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ディジャネール・ファウラー (アメリカ)
【 1992 ~      】



2017年6月15日、アメリカ・ジョージア州ディカーブ郡で、ディジャネール・ファウラーは娘スカイラー (1歳) を車の後部座席に乗せ、ラビスタロードにある美容室に向かった。

ファウラーはスカイラーを後部座席に乗せたままエンジンをかけ、エアコンを付けて美容室に入った。

美容室で5時間半過ごした後、車に戻ると後部座席でスカイラーがぐったりして動かなくなっていた。

ファウラーはすぐに911に連絡せず、車を走らせるとどのような言い訳をしようと考え、事故の正当性を見出だそうとしていた。

数時間車を走らせた後、エモリー大学病院の駐車場に行き、

「娘が発作で苦しんでいる」

と911に連絡した。

警察が駆けつけスカイラーの遺体を発見すると、警察はファウラーに状況について説明するよう促した。

ファウラーは美容室に行っている間、エアコンを付けていたが、バッテリーが切れていたと述べた。

また、ファウラーは美容室に行った時にスカイラーは車に乗っていなかったと供述を変えたり、夫のルイス・ウィリアムズ (スカイラーの実父ではない) に連絡した等、供述をコロコロと変え、いくつもの矛盾が見られた。

更にファウラーはエモリー大学病院に向かっている最中に痙攣発作についてグーグルで調べていた事がわかった。

ファウラーに対する令状が発行され、スカイラー殺害で逮捕された。

裁判では検察は事件の時、気温は30度を超えており、車内は少なくとも40度から50度に及んでいたと述べた。

弁護士はスカイラーは熱中症により死亡したのではなく、突然の発作により死亡したと主張した。

夫ウィリアムズはスカイラーの死を知った時は空軍予備役で海外に派遣されており、真実を知るまでには時間が掛かったと話した。

そして、法廷で
「全ての親が子供を完璧だと思うだろう。私にとって彼女は完璧な娘だった。笑顔を絶やさずいつも笑っていた。これ以上何も言う事はない」
と落胆した様子で語った。

ファウラーは

「私が悪い事をした事を認めます。もし人生をやり直す事が出来るのならあの日に戻りたい。私が娘に対して愛情を否定する人がいるが、私と娘の関係を知らないだけです」

と裁判官に言った。

スカイラーの父親の家族がファウラーに対する厳罰を求め、検事はファウラーに懲役40年を求めた。

しかし、裁判官リンダ・ハンターは、
「私は復讐を求める為にここにいるわけではない」
とスカイラーの父親家族に向けて述べた。


2018年1月31日、懲役40年は退けられ、ファウラーには懲役15年と5年の保護観察処分が言い渡された。

判決に対し検事は失望感を表明し、
「ディジャネール・ファウラーはその日、無実の子供の人生を意識的に犠牲にしました。私たちの提言はこの事件の事実と状況と適切に一致していたと信じています。この懲罰の少ない結果に失望している」
と述べている。



《殺人数
1人

《犯行期間》
2017年6月15日



∽ 総評 ∽

美容室に行っている間に1歳の娘を車内に置き去りにし、熱中症による死亡させた。

以前、紹介したジャスティン・ハリスも車内に子供を置き去りにして殺害したが、このファウラーとの決定的な違いは子供の存在に気付いていなかった事だ (ただし本人が主張しているだけで気が付いていてあえて置き去りにした可能性が高いが) 。

対してファウラーは子供が車内にいた事は認識し、自身の身だしなみの為に犠牲にするという更に悪質であった。

日本でもパチンコに興じている最中に子供を車内には置き去りにして死亡させるという事件が以前は多発していた。

こういった事件の難しいのは、このファウラー同様、基本的に故意ではなく、殺意がない事だ。

ただ、そんな事がまさか起こらないと思っていたとしても、少し考えればわかる事である。

そもそも美容室で5時間以上かかっているが、それくらいの時間という事は偶然そうなったわけではなく時間が掛かるのは端から知っていたはずである。

1歳といえば一時も目を離してはいけない時であり、到底「少しなら大丈夫だろう」と思える年齢ではない。

裁判官は「復讐を求めているわけではない」と検察の懲役40年を退け15年とした。

確かに裁判は復讐を行う場ではないが、それにしても求刑との差があまりにあり過ぎて驚きを隠せない。