_20190710_203820
セベリン・クラシミロフ (ブルガリア)
【 1997 ~      】



2018年10月6日、ブルガリア北部の都市ルセを流れるドナウ川沿いのジョギングコース付近で、ビクトリア・マリノバ (30歳♀) の遺体が発見される。

検視を行うと、マリノバは強姦されており、顔面を7度殴られ、鼻が骨折しそれが窒息に繋がった事がわかった。


3日後の9日、警察はマリノバ殺害容疑でセベリン・クラシミロフを逮捕する。

クラシミロフはマリノバを殺害した翌日に車でブルガリアを離れ、ドイツ・ハンブルク北部の町に逃げていた。

逮捕されたクラシミロフだったが、犯行時、アルコールと薬物の影響でマリノバの顔を殴り茂みに放り投げたまでは覚えているが、その後の記憶がないと述べた。

事件が公になると、ブルガリア国内のみならず世界に衝撃を与えた。

というのもマリノバはブルガリアで有名なジャーナリストで、殺害された時はテレビ局で時事問題の番組を担当していた。

手錠を掛けられたクラシミロフが出廷する為に裁判所に現れると、多くの記者団がクラシミロフを取り囲んだ。

クラシミロフは、

「私はとても後悔しています」

と述べた。

法廷でクラシミロフは

「殺すつもりはなかった」

と話し、更に

「私は罪を犯しました。すみません、私が自分がそれをした事が信じられません」

と述べた。


2019年4月23日、クラシミロフには懲役30年が言い渡された。

実はこのマリノバ殺害はただの強姦殺人事件ではないと囁かれた。

以前、マリノバは自身が重役を務めるローカルテレビで政界や経済界の大物が関わっているというEU資金の不正利用、汚職について精力的にインタビューしていた。

マリノバが殺害された直後、報道関係者の権利保護や言論弾圧の監視を目的とするNPO、ジャーナリスト保護委員会が遺憾の意を表明した。

クラシミロフを利用してマリノバは口封じの為に殺害されたという噂が流れ、現在もそれを信じる者は少なくない。



《殺人数》
1人

《犯行期間》
2018年10月6日



∽ 総評 ∽

ジャーナリストの女性を強姦し、殺害したクラシミロフ。

殺害した相手がジャーナリストだった為、多くの憶測が流れた。

マリノバは汚職や不正に毅然と立ち向かうジャーナリストとして有名であり、そんなマリノバがタイミングよく殺害された事で陰謀説が囁かれた。

また、クラシミロフの逮捕後や裁判の様子や「はっきり覚えていない」「殺すつもりはなかった」といった言動により陰謀説に更に拍車が掛かった。

確かにマリノバがやろうとしていた不正や汚職の暴露は、それによって不利益を生じる権力者が沢山おり、マリノバを鬱陶しく邪魔な存在だと思う人も多くいたであろう。

実際、そういった陰謀や暗殺といった事はあるのだろうが、今回のクラシミロフの犯行は個人的にはおそらくそうではないと思われる。

詳細がなくわからないが、クラシミロフはただの異常者であり、たまたま襲った相手がマリノバだっただけだと思う。