_20190403_000140
ロマーナ・ジーナートヴァ (チェコ)
【 1975 ~      】



2011年9月2日、チェコ・スビタビ地区シルキー・ドゥールに、ロマーナ・ジーナートヴァは、ロマーナ (2ヶ月♀) 、ルーカス (2歳♂) 、エリシュカ (4歳♀) 、デイビッド (8歳♂) の4人の子供と数日前から訪れていた。

そして、ジーナートヴァはロマーナとルーカス、エリシュカをナイフで首と手首を切って殺害。

最後にデイビッドを枕を押し当て窒息死させた。

子供達を殺害した後、ジーナートヴァは屋根裏部屋で手首を切り、首を吊って自殺を図った。

すると、ジーナートヴァの恋人が家を訪れ、その様子に驚きすぐに警察に通報した。

駆けつけた警察官が首を吊っているジーナートヴァの縄を切ってすぐに病院へ搬送し、治療の結果一命を取り留めた。

ジーナートヴァを知る住人によると、彼女は大変な子供想いでよく世話をしていたという。

殺害動機だが、実はジーナートヴァは離婚しており、子供達の親権について元夫と争っていた。

子供達の親権を失うのでは恐れ、犯行に及んだと推測された。

また、現パートナーとも上手くいっていなかった事も拍車を掛けたと思われた。

意識が戻ったジーナートヴァに警察が尋問するが、事件の事はもちろん自分に子供なんかいないと主張した。

しかし、専門家は首を吊ったショックを利用した記憶喪失のふりをしていると考えた。

質問してもほとんど感情を表さず、時々信じられないくらい激しく頭を振った。

捜査官は犯行現場の写真を見せて思い出させようとするが、ジーナートヴァは見るのを拒絶した。

心理学者や精神科医がジーナートヴァを診察するが、精神障害もなく何の問題もないとした。


裁判が行われるが、法廷でもジーナートヴァは事件の事を何も覚えていないと供述した。

また、法廷でも感情をほとんど表さなかった。

法廷で事件直後に犯行現場を撮影した映像が流れた際も、無表情で後悔の念を示さなかった。


2012年5月11日、ジーナートヴァに終身刑が言い渡された。

すると、判決を言い渡した直後、ジーナートヴァはその場に崩れ落ちた。

その為、判決に対する異議申し立てを行う事も出来なかった為、判決の確定は別の日となった。


そして、同年5月30日、改めてジーナートヴァに終身刑が言い渡された。

判決を不服としたジーナートヴァは弁護士に相談した後、プラハ高等裁判所に控訴した。


同年9月19日、高等裁判所はジーナートヴァの控訴を棄却、刑が確定した。



《殺人数》
4人

《犯行期間》
2011年9月2日



∽ 総評 ∽

親権が奪われる恐怖から我が子を皆殺しにしたジーナートヴァ。

このジーナートヴァのように我が子を獲られると思いこういった非常に行動に出る母親は意外に多い。

以前、紹介したイギリスのテレサ・リギも、子供を奪われるという理由で殺害して自らも自殺を図った。

だが、リギは子供を奪われるからというよりも自分の事しか考えていない節があった。

このジーナートヴァはリギとは違い手首を切って首を吊っていた事から本当に死のうとは思っていたと思う。

ただ、その後の行動を見ると子供を失った辛さや反省はみられず、正直子供を失いたくなかったからというのはかなり怪しい。

もし、本当にそうなら記憶喪失や精神異常を装らず、素直に刑に服するだろうし、控訴している時点で反省していないのは明白だ。

リギもそうだが、こんな母親の下に生まれてしまった事を嘆くしかない。