_20190420_204237
ファン・アルバレス (アメリカ)
【 1979 ~      



ファン・マニュエル・アルバレスは、1979年2月26日、アメリカ・カリフォルニア州コンプトンで生まれた。


アルバレスは結婚し、2人の子供の父親で、コンプトンで便利屋として働いていた。

しかし、アルバレスはメタンフェタミン中毒者で、自殺未遂を試みた事があった。

また、妄想を抱き行動を取るようにもなっていた。


2004年、アルバレスは家族を力で支配し、妻カルメリータ・オチョアを脅迫した。

オチョアは警察にアルバレスを逮捕してくれるよう頼むが、アルバレスは逮捕される事はなかった。


2005年1月26日午前6時3分、アルバレスはSUVで出掛けた。

その時、南行きの列車 (Metrolink:メトロリンク) が丁度走っていた。

アルバレスは列車の走る線路上にSUVを停めると、車から降りて近くで待機した。

すると、走っていた列車がSUVに衝突し、その衝撃で列車が脱線すると、隣を走る列車に衝突した。

事故を見届けると、アルバレスはその場を離れた。

この事故により11人が死亡、117人が負傷した。

警察と国家交通安全委員会が早速調査を開始し、その日の内に友人の家に逃げ込んでいたアルバレスは逮捕された。

逮捕されたアルバレスだったが、線路に進入した際に引っ掛かり、車を動かす事が出来なかったと述べた。

だが、アルバレスの罪が非常に難しく、どういった罪で起訴するかが問題となった。

故意にしろ故意ではないにしろ直接殺害したわけではなく、結果がどうなるか車を停めた時点では予測出来なかった。

そこで政府は1873年に列車を奪う為に線路を爆破した『オールドウェスト列車強盗事件』の際に犯人を起訴する為に作られた法律を130年振りに「特別な事情」として適用し、アルバレスを11件の殺人罪で起訴する事となった。

裁判で弁護士はアルバレスが車を停めたのは故意ではないと主張した。

だが、アルバレスが車を放棄して何の対応もせず、事故の様子をわざわざ確認し、その後、逃亡している事から故意であると判断された。


2008年8月20日、アルバレスは11回の終身刑を言い渡されたが、列車の破壊では無罪となった。



《殺人数》
11人 (他117人負傷)

《犯行期間》
2005年1月26日



∽ 総評 ∽

『Metrolink Killer (メトロリンクの殺人者) 』と呼ばれ、線路に車を放棄し、列車を衝突させて脱線させたアルバレス。

これまで多くの殺人鬼を掲載し、多種多様な殺害方法を紹介してきたが、線路に車を停め列車をぶつけるというのはかなり特殊で珍しい。

アルバレスは薬物中毒者で妄想を抱くようになり、自殺未遂を試みた。

この時点でもはやアルバレスの精神状態はまともではないといえる。

また、故意か故意ではないか焦点となったが、結果を考えればそんな事はどうだっていい話である。

確かにアルバレスをどのような罪で裁くか非常に難しい。

れっきとした殺人ではあるが、もしかしたら誰も死ななかったかもしれない (実際死んでいるので考える必要はないが) 。

ただ、死刑にならなかったのは残念だが、珍しい事件だったので軽い罪にならなくて良かったと思う。