_20190617_204607
ロビン・ロウ (アメリカ)
【 1957 ~      】



1992年2月10日早朝、アメリカ・アイダホ州エイダ郡ボイシにあるアパートの1階で火災が発生する。

すぐに消火活動が行われ、焼け跡からランディ・ロウ (34歳♂) 、ジョシュア・コーネリアー (10歳♂) 、タビサ・コーネリアー (8歳♀) の3人の遺体が発見される。

当初はただの事故かと思われたが、調査を進めると火を強める液体の促進剤が使用されていた事がわかり、また、煙探知機の電源がオフになっていた事が判明した。

捜査を進めると同居人で妻のロビン・リー・ロウ (1957年9月12日生) が容疑者として浮上する。

実はロウは働いていた会社からお金を横領していた事がわかり、また、死亡した夫や子供達の生命保険証書が発見された。

ロウは家族を生命保険に加入させ、しかも、犯行のわずか数週間前に金額を400万ドル (約10億円) に引き上げていた事が判明した。

その為、ロウは保険金目当ての殺人だと考えられた。


そして、事件から3日後の13日、ロウは逮捕される。

ランディは夫であったが、ジョシュアとタビサはランディとの子供ではなく、前夫との子供であった。

また、調査を進めると、過去にロウの子供が不審死していた事が判明する。

1977年、ニューハンプシャー州に住んでいた時、赤ん坊 (15ヶ月♀) が死亡していた。

この時、乳児突然死症候群 (SIDS) として処理されていた。

更に1980年にはカリフォルニア州で息子のキース (6歳) が火事により焼死していた。

このキースの死でロウは生命保険金2万8000ドル (約700万円) を手にしていた。

キースは寝ていた毛布に携帯用ヒーターの火が引火した事で死亡した事がわかった。

ただ、証拠がなかった為、ロウは起訴する事は出来なかった。


ロウは3件の第一級殺人で起訴され、1993年から裁判が始まった。

ロウを診察した専門家は
「極端なサイコパス」
と診断した。


同年12月16日、ロウには死刑が言い渡された。

ランディの姉はロウの死刑判決を受け、
「彼女は死刑判決を受けた。私たちは彼女にチャンスなど与えるべきではないと思っている。彼女は生きているに値しない」
と述べた。

ロウは判決を不服として控訴する。


2011年8月、連邦裁判所はロウの全ての控訴を棄却した。

現在、ロウはアイダホ州ポカテッロにある女性矯正施設の唯一の死刑囚である。



《殺人数》
3人 (他2人殺害の可能性)

《犯行期間》
1992年2月10日



∽ 総評 ∽

夫と我が子を保険金目的で殺害したロウ。

保険金殺人というのは女性の殺害動機としては典型的なものであり、最もポピュラーなものといえる。

ただ、ロウは過去にも実の子を殺害している可能性が高く、そうなれば産んでは殺すという恐ろしい鬼母といえる。

男性はどうやっても子供を産めないので、お腹を痛めて産んだ子供を手にかけるという神経がどれ程酷いものなのか絶対に理解出来ず、これはもう想像でしかない。

ただ、それは相当な異常な事だというのは想像に難くない。

個人的に凶悪な女性はお金に対する執着とその為の非道さにおいては男性はとても太刀打ち出来ないと思う。