、翌年、夫妻は離婚する。


1994年、従兄弟のメルシメオン・ポロックが家族の一員に加わる。

ポロックと生活するようになると、バーナードはポロックと犯罪を犯し始めた。


1995年、バーナードは少年拘置所に収容されると、そこで「212 Piru Bloods」というギャングの一員と出会い、自身もそのメンバーとなる。


1996年、バーナードは就職を試みるが上手くいかず、1997年、17歳にしてキリーン高校に入学した。

学校でのバーナードはそれなりの成績で卒業し、1998年にアメリカ陸軍に入隊を試みるが少年犯罪の犯罪歴の為に拒絶された。


1999年6月21日午後、クリストファー・アンドレ・バイバル、テリー・ブラウン (15歳) 、クリストファー・ルイス (15歳) 、トニー・スパーク (16歳) の4人が、牧師のトッド (26歳♂) とステイシー (28歳♀) のバグリー夫妻に目を付けると、ガソリンスタンドまで乗せてくれるよう頼んだ。

バーナードは逃走ドライバーとして強盗とカージャック後に犯行に加わった。

バグリー夫妻が快く承諾し、4人を車に乗せると、バイバルが夫妻に銃を突きつける。

そして、トランクに押し込むと数時間車を走らせた。

車を走らせている最中、牧師であった夫妻は後部座席の開口部から4人に向かってイエスの心を受け入れるよう諭し、その為には命は惜しくないと述べた。

その後、5人は夫妻のATMカードを使用して現金を引き出し、宝石を盗みステイシーの結婚指輪も盗んだ。

そして、車をベルトン湖のレクリエーションエリアの道路脇につけた。

バグリー夫妻がキリスト教の讃美歌を歌っている間、車内にガソリンを注ぎ、その後、バイバルがトッドとステイシーの頭を撃った。

最後にバーナードが車に火を付け燃やした。

後に夫妻の剖検を行った所、トッドは頭を撃たれて即死していたが、ステイシーは頭を撃たれてもまだ生きており、煙を吸い込んだ事で死亡した事がわかった。

バーナードら5人が逮捕されると、裁判は1年後の2000年から始まった。

犯罪はフォートフッドで行われた為、裁判は州の裁判所ではなく連邦裁判所で行われた。

バーナードは2件の殺人で有罪判決となり死刑が言い渡された。

バイバルにも死刑が言い渡され、他の3人は懲役刑や終身刑をそれぞれ言い渡された。


2020年9月24日午後6時46分、バイバルの死刑が執行された。

バイバルの最後の言葉は

「神がトッドとステイシーの家族の心を探し、優雅さと愛で彼等の心を癒す事を願っています。神よ私は準備が出来ている」

であった。

バイバルの死刑執行は、同年7月に死刑が再開されて以降、連邦刑務所としては7人目であった。

また、連邦政府が犯行時未成年だった者に死刑を執行するのは70年以上振りの事であった。

テンプル大学のジェイソン・チェインは、
「事件の性質は非常に凶悪であるが、科学的な考察に基づいた見解としてはバイバルの脳は成人の脳ではなかったといえる」
とインタビューで語っている。


同年12月10日午後9時27分、バーナードの死刑が執行された。

享年40歳。

バーナードは死刑執行の準備中、バグリー夫妻に対して「ごめんなさい」と呟き、それは「今の自分の気持ちと当時の気持ちを表した言葉」と述べた。

バーナードへの死刑執行は物議を醸し、議論を巻き起こした。

バーナードの死刑が執行されるまでの間、著明な政治家や公人、そして、バーナードに有罪判決を下した陪審員の中で存命中の5人が減刑を求めた。

また、処刑後、カーダシアンとバーニー・サンダース上院議員両名がバーナード処刑について政府を批判した。

ただ、バグリー夫妻の遺族はトランプ大統領が死刑執行を指示した事に対して感謝の意を述べている。


《殺人数》
2人

《犯行期間》
1999年6月21日



∽ 総評 ∽

若者5人で牧師夫妻を強盗目的で拉致し、無惨に惨殺した事件だが、5人の内、犯行時2人が19歳、残る3人は15、6歳という若さであった。

年長の2人は死刑判決だが、残る3人は懲役刑や終身刑であった。

年齢を考慮された可能性もあるが、おそらくバイバルが撃って1人を射殺し、バーナードが火を付けた事で1人を焼死させた直接死に追いやった事が判決に差を生んだものと思われる。

強盗事件はアメリカでは日常茶飯事であり珍しいという事はないが、バーナードとバイバルが連邦刑務所に収容された死刑囚という事で注目を集めた。

トランプ大統領は辞任前に死刑執行をこれまでにない考えられないくらいのペースで行っており、その事に国内外から批判や非難を受けている。

病気や殺害されたわけでもないのに1期で去るという不名誉を飾る最後にやけになっての行動なのか本人ではないのでわからないが、死刑執行は当然でありその事に批判する意味がわからない。

遺族は執行についてトランプ大統領に感謝を述べており、それだけで十分な答えである。

全く関係のない第三者がごちゃごちゃ何を言っているのだと思う。