ラッセル・スミス (アメリカ)
【 1947 ~ 1975 】
ラッセル・リー・スミスは、1947年2月6日、アメリカ・アラバマ州ベッセマーで生まれた。
1951年、鉱山事故に巻き込まれて父親が死亡する。
父親の死後、そのショックからか母親が1年も経たない内に死亡した為、スミスはわずか5歳で孤児となってしまう。
その後、叔母イヴリン・ハリスと暮らし始め、1968年、17歳で結婚した。
ある時、スミスは酔っ払った勢いで強盗に押し入り、自動車を盗んだ罪で逮捕される。
1970年、スミスは銃撃戦を展開し、その中で1人を殺害した。
スミスは懲役10年が言い渡され、オハイオ州マンスフィールド刑務所に収監された。
スミスを診察した2人の精神科医は、ソシオパシー (社会病質) の特徴を多く備え、ストレスが溜まると激しい感情を示すと診断した。
その為、精神科医はスミスを外に出した場合、必ずまた犯罪を犯すだろうと述べた。
だが、そのような診察が下されたにも関わらず、1971年7月、スミスはわずか10ヶ月で保護観察となり釈放された。
ただ、スミスは精神科に通い治療を受け続けた。
この頃のスミスを知る人物によると、明るく気さくに話す親しみ易い人物であったという。
1975年5月24日、スミスはガールフレンドのジョウン・マリー・ゲートウッド (16歳) がジョセフ・ピケット (29歳♂) とデートをしたという噂を耳にする。
スミスは地元のオートバイクラブに向かい、0.38口径の銃でピケットの首や胸を撃った。
その後、スミスは外に出ると近くにいたオシー・リー・カリー (27歳♀) の腕を撃って負傷させる。
それからスミスはゲートウッドが待っている車に戻るが口論となる。
腹を立てたスミスはゲートウッドの頭を撃って射殺し、その後、ニュージャージー州セントエリザベスのメディカルセンターに向かって車を走らせた。
そして、YMCAの建物の前で、ジェームズ・ベイリー (27歳♂) を撃った。
病院に到着したスミスは、ゲートウッドの遺体を車から投げ捨て、高速道路を走った。
だが、警察がゲートウッドの車に向かって発砲し、フロントガラスを貫通した2発の銃弾がスミスに命中して負傷した。
それでも数ブロック進み、映画館の駐車場で車に乗っていたバルトザー一家を目にする。
スミスは一家に近付き、チャールズ (38歳♂) とキャロル (38歳♀) 夫妻、息子のチャールズ・ジュニア (17歳) をそれぞれ2発撃ち、娘のヘザー・アン (6歳) には腹部に1発撃った (銃弾は胃に達した) 。
そして、スミスは更に車に向かって数回発砲したが、一家は奇跡的に全員助かった。
その後、スミスは車に戻り、郊外を走って食堂に立ち寄ると、そこでポーレット・カウチ (25歳♀) を人質にとった。
しばらくして、リサ・ハーディン (19歳♀) とトム・エドワーズ (22歳♂) がハーディンの家から出て来たのを目撃すると、スミスは2人に近づいた。
そして、エドワーズに向かって発砲して負傷させ、ハーディンを自身の車に押し込んだ。
その隙にカウチは逃げようとするが、スミスに頭を撃たれ死亡した。
スミスは近くの家をノックし、ドアを開けた女性 (18歳) にベッドを使えるか尋ねた。
女性が断るとスミスは女性を誘拐し、ハーディンと2人、森の中に連れて行った。
そこでスミスと2人の女性との間に争いが起こるが、2人を強姦した。
スミスはハーディンのみを連れ戻ると、別の家に行き、女性に道を聞いた。
しかし、女性はスミスが銃を持っているのが見えた為、ドアを閉めた。
すると、スミスは家に向かって2回発砲した。
ハーディンらと争った時に車が壊れてしまったので、次の停車駅まで向かい、途中、アン・ウェンセルウィッツ (19♀) の首を撃って負傷させた。
午前2時22分、スミスはフランク・スミス (24歳♂) とアンソニー・ブラウンを車から降ろし、車を走らせると警察に追われ、最後は自らの頭を撃って自殺した。
《殺人数》
3人 (他負傷者11人)
《犯行期間》
1970年、1975年5月24日
∽ 総評 ∽
2、3時間の間に移動に移動を重ね容赦ない犯罪を繰り返したスミス。
最後はまるで死ぬまで暴走を続けているような終わり方であった。
犯行の様子はスプリー・キラーと呼べるものだが、強盗に強姦、しかも、目につく者、適当な家を訪ねて撃ったりと凶悪でおぞましいものであった。
スミスの犯行はガールフレンドが浮気しているとされた相手に復讐を遂げる事から始まるが、その後の数々の犯行とガールフレンドも殺害している事から初めから皆殺しして死ぬつもりだったと思われる。
ただ、銃撃戦の末殺害を犯し、懲役10年を言い渡されたのに何故かたった10ヶ月で釈放された。
人1人殺しておいて10年というのも酷い話だが、わずか10ヶ月で釈放されるというのもあまりに酷い話しだ。
コメント
コメント一覧 (14)
更には精神科医がソシオパスと診断して「外に出せば再犯する!」との専門家二人が述べているのにアッサリ10ヶ月で釈放・・・・・・頭オカシイんですかね!?
ソシオパスは社会に適応するのが困難なので普段「愛想が良くて親しみ易い」のは仮面であって本質では無い・・・・・・その為、もの凄いストレスを溜め込んでいたと考えるべきでしょう。
感情を全く抑制しないで暴走する事がストレス発散だったのだと思われます。
そう考えれば強盗+銃撃戦もソシオパスである事も、最後の大暴走も説明がつくのではないかと思います。
恐らく凶悪クソムシは悔いて自殺したのでは無く、スッキリとストレス解消して思い残すモノが無かったんだと考えられますね。
本当ですね。
時代もあるのかもしれませんがあまりに酷いです。
考えられないですが、もしかしたら死刑廃止が近づいていたからかもしれませんね。
確かに仰る通りだと思います。
やる事やりつくしたから死のうと考えたのかもしれませんね。
然るべき施設で然るべき療育を受けていれば防げたかも知れない案件でしたね。
…ひょっとしたら施設の職員相手にやらかしていたかも知れませんが。
そうとしか言えませんね。
診断が誤ってそうなったのならまだしも、「異常だ」と言っているのに解放する。
確かに施設の職員に手を出す可能性はありますね。
しかもたったの10か月で。
暴挙を許したら2人も死者を出し、多数の巻き添え。
唯一の救いは自決したことくらいでしょうか。
そもそもこいつは異常者になるべくして異常者になったと思いますね。
こいつの場合は親父もお袋も若いうちに死んでいるのが運命の分岐点だったのでしょう。
その宿命に従うかのように犯罪人生を歩んで最後もその死に様。
やはり、守るべきものを見いだせなかった人はどんどん腐っていくという例ですね。
日本でも性犯罪の厳罰化を求めて週末にデモがあったみたいですね。
私はこのデモは当然だと思いました。
強姦を無罪にする暴挙はふざけてて怒りがこみ上げてきました。
1万回残酷に処刑しても償いきれない犯罪なのに軽く見ているのはどのような神経なんでしょうね。
当然ダメですね。
仰る通り唯一良かったのは死んでくれた事ですね。
まあなるべくしてなったといえますね。
デモありましたね。
私も当然だと思います。
日本は軽過ぎだと思います。
軽く見ているのは自分に関係ない事と社会が男主体と考えているからでしょう。
昨年こちらに辿り着いてから興味深く読ませて頂いてます
リサーチ力に感心するばかりです
初の書き込みですいませんが、
2発 被弾したのはゲートウッドではなくてスミスではないかと思いました
ご確認お願いします
初めまして。
昨年から読んで頂いているという事で誠にありがとうございます。
早速訂正させて頂きました。
今回、多くの人物が早いペースで何人も登場するのでいつも以上に気をつけて何回も読み直したのですが、やはりありましたね。
やはり作っている人間は主観になりがちなのでダメですね。
話は変わりますが管理人様 いつも掲載している殺人鬼ってどこで見つけてるんですか?
手に負えない所かあまりあまる程ですね。
体裁でしょうね。
通わないと周りがごちゃごちゃうるさいから仕方なくといった所ではないでしょうか。
当然日本には有名ではない殺人鬼など紹介されてないので、海外のサイトを調べています。
でも突発的すぎますね、皆殺しの切っ掛けが浮気への疑いにしてもその当事者を殺しても止まらない。どころか酷くなるとか元々本当に素質があったんでしょうね。
デナーリス・ターガリエンみたいだわ。
これまた防ぎようのない虐殺ですね
そうですね。
結構診断が正しかった事もありますね。
ただ、診断が正しくなくても釈放、正しくても釈放。
もうどうしようもないですね。
犯罪をするためだけに生まれてきて、最後はナニもかもヤりとげたかのごとくチャカで自殺。
さぞかし楽しかったことでしょう。
せめて激痛や高熱で苦しみながら死んでほしかったですね。
そうですね。
本人はやり尽くしたのでしょう。
仰る通り苦しんで欲しかったですね。