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アナトリー・ナギエフ (ロシア)
【 1958 ~ 1981 】



アナトリー・グセイノヴィッチ・ナギエフは、1958年1月26日、ロシア (ソ連) ・イルクーツク州ノヴォチェルカッスクで生まれた。

ナギエフは3人兄弟で、一家はクルスク州スジャに定住した。

ナギエフはスポーツや運動に精を出したが、子供の頃から非常に攻撃的であった。


1975年5月から6月にかけて、ナギエフは3度の強姦を行う。

ナギエフが容易に強姦に至った理由は、身長が1m57cmと非常に小柄であった為、被害者が警戒しなかった事と注意を払わなかった為だとされた。

逮捕されたナギエフは、懲役6年が言い渡された。


1978年、ナギエフは仮釈放された。

釈放されたナギエフはペチョラに移動しそこで働き始めた。


1979年1月30日、ペチョラでナギエフはオルガ・デミャネンコ () と偶然知り合い、デミャネンコのアパートで強姦し殺害した。


同年5月28日、ナギエフはペチョラに向かう予定のダリア・クラフチェンコ () を空いている列車の中で強姦し、殺害した。

ナギエフはクラフチェンコの遺体を座席の下の荷物室に隠した。

クラフチェンコ殺害後、ナギエフはクルスク州に戻り、映写技師として働き始める。


1980年7月4日、「モスクワ=ハリコフ」の列車で、ナギエフは2人の添乗員デレビャンコ ()とジズーリナ () 、2人の乗客マリア・ロパートキナ () とタチアナ・コレスニコフ () を強姦し、殺害した。

4人の遺体はオリョールで走行する列車から投げ捨てた。

この4人殺害も、列車が半分以上空席だった事を利用して行われた。

捜査官はナギエフが犠牲者から奪った物の詳細なリストを作成し、宝石はソ連各都市の質屋や宝石に配布して情報を募った。

すると、ナギエフが知人に犠牲者の宝石を渡し、とある宝石店へ赴いていた事が発覚する。


知人はナギエフから宝石を預かった事を告白し、同年9月12日、ナギエフはドニエプロペトロフスクで逮捕された。

ナギエフはオリョールの拘置所へ移送されるが、数ヶ月後、手錠を壊し、警備員に頭突きして逃走を試みるが、結局逮捕される。

ナギエフはこれまでの犯行を語り始めたが、最初の2人、デミャネンコとクラフチェンコの犯行に関しては警察も把握しておらず、ナギエフの告白によって判明した。

また、ナギエフは1979年から1980年の間に少なくとも30人以上を強姦していた事もわかり、6人以外にも殺人を行っている可能性が示唆された。

更に、ナギエフはアーラ・プガチェワというソ連の有名な歌手を殺そうと考え、モスクワを何度も訪ねていた事がわかった。

それは楽屋に押し掛け、住所を聞き出し家を訪れる程であった。

その時はたまたまプガチェワは家に居なかったので事なきを得ていた。

ナギエフに殺害されたクラフチェンコは、実はプガチェワに似ているという理由で殺されていた事がわかった。


1981年7月2日、クルスク地方裁判所でナギエフは死刑判決を受け、同年8月上旬にノボチェルカスク刑務所に移送された。


そして、死刑が執行されたと公表されるが、実際は執行しておらず、それどころか同年8月19日、ノボチェルカスクに到着したナギエフは通過する列車をすり抜け逃走を図った。

ナギエフはジプシー (肌の浅黒い人、放浪癖の人) を装いノボチェルカスク近くの農場の1つに隠れた。


政府はナギエフ逮捕に3週間はかからないであろうと予測するが、結局、ナギエフが逮捕されたのは同年9月29日であり、逃走から1ヶ月以上要した。

逮捕の際、ナギエフは激しく抵抗した為、捜査官は発砲し、ナギエフは負傷した。


治療するも傷が癒える事はなく、そのまま同年10月28日、ノボチェルカスクの刑務所で銃殺による死刑が執行された。

享年23歳。



《殺人数》
6人以上 (他強姦30人以上)

《犯行期間》
1979年1月30日~1980年7月4日



∽ 総評 ∽

『The Mad One (狂った人) 』または『The Pugacheva Hunter (プガチェワのハンター) 』と呼ばれ、少なくとも6人の女性を強姦し殺害したナギエフ。

ナギエフは生まれた家庭環境やどうやって育ったのか詳細がなく、何故これ程の犯行に及ぶに至ったのかよくわからない。

ただ、少ない情報ながら子供の頃にはすでに攻撃的だったようなので、虐待されていたか先天的な異常者だったといえる。

ナギエフは強姦殺人以外にも少なくとも30人以上を強姦しており、典型的な強姦殺人鬼といえるが、非常に小柄だった為、女性たちも油断したのかもしれない。

ナギエフはソ連で有名な歌手を殺そうとした事で犯罪者として有名になったが、どういった経緯でそう思うようになったのかわからない。

愛情の裏返しなのか歌手としてただ単に嫌っていたのか詳細がなくわからないが、こういった事は世界的にみても少なくない。

有名人はテレビやメディアに出て露出する分、当然多くの人に広く認知される。

ほとんどの人がファンとして応援するものだが、中にはこのナギエフのように異常な心理に至る者もいる。

アメリカの女優ジョディ・フォスターをストーカーしたジョン・ヒンクリーが有名だが、人気商売ゆえにこればかりはどうしようもない。

後はこのナギエフやヒンクリーのような異常者に好かれないよう祈るしかない。