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カレブ・マトロック (アメリカ)
【 1989 ~      】



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アーサー・チャビス (アメリカ)
【 1988 ~      】



2012年8月26日、アメリカ・サウスカロライナ州モンクス・コーナーで、シングルマザーのジューン・ゲーリー (22歳♀) とその友人ダナ・ウッズ (18歳♀)  が、地元のバーガーキングにウッズの車で買い物に出掛けた。

だが、買い物に出掛けて以降、2人は行方不明となってしまう。

警察がすぐに捜査を始めると、行方不明となる前、ウッズが母親に電話している事がわかった。

その時、ウッズは知らない男性を車に乗せていると話していた。

警察はその運転手を重要参考人として捜査を続けた。


数日後、フランシスマリオン国有林で、燃え尽きた車の中からゲーリーとウッズの遺体が発見された。

2人共、遺体は焼け焦げていたが、死因は後頭部を撃たれた事によるものであった。


同年9月1日、2人の殺害で逮捕されたのは、カレブ・ブラッド・マトロックとその従兄弟アーサー・レイ・チャビスであった。

逮捕された際、殺害に使用した銃はマトロックが所持していた。

マトロックとチャビスはゲーリーとウッズを拉致すると跪かせ、処刑スタイルで後頭部を撃って射殺した。

また、マトロックとチャビスと殺された2人の女性とは顔見知りであり、知人である事がわかった。

ただ、当初、動機については語らず不明であったが、後に強盗目的で標的を物色し、その際、偶然ゲーリーとウッズを見掛け、犯行に至ったと話した。

裁判が始まると、2人を撃ったのはマトロックだと判明した。

殺された2人の遺族は涙を流しながら心情を語り、落ち着いてマトロックに話そうと努力していた。

ゲーリーの姉レイチェルは
「何の罪もない妹を殺したのか私にはわかりません。彼女は私の全てでした。彼女は私の親友でした。彼女はもう娘の成長をみる事が出来ません」
と涙ながらに語った。

レイチェルがマトロックに話し掛けた時、マトロックは黙って立って目を合わせるのを避けた。

ウッズの母親ジェニファー・ヒルは、ウッズの写真を掲げマトロックに見せようとし、
「私はあなたに見てもらいたい。カレブ・マトロック」
と言ったが、マトロックは見る事を避け目を逸らした。

しばらくしてマトロックが口を開き

「真実が私を食い物にしている。私は初めから罰せられるに値すると認めている。本当にすいません。残りの人生を地獄の中で過ごすつもりです」

と語った。

殺人で有罪判決が下された場合、終身刑が言い渡される予定であったが、弁護士は懲役40年が妥当だと主張した。


2014年8月10日、マトロックは仮釈放の可能性がない懲役55年が言い渡された。

判決が言い渡された時、遺族たちは不満から感情を露にした。

レイチェルはマトロックが有罪を認め「正しいことをする」と言ったのは嘘だと主張し、
「本当の正しい事は彼女を家に帰らせる事だ」
と述べた。

ゲーリーの父親チャールズは、
「刑務所の生活も決して悪くはない。彼はまだ生きている。だが娘は生きていない」
と語気を荒げて語った。


2015年4月20日、チャビスには懲役25年が言い渡された。


最後に犯行について問い掛けられた際のマトロックの発言で終わりたいと思います。

「悪と未熟さの交差点に座った」



《殺人数》
2人

《犯行期間》
2012年8月26日



∽ 総評 ∽

知人の女性を拉致し射殺したマトロックとチャビス。

殺害された女性2人も相手は知人男性であり、何の疑いもなくついて行ったのであろう。

強姦されたという様子はないので、普段からそういう目で見ていたのではなく、純粋に強盗目的であったと思われるが、強盗目的の割に標的がかなり微妙である。

シングルマザーと18歳の女性であれば、申し訳ないがおそらくそれほどお金を所持していたとは思えない。

そうなると、強盗目的でもなく強姦目的でもないという事になり、ただの殺人目的だったと思われる。

遺族はその心情を法廷で切々と語ったが、望むような刑罰に至らなかった (サウスカロライナ州は死刑がある) 。

裁判官は遺族の気持ちを聞いて何も感じないのだろうか。

「感情に流される事なく冷静に公正に対応する」というのが司法の考えなら、もはや人間がやる必要なくAIにでも任せたらいい。

もしくは『1人以上殺害→死刑、強姦→終身刑』といったように枠組みを決めて、書類だけで終わらせればいい。

結局、司法というのは加害者をいかに軽い刑罰にして社会復帰させるかしか考えておらず、公正どころか不公平極まりない制度だといえる。