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ホセ・パズ・ベゼラ (ブラジル)
【 1945 ~      】



ホセ・パズ・ベゼラは、1945年12月12日、ブラジル・パライバ州アラゴア・ノヴァで生まれた。

父親はハンセン病に苦しんだ為、家でベゼラが父親の面倒を看た。

父親の病気もあり家は貧困に苦しみ、母親は家計の為に売春を始めた。

母親は家に男性を連れ込み、行為をベゼラに見せつけた。

この事をベゼラは終生忘れず、強い憎しみを抱いた。

後にベゼラと妹、母親の3人はリオデジャネイロに移住し (詳細はないが父親が死亡した為移住したと思われる) 、スラム街で生活を送る事となった。

そこでベゼラの母親は新しいパートナーを見つける。

その男性はバイセクシャルで、母親の売春を容認した。

ベゼラ10歳の時、家を逃げ出し、リオデジャネイロ市内でホームレスとして生活を始めた。

成長すると弾薬の販売を行うようになり、18歳になるまで軽微な罪を繰り返し矯正施設を何度も出入りした。

その後、ブラジル軍に加わるが窃盗を犯し告発される。

釈放後、サンパウロへ移動するが、1960年代終わりまで姿をくらました。


1970年7月16日夜、教師のイオランダ・パチェコ (36歳♀) が通りでタクシーに電話を掛けた。

すると、車に乗ったベゼラがタクシーを装い現れ、目的地のモルンビに連れて行くと約束する。

パチェコは車に乗り発進するが、不安になったパチェコは車のドアを開け、動いている車から飛び降りた。

パチェコは負傷したものの助かり、証言をもとに犯人のスケッチが作成されたか、警察は同年10月まで犯人を特定出来なかった。


同年7月19日、モルンビで半裸の女性の遺体が発見される。

女性は腕と脚を自身のブラジャーとナイロン製のストッキングで縛られ、また、首にも痕があり絞殺されていた事を示していた。

女性の顔はあざだらけで人物を特定出来なかった。

そして、女性の調査を行っている最中に別の女性の遺体も発見される。

2人目の女性も最初の女性と同じ状態で見つかった。

その後、犯罪捜査機関が指紋から2人を特定し、最初の女性がニルザ・カルボソ (23歳) 、2人目の女性がワンダ・ペレイラ・ダ・シルヴァ (27歳) であった。

同日、空き地でクレオニス・サントス (23歳♀) の遺体が発見された。


同年7月20日、サン・ベルナルド・ド・カンポの空き地で、アナ・ローザ・ドス・サントス (47歳♀) の遺体が見つかった。


同年7月25日、ブタンタンで電話オペレーターのビルマ・ネーグリ (35歳♀) の遺体が発見される。

警察当局が注目したのは、犯行は常に同じ方法で殺害し、空き地に死体を遺棄した事だった。

また、足と手を衣服で縛り、半裸や裸にされ猿轡を填められていた。

死因も全員が絞殺で、強姦されていた。

報道機関は事件を大々的に報道し、犯人を『The São Paulo Strangler (サンパウロの絞殺魔) 』または『The Morumbi Monster (モルンビの怪物) 』と呼び、1950年代初頭にサンパウロのグアナアナスで18人を強姦し8人を殺害した『The Guaianases Monster (グアナアナスの怪物) 』の事件を引き合いに出した。


同年10月7日、イタムビビにある豪邸で盗難事件が起こる。

豪邸の執事が宝石を盗んで姿を消したのだが、豪邸のメイド、アパレーダ・オリヴェイラが警察の尋問を受ける。

オリヴェイラは尋問中に『The Morumbi Monster』がベゼラである事を警察に告白した。


警察はサンパウロとリオデジャネイロで捜査を行い、同年10月14日、ベゼラがサンパウロの5人女性の強姦と殺人の犯人をベゼラだと断定した。

オリヴェイラは1969年10月にベゼラが住む家の近所に住んでいた。

この頃、1969年10月7日にセニラ・キャモリン (44歳♀) が、1969年10月18日にアルジラ・モンテネグロ (40歳♀) が殺害されており、未解決事件となっていた。

この2件の犯行もベゼラによるものだとわかった。

ベゼラは母親と妹と住んでいたが、グアナバラに逃げ姿を消した。

警察はサンパウロ、グアナバラ、ペルナンブコ、セアラー、パライバ等を捜索するが、ベゼラを見つける事は出来なかった。


同年11月、ベゼラはベレンに到着するが、途中で殺虫剤を手に入れる。


同年12月23日、ノヴァ・マランバイアにあるラジオ局の敷地内で、教師のマリア・テレサ・マルヴァン (44歳♀) の遺体が発見される。

また、マルヴァンが見つかった同じ場所の井戸で女性 (身元はわからなかった) の遺体が見つかった。


1971年9月27日、エストラーダ・デ・ベンフィカで、アニバリーナ・マーティンズ () の遺体が発見される。


この3人の殺害は殺虫剤で行われ、他に2人がベゼラに拉致されたが、1人は自力で脱出し、もう1人は同年11月9日、ベゼラが逮捕された時に保護された。

ベゼラはベレンドパラで逮捕されたのだが「ジルベルト・ホセ・オリヴェイラ」という偽名を名乗っていた。

逮捕されたベゼラは自殺を試みるが未遂に終わった。

ベレンは1966年から1971年の間に24人の女性を強姦し殺害した事を認めた。

ベゼラは子供の頃、母親が売春で性行為を見せつけられた事がトラウマとなり、憎しみから母親と似た女性を探して殺害したと推測された。

裁判でベゼラは7人の殺害で有罪判決となり、懲役100年以上が言い渡された。


2001年11月、ベゼラは30年服役した後、仮釈放されている。



《殺人数》
24人

《犯行期間》
1966年~1971年



∽ 総評 ∽

『The São Paulo Strangler』または『The Morumbi Monster』と呼ばれ、24人の女性を強姦し殺害したベゼラ。

ベゼラの殺害動機は、母親が売春で男を連れ込み、行為を見せつけられた事で母親を憎んだ事とされる。

確かに母親の性行為は見たくないし、しかも相手がコロコロと変わって見せられるというのはトラウマになっても仕方ないだろう。

ベゼラは1966年から24人の女性を殺害したが、その全てが判明しているわけではなかった。

ベゼラは懲役100年以上が言い渡されたが30年刑期を務めた後、釈放された。

現在の様子は不明だが、生きていれば70代半ばとなっている。

スペイン司法は「連続で30年刑務所に収監するのは違法」となっているが、それなのに終身刑が存在する。

おそらくブラジルの司法も同様だと思われるが、どういう理屈なのか私には全く理解出来なし理解したくもない。