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エルモ・ノックス (アメリカ)
【 1902 ~ 1934 



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ウィニフレッド・ピアス (アメリカ)
【 1916 ~ 1934 】



エルモ・ジェームズ・ノックスは、1902年1月8日、アメリカ・ユタ州スプリングビルで生まれた。

父をジョン、母をアミラといい、エルモは末っ子であった。

エルモは1920年から1922年まで兄ロバートと共にアメリカ海軍に勤務した。


1923年7月28日、エルモはメアリー・イザベル・ヘイフォードと結婚する。

ヘイフォードは再婚で、前夫とはローランド・バーニンガム・セジウィックとノーマ・セジウィックという2人の子供がいた。

また、夫妻にはデウィラ (1924年5月2日生) とコーデリア (1926年6月2日生) という2人の娘が生まれた。


1932年7月10日、ユタ州ソルトレイクシティの自宅で、ヘイフォードは自己誘発による流産の後、敗血症を起こし死亡してしまう。

エルモはノーマ、デウィラ、コーデリア3人の娘を連れ、カリフォルニア州ローズビルに引っ越した (ローランドについては不明) 。


ウィニフレッド・ピアスは、1916年9月1日、ユタ州ビンガム・キャニオンで生まれた。

父をヒュー・ピアス、母をパール・ノックスといい、パールはエルモの姉であった。

ウィニフレッドは家族と共にカリフォルニア州ローズビルに引っ越し、そこの高校に通った。

その後、18歳の時に叔父エルモの家で家政婦として働き始めた。


1934年9月、エルモは子供達を生命保険に加入させた。

ただ、自身の生命保険を含む (元々エルモの生命保険の受益者は子供達になっていた) 子供達の生命保険の受益者を姉妹のピアース夫人に変更した。


同年10月31日、エルモは青いセダンを購入した。


同年11月11日、エルモはウィニフレッドと3人の娘を連れ家には2週間分の給与 (50ドル) を残して家を出た (この時エルモは給料の良い仕事を辞めていた) 。


同年11月18日、一家はペンシルベニア州フィラデルフィアの食堂で食事を摂った。


同年11月23日、エルモは眼鏡を売ろうとするが失敗した為、ウィニフレッドがコートを売った。

その後、0.22インチ口径用ライフルを購入した。


同年11月24日、ペンシルベニア州カーライル近くのパイングローブファーネスパークの森林地帯でノーマ、デウィラ、コーデリアの遺体が発見された。

遺体は毛布で包まれており、死因は外的要因による窒息だと断定された。

少女たちの遺体が発見されると、メディアは大々的に報じ、全米の注目を大いに集めた。

また、少女たちの並んだ遺体の写真が新聞に掲載されると、何千という人が遺体の確認の為に現地を訪れた (この時点では誰なのか判明していなかった) 。


翌日の25日、ペンシルベニア州ダンカンズビルの鉄道駅近くで、エルモとウィニフレッドの遺体が発見された。

ウィニフレッドは乳房を露出した状態で心臓と頭を撃たれており、エルモは頭に銃創が見つかった。

検死を行うと、エルモとウィニフレッドの銃創は23日に購入したライフルである事がわかった。

3人の少女の遺体の身元が判明し、また、調査を進めるとエルモが娘3人の首を絞め、その後、ウィニフレッドを撃ち、最後に自身を撃った事が判明した。

事件は子供達を殺害したエルモの自殺で幕を下ろしたが、動機が判明せず様々な憶測が飛び交った。

初期の憶測としては、ノーマの頭部に神秘的なシンボルが見つかった事から、カルト的な儀式による殺害だと推測された。

だが、専門家は頭のシンボルは殺害の際についたものだと考え、その説を否定した。

また、子供達への愛情の欠落も唱えられたが、生前のエルモの評判は良く、非暴力的で子煩悩である事で知られていた。

ウィニフレッドも家では子供達の面倒をよくみていた事も周囲には知られていた。

以前に購入した車が捨てられており、エルモとウィニフレッドをヒッチハイクした証言者が現れた事で、自動車の排気ガスを吸って誤って子供達を殺してしまった為、責任を負う事を恐れて自殺したとも思われた。

エルモの家を調べると、多くの私物が残されており、慌てて出発したと推測された。

その為、家族が何者かによって追われていたと言う人もいた。

他の説では仕事を辞め金銭的な問題により、子供達を飢えさせる事への恐れ、エルモが精神的に病気であったとも囁かれた。

更にエルモとウィニフレッドがロマンチックな関係があったのではとも噂された。

兄ロバートはメディアに対し、
「エルモは家族と何年もトラブルがあった。それが去った理由だと思う」
と話し、更に
「ピアス家も問題があり、夫婦は仲が良くなかった」
と続けた。



《殺人数》
4人

《犯行期間》
1934年11月24日~同年11月25日



∽ 総評 ∽

『Babes in the Woods (森の中の女の子達) 』と呼ばれた3人の少女は実の父親に殺害された。

この事件は現代でも謎多き事件として語り継がれている。

確かに動機が全くわからない。

動機不明な事件は世界各国どこにでも存在するが、その中でも異質な事件である。

その為、現在まで多くの考察がされている。

保険金目当てなら自分が死ぬのもおかしいし、そもそも子供の保険金の受取人を妹にはしないだろう。

また、普段のエルモは周囲には好人物として知られており、とてもこんな事を行うと思えなかった (ただ表面上だけ良い人物だった可能性もあるが) 。

エルモとウィニフレッドが付き合っていたという憶測もあるが、だとしてもそれと子供達殺害がどう結び付くのか謎である (自分達の関係が発覚するのを恐れて犯行に及んだのかもしれないが) 。

やはり仕事やお金がなくなった事で追い詰められた事がそうさせたのだろうか。

もしくは混沌とした世界情勢に対する将来への不安がこういった行動に走らせたのかもしれない。