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ティート・ハーム (スウェーデン)
【 1953 ~      】



ティート・ハームは、1953年、スウェーデンの首都ストックホルムで生まれた。


1984年6月10日、売春婦のカトリーヌ・デ・コスタ (27歳) が 行方不明となる。

同年7月18日、ストックホルム郊外の高速道路の高架下でコスタのバラバラにされた遺体が発見された。

ただ、発見された時はそのあまりの遺体の惨状により誰か判別出来なかった。

また、コスタの頭部、内臓、乳房、生殖器は見つからなかった。

検死に医師ティート・ハームが呼ばれ、指紋から遺体をコスタだと断定した。


同年7月25日、売春婦アニカ・モース (26歳) の遺体が公園で発見された。

再びハームが呼ばれ検死を行うと、モースが野外で強姦され、首を絞められて殺害された事がわかった。

また、モースの遺体は解剖された跡があり、ハームは主任研究員に

「この手術は非常に専門的な方法で行われています。これを行った人は医療訓練を受けた人間です」

と話した。


同年8月1日、ストックホルムの歓楽街でクリスティン・クラヴァシェ (27歳♀) の裸の遺体が発見される。

クラヴァシェは首を絞められ殺害されていた。

その後、数週間の間にレナ・グランズ (♀) 、カッツ・フォルク (♀) 、レナ・ボフォース (♀) 、レナ・マンソン (♀) 、ロタ・スヴェンソン (♀) が姿を消した。

5人の売春婦は見つからなかったが、警察はコスタら3人と同じ運命をたどったと考えた。

実は5人の内、ボフォースは失踪する前に殺人犯についての情報を警察に提供する事を約束していた。

だが、その直後に失踪してしまい、情報はわからないままだった。

警察は歓楽街で働く全ての売春婦に聞き込みを行い、白いフォルクスワーゲンに乗る男性の情報を聞き出す。

そして、車について調査を行った末、警察はハームに行きつく。

ハームに尋問を行っている間、家を捜索すると、ハームの妻が (1982年に) 自ら首を吊って窒息死している写真が見つかる。

警察は当然妻には写真を撮る事は不可能であり、ハームが写真を撮ったと考え、これまでの売春婦失踪にも深く関わっていると判断する。

だが、明確な証拠がなく、その為、ハームを釈放するしかなかった。


1985年3月、行方不明となっていた売春婦の内、フォルクとグランズの遺体が発見された。

2人はハーマルビー近くの海で見つかった沈んだ車の中で発見された。

2人はコスタらと同様の方法で殺されていた。


1986年1月7日、別の遺体が発見される。

だが、遺体は失踪していた売春婦ではなく、トヨナガ (豊永?) という名の日本人学生であった。

トヨナガも絞殺され、これまで同様な殺され方をしていた (ただ彼女はデンマークの首都コペンハーゲンで見つかっている為別の殺人鬼の犯行の可能性もある) 。

ハームの友人にトーマス・オールグレンという医師がおり、オールグレンは小児性愛者であった。

警察はオールグレンもマークしていたが、オールグレンはハームと売春婦を拾い、死体安置所へ連れ去ったと語った。

そこで、ハームが

「仕事をする」

と言って首を絞めバラバラにしたと告白した。

また、オールグレンはハームが地球にいる全ての売春婦を処理するつもりだと話し、売春婦の肉を食べるのがとても好きだと言っていたと話した (売春婦をバラバラにする労力によりお腹がすくから食べたとも話していた) 。

殺人を始めるのは常にハームからであり、オールグレンはただ従っただけだと話した。


1987年10月28日、ハームは7人の売春婦、妻、日本人学生殺害で起訴された。

検察はハームの5歳の娘カレンが、2人の医師 (ハームとオールグレン) がパワーソーで売春婦の首を切断するのを目撃したと述べた。

だが、弁護士は5歳の少女の証言は信憑性がなく信用に値しないと主張した。

ただ、検察はカレンは2歳の時に起こった事も覚えており、発言は信用に値すると述べた。

ハームとオールグレンはコスタの殺人で有罪判決が下され、終身刑が言い渡された。


しかし、1988年5月、ハームとオールグレンに対する再審が行われる事となった。

裁判官は2人が犯人だという確実な証拠がなく、5歳の少女の記憶のみで有罪判決を下したというのは危険だと判断したのだった。


同年9月16日、裁判官は2人はおそらく殺人を犯したと思われるが、それよりも疑念が強いとして釈放を命じた。


2006年、ハームは医師として働く事が出来なかった年の収入損失と名誉毀損で訴え、4000万スウェーデン・クローネ (約5億円) の損害賠償を請求した。


ハームの訴えは退けられるが、2009年11月30日、再び裁定が始まり、2010年2月18日、裁判官はハームに損害賠償の権利はないと裁定した。

このハームの事件はいくつかの本やテレビのドキュメンタリー番組で取り上げられている。



《殺人数》
9人?

《犯行期間》 
1982年?~1986年?



∽ 総評 ∽

売春婦を拾い死体安置所へ連れ込み、手術台で解体して殺害したとされるハーム。

しかも、殺害の労力でお腹が減ったからといって食べる異常振りであった。

「検死を行う医師が実は犯人だった」というまるでB級映画の結末みたいな事件だが、結局、証拠不十分で野放しとなった。

確実な証拠がなく、5歳の子供の発言だけでは信用出来ないとして釈放された。

相棒のオールグレンの発言もハームに罪を擦り付けようとしている可能性もあり、全てを信用出来ないが、全て嘘だとも当然言えない。

そもそも、首を吊った妻を撮影している時点でまともな人間でないのは誰が見ても明白である。

だが、確実な証拠がない為、釈放せざるを得なかった。

「疑わしきは被告人の利益に」というのは当然必要な事ではあるが、これ程怪しい人間をそれに照らし合わせるのはどうかと思う。

現在のハームの様子については詳細がないのでわからないが、何も犯してないのなら自由の身である。