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アンジェラ・カマチョ (アメリカ)
【 1979 ~      】 



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ジョン・ルビオ (アメリカ)
【 1980 ~      】



アンジェラ・カマチョはメキシコで生まれた。

合法的にアメリカへ移住すると、テキサス州キャメロン郡ブラウンズビルに定住した。

定住して間もなく男性との間に子供 (ジュリッサ・アンジェラ・ケザダ) をもうけ、その後、別の男性の子供を妊娠した。


妊娠して1ヶ月程経過した2001年、ジョン・アレン・ルビオという男性と出会った。

ルビオはブラウンズビルで生まれ育ったが、母親と祖母は黒魔術の実践者で、長期の薬物乱用者でもあった。

また、アルコール依存症であり売春婦であった母親はポン引きでもあった。

そんな劣悪な環境で育ったルビオは幼い頃から精神に問題があり、マクドナルドでハンバーガーを投げつけるという奇行をみせた。

成長するとルビオはいくつかの薬物に関する問題を起こし、更生プログラムの参加を余儀なくされた。

友人や同僚によると、ルビオは興奮を得る為にしばしば危険なスプレー塗料や溶剤、家庭用化学物質等の煙を吸っていた為、脳に損傷を負った (とされている) 。

また、重度の鬱病でその影響からか気分の起伏が激しく、協調性の欠如、過敏症に苦しんだ。

カマチョには薬物の関する問題はなかったが、2人は貧困の中に育ったという共通点があった。

ルビオはカマチョが別の男性の子供 (後のジョン・エステファン・ルビオ) を妊娠している事を知っていたが一切気にせず、ジュリッサを含め自身の子供として受け入れた。

その後、1年も経たないうちにカマチョはルビオの子供を妊娠し、メアリー・ジェーン・ルビオ () を産んだ (3人の子は全員父親が異なる事になる) 。

メアリーが産まれた後、一家はブラウンズビルにある元々食料品店だったボロボロのアパートへ引っ越した。


2003年3月11日朝、カマチョの友人ロレーナが夫妻のアパートを訪れた。

ルビオは熱せられたスプレー缶を手に持っていた為、心配になったロレーナが家の中に入らせて欲しいと頼むと、

「私の老婦人が昨夜殺そうとした。今私たちは皆殺すつもりです」

と話した。

ロレーナが子供達の前でそんな事を言ってはいけないと話すが、ルビオはロレーナを戸口から追い出しドアを閉めると鍵を掛けた。

ロレーナはドアを叩いて中に入れさせて欲しいと頼むがルビオは拒否した。

ロレーナはルビオがカマチョらを襲うのではないかと不安であったがその場を去るしかなかった。

その日の午後7時頃、警察に通報が入る。

通報者はルビオの弟ホセ夫妻であった。

ホセはルビオの家を訪ねると、頭部のない赤ん坊と2人の子供の遺体を発見したと話した。

ホセ夫妻は警官をルビオのアパートへ導き、ドアを叩くとルビオが対応した。

警官が何が起こったのかを訪ねると、ルビオは警官を部屋に案内した。

すると、室内は汚れた服と床にはゴミ袋が散らばっていた。

カマチョは布団のように見える物の上に座り、静かに床を見つめていた。

ルビオはカマチョの隣に座り、警官に

「子供達は部屋の奥にいる」

と言った。

警官は奥の部屋に行く為廊下に出ると、強烈な漂白剤の臭いがし、寝室を覗くと裸体が見えたが最初それは人形に見えた。

しかし、よく見るとそれが赤ん坊の裸体である事がわかり、すぐに応援を要請した。

警官が部屋に戻ると、ルビオに対して手を上げるよう叫んだ。

ルビオは深くため息をつくとゆっくりと立ち上がり両手を突き出し

「逮捕して下さい」

と言った。

警官はルビオとカマチョをその場で逮捕した。

寝室には赤ん坊の遺体の他に、2つのゴミ袋があり、それにはそれぞれ女の子と男の子の遺体が詰め込まれていた。

遺体はジュリッサ (3歳) 、ジョン (1歳2ヶ月) 、メアリー (2ヶ月) である事が判明した。

2人のアパートを調査した捜査官は、その様子について
「これまで制作されたどんなに恐ろしい映画よりも酷い状態で、アメリカに住む事の出来る中で最悪の状態であった」
と述べた。

キッチンや床には血が広がり、血がいっぱいに入ったバケツや血の付着したシーツやナイフが見つかった。

カマチョとルビオは3人を首を絞めたり刺して殺害し、ジョンの首を切断する前に自身の身体を洗い性行為に及んだと話した。

ルビオは犯行について詳しく説明を始めた。

殺人のきっかけはゲージに飼っていたハムスターに悪魔が取り憑いた事だと述べた。

悪魔がハムスターに入り込んだ為、ハンマーで殴ってハムスターを殺害した。

ルビオが漂白剤で身体を洗っていると、ジュリッサがルビオの姿を見て叫んだ。

ルビオは子供達に悪魔が取り憑いたと考え、2人は子供達を恐れた。

すると、カマチョがジュリッサを殺そうと叫び、ルビオがジュリッサの首を絞めるが「死なない」と言った。

そこでカマチョは台所に走りナイフを持ち出すとルビオに渡した。

ジュリッサは逃げようとするが抑えつけられ、震えるジュリッサはカマチョを見ると、
「ママ、パパ止めて」
と叫んだ。

ルビオはカマチョに足を押さえるよう告げ、カマチョが押さえるとルビオは激しくナイフで何度も刺した。

そして、生きたまま鉈でジュリッサの首を切断した。

頭を切り落とされたジュリッサの首から血が噴き出し、床は一面血に染まった。

その後、カマチョはジュリッサの遺体を拾い上げ、台所に運ぶとそこで全ての血を洗い流した。

そして、バケツを冷水で満たすと、その中に切断した頭部を入れた。

後のジュリッサの剖検では顔と首に12ヶ所の刺し傷があり、胸部に更に21ヶ所の刺し傷がある事がわかった。

次にルビオはメアリーが口から泡を吹き、唸り声を上げているのを目撃し、『悪魔に取り憑かれている』と考え、1974年公開の映画「it's Alive (邦題:悪魔の赤ちゃん) 」を思い出させるとし、メアリーを掴むと首を絞めた。

しかし、それでも死ななかった為、頭部を激しく刺して殺害した。

ただメアリーの (悪魔的な) 力は非常に強く強力であり、死んだという確信が持てなかった為、首を切り落とさなければならないと考える。

そこでナイフで試みるが失敗し、魔女の力だと思い、鉈を持ち出して頭を切断した。

裁判でカマチョは子供について聞かれると

「私の赤ちゃん…私の赤ちゃんです!」

と叫んだ。

カマチョは犯行当日にルビオが2ヶ月のメアリーに対して ″憑かれている″ と発言したと証言し、そんなルビオを信じたと話した。

ジュリッサはルビオに足を押さえるように命じられそれに従った。

「 (メアリーの) 体はカーペットの上にありました。頭もカーペットの上にありました。私は泣き始め、ルビオはそんな私に (ジュリッサの) 頭を切断しようと話した」

子供達を殺害後、ルビオが死体を洗いゴミ袋に入れている間、カマチョは凶器のナイフを衣服で拭いた。

「子供達が死んだとは信じたくなかった。殺した後、彼が ″セックスしよう″ と言い出した

と性行為を強要され脅されたと話し、ルビオは友人に電話し「自殺する」と話したと述べた。

行為が終わった後、ルビオはジョンを殺害し、首を切断して頭をバッグに入れた。

全てが終わった後、カマチョとルビオは近くのスーパーに牛乳を買いに行き、戻った後しばらく死体について墓地や家で埋める事について話した。

また、身を隠す為にメキシコに行く事についても話し合いしたと述べた。

しかし、検察は以前のカマチョの発言との矛盾を指摘した (ジョンは性行為の前にルビオが殺害したと述べていた) 。

矛盾を指摘されたカマチョは、今の発言が真実であり、以前の発言はよく覚えていないと述べた。

検察はカマチョの犯行は実際にはお金の問題だと主張した。

すると、カマチョは家賃が支払えず、財政的圧迫により子供達を殺す事にしたと述べた。

同年3月14日にカマチョにIQテストが4回行われたが、4回とも平均を下回った事がわかった。


2004年11月、ルビオには死刑が言い渡された。

ルビオの弁護士は薬物による脳損傷を主張し、減刑を求めたが死刑が宣告された。


2005年6月30日、カマチョには最低40年は仮釈放の可能性がない3つの終身刑が言い渡された。

判決を言い渡した後、裁判官は
「神があなたの心に触れ、あなたが許しを求める事を祈っています」
とスペイン語で話し、最後に「Good luck to you (頑張って) 」と付け加えた。

カマチョにも死刑判決が言い渡される予定であったが、精神遅滞と司法取引により終身刑となったのだった (仮に死刑になっていたらテキサス州における初のメキシコ人死刑囚となっていた) 。


最後に子供達の殺害について述べたカマチョの発言で終わりたいと思います。

「子供達が苦しむより死ぬ方がいい」



《殺人数》
3人

《犯行期間》
2003年3月11日



∽ 総評 ∽

「悪魔に取り憑かれている」という理由で殺人に及んだ夫妻だが、これまで紹介してきた通りこういった理由で犯行に及ぶ鬼畜は多い。

こういう事を真剣に話す場合、妄想型統合失調症だったりする事が多い。

ルビオは脳に損傷を負っていたとされているが、統合失調症だったのかはわからない。

実際は悪魔なんかに取り憑かれていないのだが、そう信じ主張されてはどうしようもない。

カマチョは悪魔主義者ではなく、ルビオがそうであっただけだが、ルビオの影響で自身もそうなったのは間違いないだろう。

悪魔は別としてこれまで親が子供を殺害する事件を数日間掲載してきたが、中でもこの事件は犯行の凄惨さは群を抜くものがある。

カマチョとルビオの判決は終身刑と死刑と差が出てしまった。

確かに悪魔に取り憑かれたと実行に移したルビオとそれに従ったカマチョに差をつけるのは普通の事かもしれない。

だが、個人的には差は何もないと思う。

むしろカマチョは母親として失格であり我が子を必死に守ろうともしなかった責任能力はルビオに匹敵する悪質さである。



* 追伸 *

本日まで親による子殺しの事件を紹介してきました。
どれも陰惨な事件でしたが、親の勝手に振り回されいつも辛い目に遭うのは子供です。
子供は親に「生んでくれ」と頼んだわけでもなく、その家に生まれたくて生まれたわけでもありません。
親も子供が産まれて初めて「親」になる為、いわば親の初心者であり、その為、失敗やミスも当然あって然るべきでありますが、それでも人はこれまで子供を生み、ほとんどの人がしっかりと育児を行ってきました。
やはり近年親としての責任感が低下しているのではないかと思います。