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ジャカパン・トンマ (タイ)
【 1988 ~ 2020 



2020年2月8日午後3時頃、タイ北東部ナコーンラーチャシーマーにある兵舎で、陸軍軍曹ジャカパン・トンマが、上官の住宅を襲撃する。

この銃撃で少なくとも3人が負傷し、上官が死亡する。

トンマは機関銃6丁と大量の弾薬を盗むと、軍用車両を奪い逃走した。

トンマはバンコク北東155マイル (約250km) のコラートのムアン地区にあるショッピングモール「ターミナル21」周辺で銃を乱射し、モール内に侵入すると再び銃を乱射した。

ショッピングモールには取り残された多くの客がおり、トンマはそれらを人質をとって立て籠った。

トンマは犯行途中にフェイスブック上に自身の写真とメッセージを複数投稿した。

また、トンマは襲撃の様子をフェイスブックでライブ配信していた。

それらの動画や写真はネット上で拡散し、それには銃声が轟く中、逃げ惑う人々や車の中で撃たれて血を流し動かなくなった男性を救出する様子等が映し出されていた。

更にモール内の監視カメラには銃を持ったトンマが唯一の歩き回る様子が捉えられていた。

タイ政府は部隊を派遣し、ショッピングモールを取り囲み包囲した。

国防省は最大で16人は人質にとられており、死者20人、負傷者は21人に達すると発表した。

同日深夜、軍と警察はモールに突入する救出作戦を開始する。

これにより一部の客が助け出された。

翌日の9日午前11時頃、治安部隊との銃撃戦の末、トンマは射殺された。

結局、犠牲者は29人 (最年少は13歳の少年) 、負傷者は58人に及んだ。

トンマは射殺された為、動機は不明であったが、プラユット首相は、
「不動産売買を巡ってトラブルがあったと報告を受けている」
と述べたが、それが実際に動機かはわからない。

また、トンマはフェイスブックには

「とても疲れた。誰も死から逃れる事は出来ない」

「 (上官ら) 3人は報復のため。残りは自衛のため」

と犯行に及びながら書き込んでいた。

プラユット首相は犠牲者や家族に哀悼の意を表明し、
「このような最悪の事件がタイで起きたのは初めてである。2度と繰り返してはならない」
と述べた。



《殺人数》
29人 (他負傷者58人)

《犯行期間》
2020年2月8日~翌日9日



∽ 総評 ∽

突如、ショッピングモールに立て籠り、29人を射殺したトンマ。

タイでこのような事件は大統領が述べている通り極めて異例であり、また、29人という犠牲者はアジアとしては韓国の禹、日本の都井に続き3番目に多い数であった。

本人が射殺されてしまった為、真の動機は不明であった。

個人的には上官を真っ先に殺害しているのが動機の全てのように思える。

実際に「報復のため」と書き込んでいる事から可能性は高い。

おそらく、日頃から上官と上手くいっておらず、また、軍に対する不満もあったのかもしれない。

それらが爆発し、上官を殺した事で全てがどうでもよくなり「どうせなら沢山殺そう」と考えた行動と推測される。

典型的なスプリー・キラーの思考と行動だが、タイという国でこういった犯行は珍しい。

トンマは犯行までどのような人生を歩んできたのか詳細がなかったが、今後、おそらく判明していくと思われる。