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ブルース・リンダール (アメリカ)
【 1953 ~ 1981 】



ブルース・エベリット・リンダールは、1953年1月29日、アメリカ・イリノイ州セントチャールズで生まれた。

父親をジェローム、母親をアーリーンといい、リンダールは4人兄弟であった。

リンダールは大学に通い、1970年代半ばには電気機械の学位を取得し卒業した。

その後、リンダールは数年間電気技師として働き、ケインビルのミッドバレー職業訓練センターで更に勉学に励んだ。

リンダールはパラシュートやラケットボールを好み、休みの日によく行った。

リンダールは何にでもすぐに興味を抱き、時には他人に対して攻撃的な行動をみせた。

ただ、友人や知人はリンダールについては好意的な意見が多かった。

リンダールは1974年以降、軽微な犯罪を犯し、何度も逮捕されたが、毎回、裁判所はリンダールに罰金を与えるだけだった。


1976年12月にはマリファナ所持で逮捕されるが、麻薬中毒者のようには見えなかったという。

リンダールは何度も住居を変更し、イリノイ州シカゴや郊外に住んだ。


1978年、リンダールはイリノイ州オーロラに住み、1979年3月6日、マリファナを売るという口実でアネット・ラザール (20歳♀) をオーロラの家に誘った。

リンダールは銃でラザールを脅し強姦した。

リンダールはラザールに親密な関係を続ける事に同意させ解放するが、ラザールはすぐに警察に連絡した。

だが、ラザールは麻薬中毒者であり、しかも強姦した場所はリンダールの親友である警察官デイブ・トーレスの家であった為、ラザールの証言は破棄され、リンダールは起訴される事はなかった。


1980年6月23日、リンダールはオーロラのショッピングセンターの駐車場で、デブラ・コリアンダー (25歳♀) を誘拐する。

リンダールは自宅のアパートへコリアンダーを連れ込み、強姦した後、解放した。

コリアンダーはすぐに警察に通報し、リンダールは逮捕された。

リンダールは起訴されるが、保釈金を支払い釈放された。


同年10月7日、コリアンダーは仕事を辞めた後、行方不明となった為、1981年から行われる予定であった裁判は行われず、その後、リンダールへの全ての起訴が取り下げられた。


同年12月22日、オーロラ北部でリンダールはお金で女性 (30歳) に性行為を求めた。

しかし、女性が拒絶した為、腹を立てたリンダールが女性に暴行を加えた。

目撃者が数人いた為、リンダールは被害者をそのまま放置しその場を離れた。

女性はすぐに警察に連絡し、警察は女性に犯罪者の写真を何枚も見せるが、その中にリンダールがなかった為、女性は代わりに似たような外見の男を選んだ。


1981年1月28日、リンダールは他人の電話を不法に盗聴して録音し、強要した罪で有罪判決を受ける。

警察官がリンダールを拘留しようとした時、銃を向けた警察官を攻撃した。

逮捕後、武器の不法所持、警察官への暴行の罪で起訴されたが、再び保釈され予備調査中は特に何もなく自由の身であった。

リンダールは警察に連行される際、車を運転していた。

警察官が車を止めると、車内には意識不明の女性が頭から血を流しているのを発見する。

警察官は女性に何をしたのかリンダールに尋ねると、これから病院に連れて行く所だと話した。

救急車が女性を病院に連れて行き、検査を行うと女性が強姦されている事が判明する。

女性はリンダールとパーティーに行き、飲み物を一口飲んだ後の記憶がないと話した。

その為、リンダールが起訴される事はなかった。


同年4月4日、ネイパービルのショッピングとエンターテイメント地区で、リンダールはチャールズ・フーバー (18歳♂) と出会う。

リンダールはフーバーとボウリングを一緒にプレイした後、ガールフレンドの家に行って一緒にアルコールを飲もうと提案した。

フーバーは同意し、その日の夜、アパートに到着すると、リンダールはナイフでフーバーに襲い掛かり、合計28回刺した。

瀕死で意識が朦朧とする中、フーバーも必死に抵抗し、リンダールの太腿を刺して大腿動脈を切り裂いた。

フーバーは息絶えるが、リンダールも大量出血し、フーバーの遺体のすぐ横で数分以内に死亡した。

リンダールの死後、被害者の1人が当局に連絡し、警察は犯人をリンダールと特定した。

そして、アパートを調べると、1979年11月5日に行方不明となっていたデボラ・マッコール (16歳♀) を含むいくつかの写真が見つかり、リンダールの余罪が次々と発覚する (マッコールの遺体は現在まで見つかっていない) 。

フラン (姓は非公表) という16歳の少女もアパートで強姦された事がわかり、また、リンダールに強姦された後、1980年10月7日から行方不明となっていたコリアンダーの半分解体された遺体が見つかり、裁判の中止させる為にリンダールによって殺害されたと推測された。

また、1976年1月に殺害されたパメラ・マウラー (16歳♀) は、強姦され体内に残されたDNAを調べると、リンダールの親戚の1人と一致する。


2019年、リンダールの死体が掘り起こされ、DNAが採取された。


2020年、マウラー殺害がリンダールによるものだと正式に断定された。

シカゴ警察は他に1974年から1981年の間にシカゴ近郊で発生した12件の殺人と、9件の強姦事件にリンダールが関与している可能性があるとして現在も調査は続いている (尚、前述の期間中に同地域では70人以上もの少女や女性が殺害され未解決となっている) 。



《殺人数》
4人 (12人以上の可能性あり)

《犯行期間》
1976年1月~1981年4月4日



∽ 総評 ∽

襲った犠牲者の逆襲に遭い、相手を殺害したが自らも負傷し死亡したリンダール。

襲った相手の逆襲に遭う犯罪者も少なくないが、大抵が情けなく逃げ去るものだが、こういった相討ちというのは非常に珍しい。

被害者も死亡してしまっているので純粋に手を叩いて喜べる事ではないが、ただ殺されるよりは一矢報いた形となり本人にとってもまだ良かったであろう。

リンダールも多くのシリアルキラー同様、アメリカ恒例の後に犯行の数々が明るみになった。

ただ、まだ多くの容疑がかかるリンダールだが、本人はすでに死んでいるので証言は何も得る事が出来ず、今後未解決事件をリンダールと結び付けるのは正直難しいだろう。

リンダールは20歳を過ぎた頃から犯罪を始めたが、それまでは特に問題を起こすような感じではなかった。

何がそうさせたのかはわからないが、何かきっかけがあったのかもしれない。


* 追伸 *

明日から月末までの1週間、夫婦やカップルによる犯行を掲載していきたいと思います。