ジェームズ・マコーミック (イギリス)
【 1955 ~ 】
ジェームズ・マコーミックは、イギリス・リヴァプールで生まれた。
1980年代、マコーミックは電子機器業界で働いた。
その後、マコーミックはセキュリティ・コミュニケーションズ社 (ATSC) を創設する。
1993年、マコーミックはゴルフボール探知機という玩具が高度な電子機器に見える点に着目する。
そして、ボール探知機を「クアドロ・トラッカー」と改名して改良し、麻薬や酒、武器を探知出来ると大々的に宣伝して売り込んだ。
巧みな宣伝によりクアドロ・トラッカーは全国の警察や学校、テキサス州の学校などで販売された。
だが、このクアドロ・トラッカーには麻薬等を探知出来る性能など皆無であり、ただの「玩具」であった。
2006年、爆弾探知という新機能が追加され「ADE651」という名称で販売された (もちろんそんな機能はない) 。
ちょうどこの頃、イラクではフセイン政権が打倒され、新政府による統治が始まるが、抵抗勢力による内乱が続き、テロ行為が頻発していた。
特に車に爆弾を積んだテロが多かった。
2007年だけでも442個もの爆弾がイラク国内で爆発し、約2万4000人が死亡していた。
そこで、目をつけたのが「ADE651」であった。
まず、レバノンが「ADE651」を1個1万4000ドル (約160万円) で85個 (約1億3000万円) 購入する。
2007年にはイラクが「ADE651」を5000個も購入し、すぐに首都バグダッド市内1500ヶ所の検問所に配られ使用された。
マコーミックはバレない為に精密機器なので分解を禁じた。
2009年12月、バグダッドで1日で5台の車両爆弾が発生すると (死者127人) 、探知機の性能が疑われる。
そして、アメリカ軍の調査によって爆弾探知の性能など全くない事が判明する。
マコーミックは逮捕されるが、その際、捜査官の前に座り、穏やかな様子で探知機の性能について説明した。
2013年4月23日、マコーミックは3件の詐欺罪で有罪判決が下され、10年の禁錮刑が言い渡された。
2016年、マコーミックは794万4834ポンド (約12億円) の返済を命じられる。
しかし、全ての資産を売っても約180万ポンド足りず、その支払いを拒絶した為、更に842日の禁錮刑が追加された。
最後に「探知機は本物だと思いますか?」という記者の質問に対するマコーミックの返答で終わりたいと思います。
「もちろんだ」
《犯行期間》
1993年~2009年12月
∽ 総評 ∽
何の機能も備わっていない商品をさも性能があるかのように偽り大量に売り捌いたマコーミック。
マコーミックの詐欺行為は商品を細工するという単純なものであったが、容易に相手を信じさせ騙す事が出来た。
人間の思い込みをついた方法だといえるが、爆弾を感知するという特殊な事がすぐにバレなかった事が不思議でならない。
例えば日本のように爆弾事件がそう起こらない国ならばなかなか発覚しないのは理解できる。
だが、年間何百という爆弾テロ事件が起こっている国で、すぐに「あれ?何かおかしいぞこれ」とならないものだろうか。
何が恐ろしいかというと、これが3、40年以上前とかではなく10年も経っていない近年に行われたという事実だ。
コメント
コメント一覧 (19)
人間的にはその程度の小物だろうけど、高い商才だけは持っているのがすごい。
しかしなかなか悪魔だな。
テロが頻発している途上国に何の使いものにもならない商品を売るとは。
きっと不安などの心理につけ込んだんだろう。
ひきょう者が!
悪い意味での商才には長けていたのかもしれませんね。
人体に影響とか生死にかかわらない詐欺ならまだ許される事もありますが、今回の場合は機械で「爆弾ないな」と思って実際は爆発して死んだ人もいたと思います。
そうなると「何だ詐欺か~」ではとても許されません。
善行に使う気はさらさらないのでしょうね。
ヴァンナ・マルキはテレビショッピングの司会を務めていましたが、
その正体は、インチキ商品や怪しい黒魔術セットなどを売り捌くペテン師でした。
彼女はイタリア中の主婦を虜にし、1979年~2002年の間、
40億円もの金を騙し取っていました。
後に逮捕され、懲役10年と被害者に対する3億8000万円の賠償が命じられました。
なかなかの人物ですね。
ただ今回の事件とは違っておそらく死んだり病気になったりしていないと思うのでまだましかもしれませんね。
詐欺師というと、私は世界的な規模の方ではワレンチン・プルギン とルディ・クルニアワンを連想しますね。
プルギンはソ連出身の詐欺師で、その名前自体が他人の名を勝手に騙ったものでした。
身分・経歴を偽って新聞社の軍事部(当時)副部長に就任したり、従軍経験が一切ないにも関わらず、何処からか不正に入手した勲章を身に着けるなどして軍人として何らかの秘密任務に関与しているかのように装うなどペテン振りを日頃から発揮していた人物だったそうで、書類偽造などを駆使してソ連邦英雄の称号を自身へ授与されるよう陽動した悪知恵の持ち主だったとWikipediaに記されてます(実際に称号を授与されたそうですが、後々それらの詐欺が全てバレて最終的に銃殺刑に処された様です)。
クルニアワンは中国系インドネシア人で、この名自体が偽名です。
1998年に学生ビザでアメリカへ入国(2001年にインドネシア難民として再度入国)し、2000年代からワイン偽造で荒稼ぎを繰り返していてロマネ・コンティをよく出したことから『Dr. Conti(ドクター・コンティ)』の異名を取るほどの著名な存在として担ぎ上げられていたそうですが、2012年にFBIに逮捕され、翌2013年12月にNYにて裁判にかけられ有罪確定しましたが、判決は懲役20年と多額の罰金の申し渡しのみとなりました(同時に、偽造ワインの販売で有罪となったのはアメリカにおける裁判史上、前例が全く無く初めてのことだったそうです)。
なお、クルニアワンについては検索結果で幾つかの記事がヒットします。
こんな杜撰過ぎる体勢であるからこそ、テロが絶えないのだとつくづく思い知らされます。
こんなクソ野郎は「商才」では無く「人の不安を煽り勧誘する悪徳宗教家」と言うべきでしょう。
こんなチンケな間接的テロ支援しているクソ野郎は先日のクソムシにも書いたようにイラク民衆に罪状を知らせ、放り込んでやれば良いですよ。
然るべき処置が民意で行われる事でしょう。
しかし、芸能界の犯罪への激甘さは欧州以上ですね。
プロ野球だって永久追放処分になると云うのに易々と復帰させる環境は問題点しかありません!
擁護する芸能人は同様の犯罪をしているから?と疑いたくなります。
今回の某男性歌手も再犯!
「素晴らしい歌や曲を生み出した・・・云々」と勘違い擁護する輩も居ますが、偏にコレは「目的の為なら犯罪も致し方無い」と言っているも同様です!
極論すれば、テロリスト思考でしょう。
難病を患い、エゲツない風聞に晒されながらも麻薬に逃げず、闘病しながら活動を続けているアーティストだって居るんですよ。
恥ずかしく無いんですかね?
本当ですよね。
せめて早い段階で気付かなかったのか。
殺人や強姦を犯したわけではないのでたいした事ないと思う方もいるかもしれませんが、どんでもないですよ。
「テロで死んだってどうだっていい」という考えがもはやサイコパスといえるレベルです。
2回目ですからね。
流石に「人間は過ちを犯す生き物」では許されないですよ。
「他人事だからどうだっていいでしょ」という人もいるかもしれませんが、覚醒剤や麻薬は他人に危害を加える可能性があるので許されないですね。
某男性歌手の弁護士が「10年以上前の犯歴だから実刑の可能性は低い」とか皮算用しています!
再犯の重さを軽んじた物言いに非常に腹が立ちました。
かなり前から再犯の噂が絶えない某男性歌手で2年前の麻薬・危険薬物所持での逮捕です。
元から更生してなかった可能性すらあります。
裁判が始まる前から罪を軽んじる弁護士は弁護士足る資格が無いと私は思います。
是非とも実刑にして欲しいモノです。
大金を積まれたからでしょう。
再犯してる時点で救いようがないですね。
罪がある人間を無罪にするのが弁護士ならもう弁護士なんて存在してはならないですね。
恐らく何のテストもせずに使い続けるとは思えませんのでテスト用の爆弾にゴルフボールでも仕込んでたんですかね?
というか酷すぎて採用した連中とグルなんじゃないかなと思ってしまいます。
本当に最悪だと思います。
どういう仕組みにしていたのか詳細はわかりませんが、バレないように何らかの対処はしていたのでしょう。
既得権益やお金の為ならグルだった可能性は否定出来ませんね。
韓国の軍需産業と同じで「ポケットナイナイ」「採用でリベート」なんでしょう。
※世界4位の軍事費
「味方に飛んで行く対艦ミサイル」やら「40年前のソナー登載」やら「16MB の艦載システム」やら「ピンを抜くと即爆もある手榴弾」やら「弾が貫通する防弾チョッキ」やら「世界で最も粗末なミリ飯」
etc etc etc etc etc
韓国大統領が暗殺や辞任後に逮捕されたりするのも、汚職が絶えないからだとも言われます。
イギリスは「開発したモノは意地でも正式採用」の傾向が強いお国柄ですので意味合いは違うでしょうが・・・・・・
あと、外国や外国人に忖度しすぎたのもあるでしょう。
本当に国のことを考えるなら外国人の入国を規制する、感染症専門の隔離施設をもっとたくさん作るなどすべきなんですよ。
あと、東京五輪も中止すべきだと思います!
感染症予防に効果的な法律を人権うんぬんで廃止させた自称人権派の罪は重い!
その通りですね。
人権とかそんなの気にしているからこんな事になるんです。
仰る通り入国の規制なんて当たり前で、それを批判や非難するのはお門違いです。
このまま沈静化しないのであればオリンピックなんてやってる場合ではありません。
フセイン政権崩壊直後のイラクは民間軍事(警備)会社がやりたい放題してたそうです。
この状況に乗じて殺人を楽しんでいた会社や社員も多かったとか。
こいつは直接は殺してないけど、テロをほう助しているのは重罪もいいところです。
イラクに引き渡してテロほう助罪や共謀罪で死刑にすべきで処刑すべきでしょう。
リクエストとして民間警備会社、ブラックウォーターUSA社の社員が起こしたイラクでの銃乱射事件を掲載してほしいです。
おそらくフセインが大統領であれば、この探知機は採用されなかったでしょう。
まあそもそもフセイン統治下ではテロも激減していたのでこんなのに頼らなかったとは思いますが。
知らない人権ですね。
今度調べてみます。