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ヴォルガの狂人 (ロシア)
【 2011 ~ 2012 】



2011年3月から2012年9月にかけてロシア・ヴォルガ及びウラル連邦地区で相次いで殺人が発生する。

犠牲者はよく似た75歳から90歳の独身の高齢女性であった。

捜査官は犯罪は全て1人によって犯されたと判断し、犯人はフルシチョフカに住んでいると考えられた。

また、犯人はHOA (住宅所有者協会) や社会サービスの従業員を装いアパートに侵入したと思われた。

凶器は全て現地で調達し (バスローブ・ベルトなど) 、被害者を絞殺した。

殺害後、部屋からお金や貴重品を盗んだ。

ただ、高齢者を標的としたのは年金を目的としたものではないとされた。

最初の犯行はカザンで行われ、9人殺害され1人が奇跡的に助かった。

しかし、生存者は犯人について説明する事が出来なかった。

その後、犯行はウリヤノフスク、ニジニ・ノヴゴロド、イジェフスク、ペルミ (2012年4月に2人) 、サマラ (2012年4月~5年に2人) で行われ、2012年8月1日までに18人が殺害された。
 
最後は同年9月25日から27日の間にウファで最後の3人が殺害され、合計32人が殺害された。

同年9月26日、犠牲者の自宅の入り口にあるCCTVが犯人を捉えており (上記の写真) 、それを元に顔の合成写真が作られた。


2013年、犯人逮捕に100万ルーブル (約150万円) の報奨金がかけられ情報を募った。

すると、この年に犯人がサハリン州で目撃され潜伏してるとされた。


2016年10月7日夜、カザンで犯人の疑いがある男性がビデオカメラで撮影されるが、調査の末、関係ない事がわかった。


2017年2月6日、ロシア連邦刑事捜査局のイヴァン・ストレリツォフ副局長は、記者団に対して犯人だと思われる人物がウドムルト共和国の居住者であると発表する (どのような根拠があってかは不明) 。

また、その犯人が年金支給者のリストを持つ事が可能だと示唆した。

ただ、犯人がすでに刑務所にいる事や、死亡している可能性についても否定はしなかった。

ストレリツォフは犯人についての有力な情報提供者に対する報奨金を300万ルーブル (約400万円) に引き上げた。


2017年3月28日、カザフスタン出身のパベル・シャヤフメトフという37歳の男性が逮捕される。

シャヤフメトフは3月25日と27日にサマラで2人の高齢女性を殺害した罪で逮捕されたのだった。

シャヤフメトフは一連の未解決事件の容疑者ではないかとされ、調査を進めていたが間もなく自殺した。



《殺人数》
32人

《犯行期間》
2011年3月~2012年9月27日



∽ 総評 ∽

『Volga Maniac (ヴォルガの狂人) 』と呼ばれ、少なくとも32人の高齢女性を殺害したとされる未解決事件。

未解決事件は『ジャック・ザ・リッパー』や『ゾディアック』に代表されるように世界各地で起こっている。

ただ、凶悪で衝撃的な未解決のほとんどが今から何十年も前の事件である。

近年も当然未解決事件はあるが、以前に比べて監視カメラの存在やインターネットの普及で劇的に減っている。

犯人は監視カメラに映ってから犯行を止めたと思われ (違う場所で続けているのかもしれないが) 、おそらくテレビか何かで監視カメラの自身の映像を観たのだろう。

歴代の未解決事件の犯人については、目撃者や生存者の証言のみであり、実際どのような姿をしているのかはわからない。

だが、この未解決事件は監視カメラによってはっきりとその姿が残されている。

それなのに現在まで逮捕に至っていない。

そういう点では非常に珍しい未解決事件といえる。