アレクサンダー・ソロニック (ロシア)
【 1960 ~ 1997 】
アレクサンダー・ヴィクトロヴィッチ・ソロニックは、1960年10月16日、ロシア (ソ連) ・クルガンで生まれた。
子供の頃、ソロニックは格闘技や銃器に興味を示し没頭した。
学校を卒業するとソ連軍に徴兵となり (現在もロシアは徴兵制度が存在する) 、戦車連隊に配属された。
徴兵が終了した後、OMON警察 (特殊部隊) を目指し、ゴルコフスキー研究所で訓練を受けた。
だが、6ヶ月後、暴力事件を起こし追放されてしまう。
ソロニックは地元に戻り、墓掘りの仕事に就いた。
クルガンに戻って間もなく結婚し、娘が生まれるが、ほどなくして離婚した。
その後、別の女性と再婚するが、1987年に強姦で逮捕され、懲役8年が言い渡された。
刑務所に入る前日、妻と送別会を行っている最中、建物の2階から飛び降りて逃げ出した。
数ヶ月逃げ続けたソロニックだったが、クルガンから120マイル (約190km) 離れた場所で逮捕され、刑務所に収監された。
刑務所に収監されたソロニックだが、以前、警察になるべく訓練していた事が他の囚人に知れると「殺す」と脅され死の印を付けられた。
2年後、ソロニックは脱獄し、クルガンに戻ると犯罪組織に所属する。
そして、ソロニックは殺し屋として組織に尽力する。
1990年、チュメニでライバル組織のリーダーを殺害する。
これがソロニックにとって始めての標的であった。
その後、メンバーと共に首都モスクワへ赴いた。
1992年、ギャングのヴィクター・ニキフォロフ (♂) を殺害し、6ヶ月後、マフィアのボス、ヴァレリー・ドルガーツィ (♂) を殺害した。
ドルガーツィはナイトクラブでボディーガードに守られていたにも拘わらず、ソロニックに射殺された。
1994年、ソロニックはドルガーツィの後任となったウラジスラフ・ヴィンナー (♂) も殺害する。
同年、ソロニックはとあるギャングの1人に恐喝される。
相手は殺されたくなければ金を渡せと脅した。
ソロニックは脅してきた相手をロシアで最も凶悪とされたギャングの1人、オタリ・クヴァントリシュビリ (♂) だと特定する。
ソロニックは逆にクヴァントリシュビリを脅迫して金品を奪おうとするが叶わなかった為、数週間後、殺害した (しかし2008年にクヴァントリシュビリを殺害したとして別の人物が逮捕されている) 。
この頃、ソロニックのヒットマンとしての悪名は裏社会で轟いていた。
警察はソロニックを捕まえる為に躍起となり、モスクワの市場で仲間と飲んでいる所を拘束した。
だが、身体検査を徹底しなかった為、ソロニックはレインコートの下に隠していた小型の自動小銃を取り出した。
そして、3人の警察官に向かって発砲し、ひるんだ所を殴り逃走した。
ソロニックは更に2人の警察官を撃ったが、自身も撃たれて負傷した。
その後も逃げ続けるが最終的に警察官に取り押さえられた。
モスクワにある刑務所に移送されたソロニックは、刑務所内の病院で腎臓まで到達していた弾丸を取り除く手術が行われた。
1995年、ソロニックは刑務所長が裏ではギャングのスパイであるという情報を入手し、情報をもとに脅して銃と登山道具を入手する。
それらを使用して脱獄に成功した。
そして、ソロニックは追跡を少しでも遅らせる為にマネキンをベッドの毛布の下に置き、登山道具を使って刑務所の屋根から懸垂下降した。
ただ、脱獄を許したものの、警察はそれほど焦ってはいなかった。
それはソロニックの顔や容姿がすでに一般市民に広く知れ渡っていた為、隠れる事は難しくすぐ捕まえる事が出来ると考えていた。
だが、警察の思惑とは裏腹にソロニックを捕まえる事がなかなか出来なかった。
ソロニックは偽造パスポートを使用してギリシャへ逃げ、ギリシャで麻薬密輸や契約殺人を請け負う約50人の構成員から成る組織を設立する。
巨万の富を得たソロニックは首都アテネ郊外に別荘をいつくか購入した。
ソロニックの評判は一般大衆にとってもはや伝説的な存在にまで高まっていた。
ソロニックはロシアの最も重要な10大指名手配犯のリストに掲載された。
1997年2月、ギリシャの新聞がアテネから15マイル (約24km) 離れた場所で男性の遺体が見つかったと掲載した。
遺体は首を絞められており、身分証明書を持っていなかったが遺体はソロニックと特定された。
ソロニックは1月31日に殺害されたと推測され、殺害される前にイタリアで殺人の依頼があった事が判明した。
《殺人数》
5人以上
《犯行期間》
1990年~1997年1月
∽ 総評 ∽
『The Macedonian Superkiller (マケドニアのスーパーキラー) 』と呼ばれ、ヒットマンとして数多くを葬ったソロニック。
ソロニックによる正確な殺害数は不明であるが、悪名高いギャングのリーダーを何人も暗殺している所を見ると、かなり優秀なヒットマンだったといえる。
一般人に全く危害を加えないのなら、ギャングを葬ってくれる素晴らしい存在といえる。
最後は誰にどのように殺害されたのかわからないが、おそらく同じようなギャングのヒットマンに殺害されたのだろう。
ソロニックはある種伝説化した存在になっているが、殺された事でよりそれが強調されてしまっているように思う。
コメント
コメント一覧 (16)
ヤクザの大物を5人以上葬っているくらいだから相当優秀な暗殺者だったのでしょう。
ただ、最期が非常に詰めが甘い
高跳び先のギリシャではある程度成功していますが、巨万の富と名声を得たことで調子に乗って豪邸を買っているように思えたし。
結局殺されていますがカタギもヤクザもカネで殺しそうなような生活をしてるんだし。
そういう点では優秀だったんでしょうね。
巨万の富を得たらそりゃ静かに生活なんて無理ですよね。
殺されたのは因果応報ですね。
悪党を始末してくれるので神格化されてるようですが本来悪党を始末してくれる司法が全く頼りにならないから尚更なんでしょうね。
彼の生き様に憧れる馬鹿が出ない事を祈るばかりですね。
こういうの映画にするの好きですからね。
仰る通り警察や司法がだらしなさ過ぎますよ。
憧れる人間は出てきそうですね。
バイデンは死刑賛成派に寝返ったんですかね
やはり世論には勝てなかったんですかね。
まあ良い事ですね。
ある程度のカネがあるならド田舎で隠居した方がよかったのではと本気で思いました。
豪邸を買っていい生活をしてるところをアピールするって俺を殺してくれと宣言しているのと同然。
憐れな最期を遂げていますが私は呆れました。
暗殺されたか強盗殺人で殺されたかは分かりませんが、殺されるまでの経緯を見て見るとアホかと思いました。
大金があればどうしても派手な生活になってしまうが人間の性だと思います。
実際に殺されましからね。
自業自得、因果応報ですよ。
凶悪犯は病死したり 射殺されるのが一番ですね。
本当に良かったと思います。
途中の腎臓まで撃たれたのに逃げてるのゾッとしましたね。なんで平気なのか理解不能です。
金を得たけどかえって目立っちゃったのでしょうね。最後は呆気ないですね。
そうですね。
最後は呆気ないですが意外にそんなものなのかもしれませんね。
映画だと、最後の死体は、別の誰かですね、きっと。
そうですね。
相変わらずですよ。
確かに映画だとそういう含んだ終り方しそうですね。
Olga BazarovaとAnna Ruzankinaというヤツを掲載して頂きたいです。
前者は子供2人を置き去りにして飲み歩き、1人を餓死させもう1人を栄養失調にさせた奴です。事件自体は2019年ですが今月に懲役14年の判決が出ました。
後者は最近起きた事件で、泣いたからという理由で娘さんをバルコニーから吊るし、その際に重みで転落死させた奴です。
猟奇的な虐待事件ですので掲載して頂けたら嬉しいです。
とんでもない鬼畜たちですね。
今度調べてみます。