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ミカエラ・ローダー (ドイツ)
【 1958 ~      】



1986年3月14日、ドイツ・ヴッパータールにあるヴッパータール・セントピーターズ病院で看護師として働くミカエラ・ローダーが逮捕される。

容疑は病院の患者に対する殺人であった。

ローダーは1984年2月6日から1986年2月5日までの2年間で17人の患者を殺害しとされた。

ローダーは回復の見込みのない高齢患者を苦しみから救うために殺害したと述べた。

殺害には高血圧に使用される薬カタプレサンを使った。

犠牲者17人の内、14人が70歳以上で、3人が53歳以上であった。

ただ、ローダーは8人は故意に殺害したが、9人は間違って殺害してしまったと述べた。

また、8人の内、殺害を要求されたのは1人で、他の7人はローダーが勝手に苦しみから解放してあげたいと思っただけだった。

裁判が始まると、検察官は
「彼女は自身の優越感を満たす為に犯行に及んだ生と死の支配者」
とローダーの事を述べた。

また、ローダーは同僚の上司と性的関係を持っていたとされ、その関係が少なくとも犯行に影響したのではと推測された。

検察は終身刑を求刑した。

裁判所がローダーの犯行動機について病気に苦しむ患者への同情だと決定すると、傍聴席から非難が起こった。

結局、ローダーは殺人ではなく6件の過失致死罪で有罪判決となった。


1989年9月11日、ローダーには禁錮11年が言い渡された。



《殺人数》
17人

《犯行期間》
1984年2月6日~1986年2月5日



∽ 総評 ∽

ローダーは「苦しむ患者を救うため」に薬を過剰に投与したと述べた。

ただ「死の天使」にはこの動機がもっとも多い。

人間の生死を握り神になったと錯覚でもするのだろうか。

ローダーはどのような人生を送ってきたのか詳細がなくわからない。

おそらくどこかで犯行に及ぶきっかけがあったはずである。

上司との性的関係が影響を与えたともいわれるが、実際はわからない。

ただ、そんなローダーは殺人ではなく過失致死で裁かれ、たった11年の禁錮刑であった。

現在のローダーについてはわからないが、とっくに刑務所から出て来ており、再び犯罪を行っていないか心配でならない。