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イレーナ・ベッカー (ドイツ)
【 1952 ~      】



イレーナ・ベッカーは、1952年、ドイツ (東ドイツ) の首都ベルリン・ヘルムスドルフで生まれた。

ベッカーはベルリンにあるヨーロッパ最大の病院、シャリテー病院の心臓病棟の集中治療室で看護師として35年以上働くベテランであった。

ベッカーの勤務態度は良好であり、有能で従順であった。


2006年10月4日、ベッカーは逮捕される。

ベッカーは2005年6月から2006年10月までに勤務する心臓病棟で患者を少なくとも6人以上殺害した。

ベッカーは患者に対して最善を尽くしているように見せ、過剰に降圧薬や鎮痛薬を注射して殺害した。

ただ、重傷となるだけで助かった者も多くいた。

同僚の看護師が病院のゴミ箱から捨てられたアンプルを見つけ、その後、心臓病棟での高い死亡率について調べ始めた。

そこで、ベッカーが担当した患者の重傷率や死亡率が高い事がわかり逮捕に至ったのだった。

ベッカーは4人の殺害を告白した。

だが、重病で死にそうな患者が痛みを和らげて欲しいと望んだ為、投与したと話した。

ただ、ベッカーは神を演じたかったとも供述した。

ただ、標的については特に決めてなく、気まぐれで選んでいた。

警察はベッカーに関連した患者15人の死亡について調査し、確実な6人と2人への殺害未遂で起訴した。


2007年4月、ベッカーの裁判が始まり、同年6月29日、起訴された8件中5件の殺人で有罪判決となり、終身刑が言い渡された。

弁護側は控訴し、連邦司法裁判所は有罪判決を3人の殺人と2人の過失致死に変更となったが判決は変わらなかった。

余談だがベッカーは2021年10月で刑期を務めて15年となり、仮釈放される可能性が出てくる。


最後に殺人について語ったベッカーの発言で終わりたいと思います。

「私は彼らの望み通りに行動しました」



《殺人数》
6人以上 (8人の可能性あり)

《犯行期間》
2005年6月~2006年10月



∽ 総評 ∽

『Sister Death (シスター・デス) 』または『The Angel of Death from Charite (シャリテーからの死の天使) 』と呼ばれ、少なくとも6人の患者を殺害したベッカー。

ベッカーは患者を楽にして上げたかったというこの手の『死の天使』の殺人鬼でありがちな動機である。

ただ、ベッカーは30年以上、看護師として働き続け、犯行を始めたのも50を過ぎてからだった。

その前からやっていたのかもしれないが、おそらくやってなかったと思われる。

何がきっかけがあったのか詳細がなくわからないが、そもそもベッカーの人生について詳細がわからない。

ただ、医療の最高峰ドイツで、しかもヨーロッパ最大の病院で心臓病棟に勤めるというのはベッカーが看護師としてかなり優秀だったのは間違いない。